皇海山・・・クラシックルート三山駆けは散々
今回は最初から綾が付いていました。半月ぶりの代休を取り金曜~土曜の小屋泊まり一泊で庚申三山駆けを予定していたのですが、金曜未明に関係施設にて火災発生。その対応に金曜午前中を費やしてしまったことから、三山駆けは何と日帰りとなる羽目に。かなり困難な行程となることからそれなりの覚悟で臨みましたが、結果やはり「参った~」という感じに終わりました。今年無理をして4回目の遠征となりますが、間違いなく一番酷い山行でした。いやこの山を日帰りすること自体無理がありますが、越駒も飯豊も薬師も去年の平ヶ岳の苦しみですら全てぶっ飛んでしまったという感想です。何という山なんでしょう!!
■記録
結局代休半日パー。午後から5時間半のドライブで日光にて日没ゲーム
本当は今頃山小屋で夕飯食べている筈だった・・・と思いながら日光市内でラーメン定食なり
銀山平にて予定してなかった車中泊。でも案外眠れたので良しとしよう。周り鹿だらけで薄気味悪いが参るか
まずは登山口までが長い。3.5km。最初の洗礼かな?ここは明るいうちにじっくり見てみたかった天狗の投げ石。真っ暗
たっぷり1時間歩かされやっと一の鳥居。参拝して山道へ。独特の目印。ヘッデンに反応するので助かる
周りは鹿だらけ。ピーピーうるさい。ライト向けると崖の上に光る目が沢山
夜が明けてやっと周りの風景が見える。こんな奇岩の中を歩いてたんだね~
笹と岩と朝日に浮かぶ紅葉。昨日入りたかったな~
あれが庚申山と鋸山か・・・大分険しそう
2時間以上歩いて庚申山荘到着。緊張の夜間歩行だった
ひょえ~見事なロケーション。泊まってみたかった。ここで荷物を一部(食料、着替え等)デポさせていただく。利用料金は300円
丁度皆さん出発のようなので最後尾に着いていくことにしよう^^この時点では10人位いたかな?
いきなり階段と梯子の連続。急激に高度を上げる感じ
かなり危ないがアスレチックで楽しい。でも油断禁物
これは・・・ヤバいっす。解りづらいけど100mは落ちている
険しいけど楽しい・・・しかしこれはほんの序の口に過ぎなかった
一時間ほど格闘して山頂部へ。この時点で皆さんバラけたようだ。早い人は早いし遅い人は遅い。自分は・・・遅い方^^
先ずは一座目。庚申山到着。結構だったがまだまだ序盤の序盤!!
コメツガ林に囲まれた雰囲気がある頂だ。眺望は無し
でも少し下るとこの景色!!これから向かう鋸山とラスボス皇海山。え~あそこまで行くの~という感じ
右手には日光白根山と男体連山。今日はいい天気でよかったな~←まだ余裕
北側斜面は霜と氷の世界。アイゼンは持ってこなかった。これは慎重に行かねば
折角登ったのに結構下る。いやかな~り下る(汗)
笹の鞍部に到着し登り返して駒掛山という所。ここも眺望は無いので先を急ぐ
チラッと鋸山が見える・・・本当にあれ行くのかな
うを~!!垂直の壁だ。因みにこの前を行く方は足が攣っておられ、この景色見てリタイヤされた。正解です
何気に足元見ると・・・落ちている。200mはあるな。下半身がムズムズする^^
出ました。あれが一番の鬼門。50mの垂直の壁だ。実はその前にこの山の鎖場を下らなければならない
と言うことでヘル装着しいざ!!因みにもう一人の登山者と先行譲り合いの場面があった^^
一番急な所では本当に90度ある。でも写真撮ってるし^^
無事降り切って次の鬼門は岩のトラバース。まぁなんとか
そして50m岩壁アタック。でも思ったより登れる。写真撮る余裕があるし・・・
しかしこれ見て愕然。この頼りない木がロープの支点??これは全体重掛けられないね
しかし鋸山への路はこれが最後ではなかった
ここからがもっと怖い場所。まさかあれ行くの?本当に鋸状に付けられている登山道
足元は奈落の底への滑り台。ぞぞっ。足がすくむね
超えるとこうなっている(汗)
まだまだ続く鎖場地獄。トド山とか前倉山とか石上山とかのレベルではない
何とか2座目の鋸山到着!!大分時間が掛かってしまった。この時点でもう10時近い。これは相当頑張らないと
でもここの景色は最高。今超えてきた峰々というか岩峰帯
武尊山、谷川岳、火打山などが目に飛び込んでくる
登れば下る。この下りも大変な崖だが何より帰りもここ登らなければならないと思うとナーバスになる
ひえ~降りるね~。鋸山で大分消耗している。大丈夫かな
以前はピュッと登れたらしい皇海橋ルートとの分岐。台風の被害で今も将来も完全通行止めだそうだ。なので皇海山登山はこのクラシックルート一本切り
いい景色だがラスボスに挑まなければ・・・昼飯なんか食べている時間は無い!!
