見出し画像

迷走する枕茶屋

未だに漂流気分が抜けず

一時期は やたらキズナとかいうワードが

さも当たり前に存在するかの様に広がった

失ったものをつなぎ合わせるのにはもってこいの呪文だ

流れが収まり 人から人へ伝わるのも治まった

おかげで私は漂流者となり 全ての繋がりを断ち切られ

未だにプカプカと波に浮いている状態が続く

静かに安定はしているが いつ転覆してもおかしく無い

雨は防げても横風には弱いし

逆さにしても船では無いので舵は取れない

大きな大陸にはたどり着けそうも無い波の流れは

淋しさを犠牲にして あえて過去からの呼び声を無視する


そうすれば人に嫌な思いをさせないですむ

これは優しさではなく 自分の愚かな流儀だ


誰も見てなくても 救助を待つフリを続けるのは


この漂流感覚が心地良いからに過ぎない





  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「挿絵のある日常語り」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事