さすがに2週間もわが家にいると身体も脳みそも楽な方へ楽な方へと向かい出す。当初の「早くどこかへ行きたい」病もやや落ち着き、もうこのまま隊長よろしく家の中で思いのままに「ぐ~たらしていたい」病の症状が見え隠れ。一年中時差ボケ状態とはいえ、ここ数日はずいぶんと日本時間に慣れてきたし。だから最近は早朝散歩に起きるのもチト辛い。それでも逆にそろそろ次の仕事のことが気になりはじめているらしく、夢の中で仕事することも増えてきた(笑)。
昔は間髪入れずに仕事をしていたい方だったけど、さすがに近年は悲しいかな体力の衰えを真面目に感じるし、あまりガツガツせずリラックスできる程度にしておきたいと考えるようになった。実際その方が次の旅に出る時の余裕とそして何よりワクワク感を維持できるからね。旅にはやっぱり必要でしょ、このワクワク感が。
私たち添乗員にとったら普段の旅は所詮仕事。決められた行程をつつがなく予定通りにクリアする、それが使命の「旅程管理主任者」。たとえ街中でステキなカフェを見つけたとしても、車窓からステキな風景が見えたとしても、そこで立ち止まることは許されない。バスの車内でマイクを握りながらも、あるいは食事をとりながらも頭の中は常に先々のこと。そう、それが私たちの旅=仕事。分刻みのスケジュールを余儀なくされるいま時のツアーの中では正直なところ目の前の景色にワクワク感など感じてる暇はそうそうない。むしろ行程を案ずるドキドキ感でいつもいっぱいだ。
毎度毎度「ふぅっ」とため息をつきながらの旅=仕事が楽しいはずもなし。せっかくの雄大な景色も歴史ある街並みも、目にしているのに脳みそが反応しなくなったら終わりよね。たぶんこんな思いは添乗員誰しもが経験してるのかも知れない?それが人生の分岐点となって別の道を歩みだした人もずいぶん多いだろう。ちなみに私は何度もそんな分岐点で立ち止まりながら、いまだに同じ道を歩いてるんだけど(笑)。その度に思ったのは単純だけど旅のワクワク感を大切にしようってこと。慣れることなく新鮮な気持ちでいるってことは結構大変。それは仕事とは別に普段の生活の中でも言えることだよね。
旅を楽しむ気持ちがなければただの水先案内人。大好きな旅を仕事にしていると思えるから「いつもタダでいろんな国に行けていいですね。」といった言葉にもひと呼吸おいて「最高です♪」と笑顔で答えられるようになった(笑)。だからワクワク感は隠さない。淑やかな日本人は欧米人に比べると気持ちを表現するのが苦手なようだけど「すご~い!」とか「キレ~イ!」とか、もっともっと表現していいと思うよ。気持ちを表に出すと感動もずっと大きくなるのよ。そして旅はもっともっと楽しいものになる。
ちなみに写真は、近年の旅=仕事の中で鳥肌が立つほどワクワクしたクイーンエリザベス2号との遭遇。昨年6月ノルウェーでのフィヨルド・クルーズの際にこの美しい姿とすれ違った際のもの。現英国女王の名を冠するそのイメージと全長32mと細長いその優美な姿とで20世紀を代表する豪華客船として知られる。その姿をこの目にして、これがワクワクせずにいられようか。小雨まじりの甲板の上で大はしゃぎしたことは言うまでもない。ところが後で知った話、その数ヶ月後に彼女はラスト・クルーズを終え40年間に渡る現役を退いていた。そう知るに至って例えようもなく美しかったあの姿に再び感動がよみがえった。そう、旅のワクワク感ってその時だけのものじゃないのよね。たぶん、ずっとずっと心の中に残ってる…
みなさんからのコメントはいつも楽しく読ませていただいています。ただ諸々の理由によりこの年明けからコメントへのお返しはしていませんのでどうぞご了承下さい。また旅関係のご質問やリクエストに関しては、できるだけ今後のブログ上に反映させていきたいと思っています。
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