Story
テレビ俳優として人気のピークを過ぎ、映画スターへの転身を目指すリック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)と、リックを支える付き人でスタントマンのクリス・ブース(ブラッド・ピット)。目まぐるしく変化するエンタテインメント業界で生き抜くことに神経をすり減らすリックと、いつも自分らしさを失わないクリフは対照的だったが、2人は固い友情で結ばれていた。最近、リックの暮らす家の隣には、「ローズマリーの赤ちゃん」などを手がけて一躍時代の寵児となった気鋭の映画監督ロマン・ポランスキーと、その妻で新進女優のシャロン・テート(マーゴット・ロビー)が引っ越してきていた。今まさに光り輝いているポランスキー夫妻を目の当たりにしたリックは、自分も俳優として再び輝くため、イタリアでマカロニ・ウエスタン映画に出演することを決意する。そして1969年8月9日、彼らの人生を巻き込み、ある事件が発生する。(映画.comより)
2019年/アメリカ/クエンティン・タランティーノ監督作品
評価 ★★★☆☆
60年代ハリウッドを様々な映画ネタを散りばめスケッチ風に描いています。それぞれのエピソードは楽しめるのですが、私的にはブラピがヒッピー達の牧場に単身乗り込むところのホラーな展開がお気に入り。
普通、俳優を陽とすればそのスタントマンは陰になるのですが、陽のはずのディカプリオはキャリアの行き詰まりに悩み、一方陰のブラピは楽観的というか後先考えないというか、せっかく斡旋してもらったスタントの職もブルースリーをぶっ飛ばしてしまって(!)即クビという能天気さ。
細かいエピソードを積み重ねて怒涛のクライマックスになだれ込むというのはロバート・アルトマン的でもあるのですが、こっちの方は散漫、グダグダな感じが逆に心地よかった。
シャロンテート殺人事件を背景にしてますが、タラは再び大胆な改変を試みます。しかし、今の世の中が何処かで歯車が狂ってしまった間違った世界だとすれば、これは歴史"改変"というより歴史"修正"として許されるのでは。
「Once upon a time・・・」という題名にはそんな気持ちが込められているのではと思いました。
ラストでインターホンから投げかけられるシャロンの思いやりの言葉に救われた気持ちになったのは私だけではないと思います。
★タランティーノのもう1本の歴史修正物語
映画『イングロリアス・バスターズ』
評価 ★★★★☆
この映画は、実際に起きたシャロン・テート殺人事件を知っているのと、知らないのでは、全然、見方が変わってくる映画ですね。私は、夫のwancoに事件のことを教えてもらってから鑑賞したので、ラストはどういう展開になるんだろうとドキドキしながら観ていました。
当初の私の予想では、てっきり、ラストにシャロン・テート事件が起こるものと思って鑑賞していたので、マーゴット・ロビー演じるシャロンが良い人な感じのエピソードが流れると、なんだか本当に可哀想で切ない気持ちになりましたね。マーゴットはこういう人を疑わないような華やかな美人の役がぴったりでした。
ブラピとディカプリオについてはwancoが詳しく書いているので割愛しますが、この映画では、普段は穏やかだけど、キレたら何をするか分からないブラピの演技の方がすごく良くて、ブラピの怪演がラストのドンデン返しというか、衝撃的なシーンへ繋がっていきます。
タランティーノらしい目を覆うようなグロいシーンでも、実際のシャロンの事件が凄惨だっただけに、本当はこうであってほしかったと、ブラピとディカプリオのカルト教団へのこれでもかとの反撃は、観ていて壮快というか痛快でした。
後でパンフを見て気づいたんですが、カルト教団の一人を演じていたのがダコタ・ファニングだったと知ってびっくり。子どもの頃の清楚で可愛いイメージを払拭するような悪女を演じていて、その変貌ぶりに、すっかり大人になったんだなと感慨深い気持ちにもなりましたね。
wancoの言うように、事件の起こらなかったif… という世界が存在するなら、「Once upon a time・・・」という題名に込められた一種のタランティーノ流おとぎ話の映画だと思いました。
映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』公式サイト
(「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」2019年 9月 立川シネマ にて鑑賞。)
