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迷走する枕茶屋

漕ぎ手のいない船はどこへ進む

大海に浮かぶ大きな器 

見知らぬ乗客

我儘な積荷  

行先不明の船旅はいつだって 私の断りもなく進む

得体の知れない人の名を書き

強引なお祭り騒ぎに引っ張り出される

たとえ船員に影で嘲笑われても この器の船長なのだ

いてもいなくても   勝手に航路を征く

きっと波の下で 大きな黒い鯰が引っ張っているのだろう



我 成す術も無く   途方に暮れることも許されず

ただ  運ばれる









とりあえず       どっかで降りようか


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