Story
メキシコ国境に近い砂漠でハンティング中に、偶然、死体の山に出くわしたルウェリン・モス(ジョシュ・ブローリン)は、大量のヘロインと現金200万ドルが残されているのを見つける。危険を承知で大金を奪ったモス(ハビエル・バルデム)に、すぐさま追っ手がかかる。必死の逃亡を図るモスを確実に追い詰めて行くのは非情の殺し屋アントン・シガー。そしてもう一人、厄介な事件に巻き込まれたモスを救うべく老保安官エド・トム・ベル(トミー・リー・ジョーンズ)が追跡を始めるのだった。(goo映画より)
2007年/アメリカ/ジョエル・コーエン&イーサン・コーエン監督作品
評価 ★★★★☆
第80回アカデミー賞4部門受賞作品!(作品賞・監督賞・助演男優賞・脚色賞)
ネタバレ注意!!!
殺し屋のアントン・シガーの特異な風貌が異様な迫力を生み、この作品の面白さを決定づけています。コインを投げて相手の生死を決めるなど、まるで”運命”が実体化して現れたようです。
一方の、シガーに追われる男のモスはといえば、多数の死体を見ても顔色一つ変えない事から、多くの修羅場をくぐり抜けて来ていることが窺われます。
このあなどれない二人の男の対決が数々の迫真的場面を作り出します。発信器を使ってモスの居場所を突き止めようとするシガーとそれを待ち受けるモス。見つかったモスが命からがら逃げて、今度は逆襲に転じる路上の銃撃戦場面なんかは凄いですね。
後半ではウッディ・ハレルソン演じる殺し屋カーソンが登場します。これは、毒をもって毒を制するで、こいつならシガーを倒せるのでは?、と期待させられたのですが、あっけなくオダブツとなってしまいました。
そんなわけで犯罪スリラーとしても一流の映画ですが、本質は、御しきれない人生について描いた人間ドラマかと思います。
原題はNo Country for Old Men。老人のための国は存在しない?。しかし、老人だけかというとそうではなく、老若男女を問わずNo Countryではないかと思います。年をとったから現代の複雑な問題に対処出来なくなるというわけではなく、年をとって深い思索をするようになるがために、よりスケールアップした問題に出くわして困難に見舞われるのではないかと。ラストのエドの長いモノローグからそんな事を感じ取りました。
謎の反復描写
・モスのトレーラーハウスに侵入したシガーがテレビのブラウン管に映る自分の姿を眺める。その後、同じくトレーラーを訪れたエドの姿がブラウン管に映る。
・シガーとの銃撃戦で重傷を負ったモスが若者から上着を買う。同じ行為を今度は交通事故で重傷を負ったシガーが繰り返す。
その他、モーテルのモスの隣の部屋にいたギャングの正体、モスが最期に至った状況、など、一度観ただけでは把握しきれない部分があります。何度も観る度に新たな発見がある映画ですね。
映画『ノーカントリー』公式サイト
(「ノーカントリー」2008年5月 長野グランドシネマズにて鑑賞)
メキシコ国境に近い砂漠でハンティング中に、偶然、死体の山に出くわしたルウェリン・モス(ジョシュ・ブローリン)は、大量のヘロインと現金200万ドルが残されているのを見つける。危険を承知で大金を奪ったモス(ハビエル・バルデム)に、すぐさま追っ手がかかる。必死の逃亡を図るモスを確実に追い詰めて行くのは非情の殺し屋アントン・シガー。そしてもう一人、厄介な事件に巻き込まれたモスを救うべく老保安官エド・トム・ベル(トミー・リー・ジョーンズ)が追跡を始めるのだった。(goo映画より)
2007年/アメリカ/ジョエル・コーエン&イーサン・コーエン監督作品
評価 ★★★★☆
第80回アカデミー賞4部門受賞作品!(作品賞・監督賞・助演男優賞・脚色賞)
ネタバレ注意!!!
殺し屋のアントン・シガーの特異な風貌が異様な迫力を生み、この作品の面白さを決定づけています。コインを投げて相手の生死を決めるなど、まるで”運命”が実体化して現れたようです。
一方の、シガーに追われる男のモスはといえば、多数の死体を見ても顔色一つ変えない事から、多くの修羅場をくぐり抜けて来ていることが窺われます。
このあなどれない二人の男の対決が数々の迫真的場面を作り出します。発信器を使ってモスの居場所を突き止めようとするシガーとそれを待ち受けるモス。見つかったモスが命からがら逃げて、今度は逆襲に転じる路上の銃撃戦場面なんかは凄いですね。
後半ではウッディ・ハレルソン演じる殺し屋カーソンが登場します。これは、毒をもって毒を制するで、こいつならシガーを倒せるのでは?、と期待させられたのですが、あっけなくオダブツとなってしまいました。
そんなわけで犯罪スリラーとしても一流の映画ですが、本質は、御しきれない人生について描いた人間ドラマかと思います。
原題はNo Country for Old Men。老人のための国は存在しない?。しかし、老人だけかというとそうではなく、老若男女を問わずNo Countryではないかと思います。年をとったから現代の複雑な問題に対処出来なくなるというわけではなく、年をとって深い思索をするようになるがために、よりスケールアップした問題に出くわして困難に見舞われるのではないかと。ラストのエドの長いモノローグからそんな事を感じ取りました。
謎の反復描写
・モスのトレーラーハウスに侵入したシガーがテレビのブラウン管に映る自分の姿を眺める。その後、同じくトレーラーを訪れたエドの姿がブラウン管に映る。
・シガーとの銃撃戦で重傷を負ったモスが若者から上着を買う。同じ行為を今度は交通事故で重傷を負ったシガーが繰り返す。
その他、モーテルのモスの隣の部屋にいたギャングの正体、モスが最期に至った状況、など、一度観ただけでは把握しきれない部分があります。何度も観る度に新たな発見がある映画ですね。
映画『ノーカントリー』公式サイト
(「ノーカントリー」2008年5月 長野グランドシネマズにて鑑賞)
こちらこそ、どうもありがとうございます。
nyancoはちょっと都合があわなくて、僕が一人で観てました。
世の中が嫌になるような感じもしましたが、トミー・リー・ジョーンズの最後の台詞「父親が何処かで待っていてくれる・・・」でちょっと救われた気持ちになりました。
奥様はご覧にならなかったのですか?
オスカー受賞作ゆえかなり期待して見ました。
シガーのキャラが強烈過ぎてそちらにばかり目を取られてしまいましたが、本当は別のところにテーマがあるんですよね。
>年をとったから現代の複雑な問題に対処出来なくなるというわけではなく、年をとって深い思索をするようになるがために、よりスケールアップした問題に出くわして困難に見舞われるのではないかと
うーん、なるほど~。
老若男女誰にとってももう国は存在しない・・・。
そんな末期的症状を考えるとプチ厭世気分になってしまいそうです。
TBできなくて、すみませんです。
シガーのキャラでシリーズ化されたりしたら面白そうですね。
ハンニバルみたいに。
ほんと、久しぶりに観た強烈キャラでした。(笑)
このシガーのキャラ、何かのときに(続編でも)復活させて欲しいですよね~ 絶対また観たいです(笑)
何度かTBしたのですが、同じgoo同士なのに反映しませんでしたm(__)m URL置いて行きます。
http://blog.goo.ne.jp/cyaz/e/0c438ce0bf254f6759049ecaa3bcf9cd