この登りも大変。どの山も難儀である。修験の路を実感
鋸山から90分を要しついに皇海山踏破~!!いやー長かった
銀山平から7時間かかった(汗)飯豊とほぼ変わりないじゃん。そしてこれ戻るの?マジで?
聞いていた通りここの眺望はなし。でもシラビソの香りがする静かな静かな頂
皇海山からみるスカイ^^腹減ったしゆっくりしたいな~
でもそんな時間は残されていない。ここから六林班峠経由で恐らく5時間はかかる←実際は7時間かかった(泣)
そしてあの鋸山登り返し・・・絶望感。でも歩かなきゃ
ひょえぇぇぇ~。登る足は既に無い。気力のみ!!
何とか鋸山に戻る。時間惜しいが、たまらず一服なり~
少し落ち着いたかな?この景色ともお別れだね
それでは参るか。この六林班峠の辛さは聞いている。気を引き締める
基本平坦な稜線と思いきや・・・やっぱりな。藪っぽい灌木と肩まで覆う笹のミックスアップダウン。救いなのは先行者がいること
鋸山から1時間要し不思議な場所六林班峠着。たまらず一服と5個入り最後のアンパンを頬張る
少し休んでこの迂回登山道へ。これも調べている。とにかく長い道のりらしい
しかしただ長いだけではない。渡渉を10回以上、随所に右手50度も切れ落ちた笹の路を延々5Km、2時間以上トラバースし続けなければならない
日が傾いてきたが全く急げない。体力の限界と水の枯渇。それでも森は美しい景色を見せてくれる
満身創痍で庚申山荘復帰。これほど長い下山は初めて。正に修験の一言
デポしておいた水をがぶ飲みしてヘッデン点灯し下山。暗闇の下山ほど怖いものは無し。泊り客が羨ましかった・・・
何とか、本当に何とか戻って来たという感じ。最後の試練は長い林道歩きだった。当然あちこち痛くなってる。でも無事帰ってこれたので感謝しなければいけません
■タイム
04:27 銀山平登山口出発
05:11 天狗の投石
05:23 一の鳥居
05:54 百丁目
06:33 庚申山荘(おやつ&荷物デポ)
07:22 一の門
07:51 庚申山(おやつ)
08:21 駒掛山
09:11 白山
09:22 垂直クサリ場下り
09:34 垂直クサリ場登り
09:55 鋸山(小休憩)
10:32 旧皇海橋ルート分岐
11:27 皇海山(小休憩)
11:39 下山開始
12:12 旧皇海橋ルート分岐
12:55 鋸山(一服)
13:38 女山(おやつ)
13:55 六林班峠(一服)
16:23 庚申山荘(荷物回収)
17:28 一の鳥居
18:37 銀山平登山口到着
※登り 7時間0分(皇海山)
下り 7時間10分(六林班峠経由で)
■GPSログ
距離:24.94km、高度の上昇/下降:2357m/-2357m
■勝手に難易度指数
74+8(滑落危険度)=82points
■感想、反省等
・この山に限っては他の百名山とは違いましたので、
・今後登る方のため参考までに少々詳しく書きます
・ここは日帰りしちゃダメな山です(断言)
・火事が無ければ小屋泊・・・それでも厳しかったでしょう
・できれば小屋2泊する位が妥当な線だと思います
・信仰登山というよりもそもそも修験道として謳われた山
・コースタイム15時間だそうです。しかも休憩時間含まず
・自分は休憩込み12時間と見込んでたので大失敗でした
・まさか真暗な中下山することになると思いませんでした
・登るなら春~初夏の日が長い時期がいいでしょう
・YAMAP等の記録は速度競争で参考にしない方が無難です
・小屋は庚申山荘だけ。ほぼ麓と思っても良いでしょう
・この山は周回が基本で登山者とはほぼスライドしません
・また登山者自体が少ないです。この日は30人位でしょう
・万が一に備えツェルトなどビバーク用品持ちましょう
・携帯電波は弱いですが谷筋以外は届きました
・全般とにかく気の許せる所はありませんでした
・岩場じゃなく草付き斜面でもほぼ50度を超える急傾斜
・本当に怖いのは岩場ではなく六林班道かもしれません
・鎖が無いので一歩間違えば奈落の底へとダイブ必至です
・そして右手切れている個所多数で常にナナメ歩行でした
・お陰で左膝をかなり傷めました
・鋸山周辺はヘルメット必須です。そこ以外も保険ですね
・そして常に滑落、転落、落石を意識し疲れました
・自分は基礎体力無いので急げませんでした
・厳しいなと思ったら直ぐに引き返しましょう。正解です
・正直成し遂げたと言うよりも無事帰ったという思いです
・笹や藪等要所は刈払いされ危険個所は対策されています
・広大な登山道を管理されている方々に感謝の気持ちで!!
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