夫婦でシネマ

夫婦で見た映画と、個別に見た映画について感想をかいてます。全て映画館で見た映画で、ミニシアター系の映画をたくさん紹介!

黄色い涙

2007年06月07日 | か行の映画
Story
東京は阿佐ヶ谷で暮らす漫画家の村岡栄介(二宮和也)、歌手の井上章一(相葉雅紀)、画家の下川圭(大野智)、小説家の向井竜三(櫻井翔)の4人は、ひょんなことから知り合い、栄介の母親を入院させるために一芝居を打つことになる。その後一度は離れ離れになった彼らだったが、やがて栄介のアパートで共同生活を送ることになる。そんな彼らを見守る近所の米屋の勤労青年・勝間田祐二(松本潤 )と、章一に思いを寄せる食堂の娘・時江(香椎由宇)。そんな彼らのひと夏の物語。(goo映画より)
2007年/日本/犬童一心監督作品




評価 ★★★★

この映画は、1974年にNHK「銀河テレビ小説」で放送された同名ドラマに心うたれた犬童一心監督がかねてから映画化したかった作品です。原作は漫画家・永島慎二の「若者たち」より。

嵐のメンバー5人が全員出演しているので、アイドルの青春映画になってやしないかちょっと心配だったのですが、全然そんなことはなく、観終わった後、心温まる良い映画でした。
時代は昭和30年代の高度経済成長期の日本を舞台に描かれていますが、その当時の様子がしっかりと再現されています。劇中で登場する大衆食堂やジャズ喫茶、銭湯、パン屋、タバコ屋、映画館など当時の雰囲気そのままに再現されており、観ているだけでもとっても楽しいです。変にCGなどを使ってないのも好感が持てました。犬童監督がさすが長年温めてきた企画だけあって、この映画のためにしっかりと時代考証して作られているのが分かります。

この映画は、若者たちがそれぞれの夢に向かって頑張る物語ですが、サクセスストーリーにはなっていなくて、若者たちの挫折や苦悩について描かれた作品になっています。当時の若者たちは希望に胸をふくらませていたものの、結局は夢破れてこんな青春を送っていたのかな、なんてこの映画を観て思いました。

二宮君演じる漫画家・栄介だけが、夢を諦めず自分の描きたい漫画を目指して頑張ります。この当時は、読者が暴力や性描写などの刺激の強い漫画の方が喜ばれる傾向にあって、栄介の描く子供向けのほのぼのタッチの漫画は、あまり受け入れられなかったようです。でも、それでも自分の信念を曲げず夢に向かって頑張る栄介を見てると、とても爽やかな気持ちになって、栄介にエールを送りたくなりました。

やっぱり、栄介演じる二宮君は演技が上手い!彼の自然な演技と、その間の取り方というのは本当に絶妙で、思わずスクリーンにくぎづけになります。
嵐のメンバーのなかでは大野君もなかなか良かったですね。彼は実際に絵を描いたりする才能があるせいか、絵描きの役が全然不自然ではなかったです。また、普段はむっつりしている感じでおとなしいのに、いざとなるとしっかりした感じで話し出すようなところがあって、そんな下川圭という役柄を好演していたように思います。

櫻井君の小説家役は、ちょっと無理があったかな。。彼は上品なイメージがあるせいか、がさつな感じの関西弁の役柄は似合わなかったです。相葉君は、優柔不断な煮え切らない感じの役柄を頑張って演じていたような印象があります。松本君は、いちばん出番が少ない役ですが、誠実な働き者といった役柄を好演していて、彼の爽やかな笑顔は見ているだけで癒されました♪
その他には、香椎由宇ちゃんも良かったですね。清潔な感じがあって、昭和30年代の衣裳がとてもよく似合っていました。特に出前持ち姿がかわいかったな。

最近では、犬童監督は「眉山」を撮っていますが、この「黄色い涙」は同じ監督の作品とは思えないくらい作品の雰囲気が違いますね。「眉山」もとても良かったですが、私は、どちらかというとこの「黄色い涙」のようなほのぼのタッチの泣ける作品の方が好きです。


映画『黄色い涙』公式サイト


(「黄色い涙」2007年5月 名古屋 センチュリーシネマにて鑑賞)

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