ほらふきにっき

発作的な日記です

錦秋の’06越後三山駈け(7)

2006-11-17 | つれづれ

おおーっ!
やっと見えました。八海山の八つ峰が。
ここまで来るとどうしてもホッとする。
でも八つ峰は一歩踏み外せば奈落の底、気を緩めてはいけない。

左側に目を向けると魚沼平野を見渡すことができる。
見渡しても見渡しても山の世界からやっと開放された気分。



鋸の歯に例えられる、特徴ある八つ峰が迎えてくれる。
いつ訪れても違う表情。
今回は紅葉の始まりの色合いがまた美しい。



鎖をよじ登り大日岳にたどり着く。
人一人しか上がれない岩場に先達さんが上がり、八海山大神に今までの道のりを歩いてこれたことに感謝の勤行。
心地よい風が吹き抜ける山の頂。



八海山大神の像。
不動岳の像とは違い、こちらの神像は小さくて気さくな感じの顔立ち。
お参りの人があったらしく、榊と生花が供えられている。


八海山の八つ峰で特徴的な岩肌を持つ摩利支岳。
5人ほどよじ登っているのが見える。
鎖場を登ったり下りたり。

不動岳で勤行し、千本檜小屋へと向かう。
法螺の音が聞こえる?ブーーーゥ・・・ブブーーー。
多分法螺だと思うが・・!?
返答の螺を吹く。

今日は天候もよいせいか、何組か講中の方々が登ってられたようだった。ちょうどその大きな団体が山を下るのが見えた。

小屋へ着くと法螺の持ち主がいらっしゃった。
見覚えある人だと思ったら、なんと昨年もこの三山駈けで八海山に来た時登っていた方だった。
しばし、ホラ話(笑)

最近法螺貝を持って練習されているとのこと。ホラネットワークが八海山近辺でジワジワと広がってゆくのを感じる。

ぜひまたジョイントしましょう!ということでロープウェイまで休まず吹き続ける。

4合半で先ほどの法螺師さんと別れ、大崎口へと徒歩で下る。



下りの途中に生えていた。
これはなんてキノコだろう??
誰も採らないところを見ると毒キノコですね。

ベテラン先達さんの話に耳を傾けながら日が傾き始めた山道を足早に下りる。

今はロープウェイが出来て昔からの登拝道を通る人はかなり少なくなってきてるようだ。
人通りの少なくなった道はだんだんと手入れがされなくなってきているという。
実際大雪で倒れた霊神碑がそのままに、そして草に埋もれていく。

ロープウェイという便利なルートと昔ながらの登拝道を比べると、ロープウェイは時間もかからず日帰りできる。でも、便利なだけが全てではないと思う。
ふもとから、五感を研ぎ澄ませ一歩一歩を踏みしめながら、頂に立つ感動は代えがたい。


金剛霊泉の脇にあるお不動さん。

周囲を覆っている草や枯れ木を軽く除けて、灯明と線香を手向ける。
念入りに勤行。
近年まで山の中腹にあるこのお不動さんに熱心にお参りされる方が何人かいて、水場の掃除や草刈などをしてそれはきれいに整備されていたそうである。
そんな篤信の方も高齢になり、今は自然のなすがままとなっている。

ここ金剛霊泉の水は夏も冷たい清水が豊富に流れる。
昔はここで水を被りながら行をする行者もいたのだろうか?


さらに日が傾き始めた。
里宮にも金剛霊泉はパイプで送られていて同じ水が汲めるけれど、ここでおみやげの水1L汲み里宮を目指す。
16:20を過ぎている。


里宮に辿りつくころには周囲は薄暗くなっていた。
杉木立の中で法螺を吹く。
スーーっと木々にしみ込んでいくような癒しの音。
杉木立だから出る音なのだろうか。
最後のしめに相応しい音の響き。

今年も三山を踏破できたことを山内二十一社の神々、諸霊神に感謝し勤行する。
そして、御瀧に入って最後まで残った体の中のチリを洗い流す。


よく歩いたせいか、足のつま先がじんわり痛い。
明日には筋肉痛もやってくるに違いない。
心地よい開放感に包まれて山を下りた。
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2 コメント

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きのこ (妖元斎)
2006-11-17 21:50:46
ベニタケの仲間です。
こいつはくせものでして、種を見分けるのは達人の中の学者の専門家でも頭ひねって唸って
さかだちしてわからないそうです。
結論として、赤いベニタケ科です。
それ以上云えるのは天才だけです。
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なるほど (horafuki)
2006-11-18 01:07:56
そうですか!ベニタケの仲間ですか。
難易度の高いマニア向けのキノコってことですね。
勉強になりました。
しっかし山道にいっぱい生えていました。
私はもちろん食べませんが、野性的な行者さんは早速口に含んでました。
何でも、舌がピリピリするから、食べたらいかん、と思うとのこと。
ピリピリするって・・・。
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