海外での生活を経験すると、日本との文化や風習の違いに驚かされることも多くあります。以前オーストラリアに行った際、現地での食器洗いに関する習慣に大きな驚きと気づきを得たという投稿が、ネット上で話題を呼んでいます。投稿者の女性に詳しい話を聞きました。 ◇ ◇ ◇ すすぎ洗いをする習慣がなく、食器洗いは洗剤の泡が残ったままで完了 「日本人の多くは知らない。オーストラリア人は洗剤で食器を洗ったあと、最後に水で流さないことを。食べ残しをサッと落とした食器や鍋を、シンクの水につけ置く。そして、泡立てたスポンジで汚れを落としたら、泡がついたままで水切りカゴに置く。これで食器洗い完了」 今月21日、オーストラリア人の食器洗いに関する実態をつづった投稿は、600件を超えるリポスト、2000件以上の“いいね”を集めるなど、大きな反響を呼んでいます。投稿によると、オーストラリア人は「洗剤で洗ったからきれい」という感覚で、すすぎ洗いをする習慣がなく、食器に洗剤の泡が残っていても、使う前に布巾で拭きとれば特に抵抗がないそう。投稿では「日本人はギョッとする」「まるで聞いた私の方がおかしいと言わんばかり」と文化の違いに戸惑いつつ、「日本人は潔癖だからね」というオーストラリア人とのやり取りを通じ、「目からウロコ」「なんだか、わかるような気もするし、節水だし、理にかなっているとも言える」と、新鮮な発見があったことがつづられています。 投稿者はWebデザイナーのれい(@ray3my)さん。ヨーロッパや東南アジアなど、各国で海外勤務をした経験があり、9年間にわたるこれまでの海外生活で得た独自の視点から生まれる気づきを、SNSを通じて発信しています。 れいさんは続く投稿の中で、「もし、日本人がオーストラリア人のように食器洗いの最後に水で洗い流さないとしたら、『洗剤の泡が子どもの口に入ったら大変』『汁物を入れたら、乾いていた泡が溶け出したりしないのかしら』など心配は尽きないだろう。洗剤のコマーシャルにもあるように、洗った食器をこするとキュキュッと音がするのが清潔であり、食器をふくのは専用の乾いた布巾と決まっている」と両国の感覚の違いを比較。 その上で「ツヤツヤに仕上げる食器洗いの奥には、表面上の『清潔』を求めるだけではなく、内側に秘めた思いや教えがあるとも言える。つまり、自分を大切に思うのと同様、共に食事をする家族や近しい相手への礼儀、ひいては敬意が込められているということだ。家事の一つを取っても『誰かのため』という思いを無意識に持っているのではないか」と、日本人の衛生観念の奥にある意識について分析しています。 一連の投稿には、「衛生か? 不衛生か? もだけど…洗剤って食べても体に害はないのかな? …っていう素朴な疑問…」「僕も初めて見た時は衝撃でしたね」「キュキュっとするのは、たまに強すぎかなとは思いますが、界面活性剤はさすがに口に入れたくないですね」「洗剤や食器洗いに対する何かしらの考え方が日本人と欧米の方で根本的に違うのかもしれません」「口をつける物に使う洗剤だから、キレイでしょって聞いたことがあります。自分には無理な暮らしなのですが、羨ましいなとも思います」「禊ぎ(みそぎ)祓い(はらい)の感性、つまりモノの腐りやすい気候風土で暮らしてきた日本人の土着の宗教だと思います」「日本は水が豊かということもあるんでしょうね」など、さまざまな意見が寄せられています。 「25年以上前の学生時代に、オーストラリアで短期の異文化体験プログラムに参加し、今回の投稿にある出来事を経験しました。今は東南アジアの別の国で生活しているのですが、自宅に設置している浄水器のフィルターの替えがなく、交換できないことにソワソワしている自分に気づき、水に関する当時の出来事を思い出して投稿しました」とれいさん。 一連の反響については、「初めて知ったというご感想や、他国での同様のご経験なども書いてくださったり、水道設備、気候、地理、歴史など、多角的な視点からのご考察や、オーストラリアに住む方からのご意見もあったり。SNSで発信した内容が、引いては返す波のように世界に広がり、また自分の手元に反応として戻ってくるのを実感しております。世界は広いけど、近い。そんなふうに感じています」と話しています。 (Hint-Pot) |
洗剤を流さず乾かして、使う前に布で拭く・・・
やはり洗剤は水洗いして流して欲しいです。
ビックリでした。