おじさん備忘帳

おじさんの備忘や雑記

有効成分の変更

2024-10-19 19:06:52 | 日記
 レプリコンワクチンのコスタイベの有効成分が変更された模様。

●レプリコンワクチンのコスタイベの添付文書にある有効成分に関する記述が「ザポメラン」から「ARS-CoV-2のスパイクタンパク質をコードするmRNA」へと変更されている
●過去のmRNAワクチンのようにmRNAのウリジンをシュードウリジンに修飾していない為すごく強い免疫反応が起きる可能性がある


2. 確認
2.1. 有効成分の確認
 記事中のリンク先を確認する。
 
コスタイベ筋注用の基本情報
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/63/631341PE1020.html

上記ページ内の添付文書が「2024年6月作成(第1版)」のワクチン添付文書。
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/medley-medicine/prescriptionpdf/780009_631341PE1020_1_01.pdf

引用を図2.1に示す。

図2.1 2024年6月作成(第1版)の有効成分

次のリンク

医療用医薬品 : コスタイベ
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00071459

上記ページ内の添付文書が「2024年9月改訂(第2版)」のワクチン添付文書。
https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00071459.pdf

引用を図2.2に示す。

図2.2 2024年9月改訂(第2版)の有効成分

添付文書の有効成分に関する記述が「ザポメラン」から「ARS-CoV-2のスパイクタンパク質をコードするmRNA」へと変更されている。


2.2. ウリジン修飾の確認
 そもそもザポメランとは何か。下記リンク先を見る。
 
医薬品の一般的名称について(令和5年11月27日)(医薬薬審発1127第1号)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc8085&dataType=1&pageNo=1

引用は図2.3に示す。

図2.3 ザポメランについて

 よくわかんないです。
 
 よくわからないので他のワクチンと比べてみる。新型コロナウイルスワクチンのコミナティRTUの添付文書を見る。
 
オミクロン株対応ワクチンの一部変更承認について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34956.html

上記ページ内の『オミクロン株対応ワクチンの一部変更承認について』の中にコミナティRTU筋注の添付文書がある。
https://www.mhlw.go.jp/content/11123000/001140464.pdf


引用を図2.4に示す。

図2.4 コミナティRTU筋注の有効成分

コミナティRTUの有効成分はいくつかあるがとりあえず「トジナメラン」に注目し、下記のリンク先を見る。

医薬品の一般的名称について(令和3年1月28日)(薬生薬審発0128第1号)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc5624&dataType=1&pageNo=1

引用は図2.5に示す。

図2.5 トジナメランについて

 これもうわかんねぇな。
 
 ここでトジナメランに関する「医薬品の一般的名称について」の記述に注目すると、
 --引用開始--
全てのウリジン残基がN1―メチルシュードウリジン残基に置換された,4284個のヌクレオチド残基からなる1本鎖RNAである.

 --引用終了--
一方、ザポメランに関する「医薬品の一般的名称について」の記述では「ウリジンをシュードウリジン残基に置換」というような記述がない。
 
 また、「医薬品の一般的名称について」には有効成分内のmRNAの配列が「核酸配列」として画像で示されており、核酸配列と画像中の英字が表す意味を以下に引用すると
 ●ザポメラン
 --引用開始--
A=アデノシン;C=シチジン;G=グアノシン;U=ウリジン

 --引用終了--

図2.6 ザポメラン核酸配列(一部)


 ●トジナメラン
 --引用開始--
A=アデノシン;C=シチジン;G=グアノシン;Y=N1―メチルシュードウリジン

 --引用終了--
 

 
図2.7 トジナメラン核酸配列(一部)

 
この「U(ウリジン)」か「Y(N1―メチルシュードウリジン)」かがウリジン修飾の有無と思われる。
つまり、コスタイベ(ザポメラン)は過去のコミナティRTU(トジナメラン)のようにmRNAのウリジンをシュードウリジンに修飾していない。


3. 変更によって生まれる印象
 有効成分の表記の変更によって「ベネズエラ馬脳炎ウイルス」という言葉が見えにくくなった印象を受けた。ただし、この言葉が指し示すウイルスについての表記は「VEEV」として添付文書に残っている。2024年9月改訂(第2版)の引用を図3に示す。

図3 製法の概要及び組成・性状

「VEEV」の表記についての参考にした記事を以下に示す。
ウイルス学:VEEVの構造について得られた新たな知見
https://www.natureasia.com/ja-jp/nature/highlights/109919



4. おまけ
 人工のmRNAを体内へ導入すると激しい炎症を起こすらしいという記事を以前に上げているので参考までに。
mRNAによる炎症
https://blog.goo.ne.jp/ojisanbiboutyou/e/636bde968a73940700e1bf4c68b70885

専門家によると、
●人工のmRNAそのものが自然免疫を非常に強く活性化して激しい炎症をおこす
●シュードウリジンによる置換によって炎症をある程度抑えられる
●シュードウリジンを利用しても子宮頸がんワクチンで加えるアジュバントより強いくらい活性化する

『感染症予防ワクチンの非臨床試験ガイドライン』をチラチラ見る その2

2024-10-19 16:40:16 | 日記
 『感染症予防ワクチンの非臨床試験ガイドライン』(令和6年3月27日改訂)をチラチラ見る。
 アジュバントについてのメモ。

ガイドラインの出典は

あるいは
PMDAホーム>承認審査関連業務>承認審査業務(申請、審査等)>審査等について>医療用医薬品>新医薬品>感染症予防ワクチン・血液製剤
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/about-reviews/p-drugs/0032.html#section1

にある

を参照。

 『感染症予防ワクチンの非臨床試験ガイドライン』は感染症の発症予防・感染予防を目的とするワクチン開発に適用されるらしい。「非臨床」なので人間相手の試験ではなく、動物を使うレベルの試験と理解。ガイドラインの適用範囲の引用は図1に示す。


図1 適用範囲

mRNAワクチンの適用範囲はどこ?ここ( 「4)遺伝子組換え技術によって…」)?


 アジュバントについての解説を見る。図2に引用を示す。

図2 用語解説

素人の筆者の理解としては、アジュバントとは「免疫をびっくりさせたって免疫反応を起こさせる物質」。


 アジュバントには「特別な留意事項」として項目が割かれており安全性において重要視がされているように見える。新規のアジュバントや、既承認のワクチンに含まれるアジュバントおよび有効成分の新たな組み合わせに対しても安全性の評価が必要とされている。図3に引用を示す。

図3 特別な留意事項