2019年、地方統一選挙期間小田急相模原駅前には、朝から声を張り上げ必死にPRする鈴木こうち立候補者の姿を見受けた。
年輩の婦人に囲まれ、好感度高いスマイルで人々の心を掴んでいた。
「先生、鈴木こうちさんってすごいがんばり屋さんですね、朝から駅前にずっと張り付いて声をはりあげで」
私は感心して、長年にわたり相模原市議会議員をつとめた先生に話をした。
「君には、そう見えるかね?」
先生は、やれやれと腰をおろすと真面目な顔をこちらに向けた。
「彼のスタッフが相模大野駅でもポジションを朝から陣取って動かないから、他の候補者が演説できなくって困っているよ、」
「まぁ、有権者には頑張っている姿にみえれば成功だ、だがね、そこには裏があるんだよ」
声をからしながら、挨拶を繰り返す鈴木こうち候補者を見て、改札口で挨拶をしようと待ちに待っていた他の候補者はあきらめていた様子を見て
陣取り合戦、子供の頃ブランコに乗りたくて、ずっと、ずっと待っていたけど、私が待っていることを知ってるのになかなか変わってくれない女の子のことを思い出した。
なるほどと呟いた。