テレビ俳優として人気のピークを過ぎ、映画スターへの転身を目指すリック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)と、リックを支える付き人でスタントマンのクリス・ブース(ブラッド・ピット)。目まぐるしく変化するエンタテインメント業界で生き抜くことに神経をすり減らすリックと、いつも自分らしさを失わないクリフは対照的だったが、2人は固い友情で結ばれていた。最近、リックの暮らす家の隣には、「ローズマリーの赤ちゃん」などを手がけて一躍時代の寵児となった気鋭の映画監督ロマン・ポランスキーと、その妻で新進女優のシャロン・テート(マーゴット・ロビー)が引っ越してきていた。今まさに光り輝いているポランスキー夫妻を目の当たりにしたリックは、自分も俳優として再び輝くため、イタリアでマカロニ・ウエスタン映画に出演することを決意する。そして1969年8月9日、彼らの人生を巻き込み、ある事件が発生する。(映画.comより)
2019年/アメリカ/クエンティン・タランティーノ監督作品
評価 ★★★☆☆
60年代ハリウッドを様々な映画ネタを散りばめスケッチ風に描いています。それぞれのエピソードは楽しめるのですが、私的にはブラピがヒッピー達の牧場に単身乗り込むところのホラーな展開がお気に入り。
普通、俳優を陽とすればそのスタントマンは陰になるのですが、陽のはずのディカプリオはキャリアの行き詰まりに悩み、一方陰のブラピは楽観的というか後先考えないというか、せっかく斡旋してもらったスタントの職もブルースリーをぶっ飛ばしてしまって(!)即クビという能天気さ。
細かいエピソードを積み重ねて怒涛のクライマックスになだれ込むというのはロバート・アルトマン的でもあるのですが、こっちの方は散漫、グダグダな感じが逆に心地よかった。
シャロンテート殺人事件を背景にしてますが、タラは再び大胆な改変を試みます。しかし、今の世の中が何処かで歯車が狂ってしまった間違った世界だとすれば、これは歴史"改変"というより歴史"修正"として許されるのでは。
「Once upon a time・・・」という題名にはそんな気持ちが込められているのではと思いました。
ラストでインターホンから投げかけられるシャロンの思いやりの言葉に救われた気持ちになったのは私だけではないと思います。
★タランティーノのもう1本の歴史修正物語
映画『イングロリアス・バスターズ』
評価 ★★★★☆
この映画は、実際に起きたシャロン・テート殺人事件を知っているのと、知らないのでは、全然、見方が変わってくる映画ですね。私は、夫のwancoに事件のことを教えてもらってから鑑賞したので、ラストはどういう展開になるんだろうとドキドキしながら観ていました。
当初の私の予想では、てっきり、ラストにシャロン・テート事件が起こるものと思って鑑賞していたので、マーゴット・ロビー演じるシャロンが良い人な感じのエピソードが流れると、なんだか本当に可哀想で切ない気持ちになりましたね。マーゴットはこういう人を疑わないような華やかな美人の役がぴったりでした。
ブラピとディカプリオについてはwancoが詳しく書いているので割愛しますが、この映画では、普段は穏やかだけど、キレたら何をするか分からないブラピの演技の方がすごく良くて、ブラピの怪演がラストのドンデン返しというか、衝撃的なシーンへ繋がっていきます。
タランティーノらしい目を覆うようなグロいシーンでも、実際のシャロンの事件が凄惨だっただけに、本当はこうであってほしかったと、ブラピとディカプリオのカルト教団へのこれでもかとの反撃は、観ていて壮快というか痛快でした。
後でパンフを見て気づいたんですが、カルト教団の一人を演じていたのがダコタ・ファニングだったと知ってびっくり。子どもの頃の清楚で可愛いイメージを払拭するような悪女を演じていて、その変貌ぶりに、すっかり大人になったんだなと感慨深い気持ちにもなりましたね。
wancoの言うように、事件の起こらなかったif… という世界が存在するなら、「Once upon a time・・・」という題名に込められた一種のタランティーノ流おとぎ話の映画だと思いました。
映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』公式サイト
(「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」2019年 9月 立川シネマ にて鑑賞。)
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