奥様は海外添乗員〜メモリアル

バルデモサの風景

    

ここマヨルカではゆったり日数を取ったつもりだったのに、楽しい時間はあっという間に過ぎ去り今日はもう最終日。明日の朝にはお隣りイビサ島に渡ることになる。そんな一日、やって来たのはパルマからバスで30分ほどの街バルデモサ。たぶんマヨルカ一有名なこの街は、あのフランソワ・ショパンが恋人ジョルジュ・サンドとひと冬を過ごした場所。マヨルカへ来たからには誰もが必ず足を延ばす街だろう。パルマのスペイン広場に面した(といっても地下だけど)新しいバスターミナルから出発しオリーブの木が立ち並ぶのどかな風景を楽しんでいると突然現れる白茶けた煉瓦色の風景。スペインの古都トレドに似た雰囲気の街並だ。

街の外れのバス停からまだ朝一番で静まり返る街中へと歩き出す。地図もなくキョロキョロしながら。それでも小さな街だから高い塔を目印に歩いて行けば数分で目的のカルトゥハ修道院に着く。趣のあるこの修道院のひと部屋が彼らが暮らした場所で、今でも当時のまま残されており見学しようという観光客は後を絶たない。中でもショパンがわざわざパリから運ばせたというピアノやここで完成させた「24の前奏曲」の譜面などが展示されている。ちなみにその中の1曲が「雨だれのプレリュード」として特に名高い。もっとも日本人にはむしろ、某製薬会社のCMで使われる「第7番イ長調」の方が有名かもね。タンタ・タン・タン・タ~ン♪この曲を知らない人はいないと思うけど?

          

寒いパリから温暖なこの地へわざわざ逃避行して来たっていうのに、時折しもこの地中海沿岸では比較的雨の多い時季。晴天日が300日を越えるというマヨルカだけど、春と秋とを中心にやっぱり雨も降る。しかも1日のうちわずかでも陽がさせばそれも晴れと数えてしまうとかしないとか?そんなわけで数ヶ月の後には彼らもここから去ることになったらしい。まさに「雨だれ」は冬のマヨルカで生まれるべくして生まれた曲か。結核を患っていたこともあるし、曲の細部に彼の持つ心の闇のようなものが私には感じられる。ただ今日は幸か不幸かそんな彼の想いにふけるには難しいほどのお天気に恵まれたけど。彼らも歩いたであろう石畳みの道を歩いて行くと、修道院のわずか下の方には山間にたたずむバルデモサの街を見渡せる場所がある。ふっと思い立って近くのパン屋さんでパンとビールを買い込み、ひとりピクニックと洒落こんだ。そういえばここでの滞在中女流作家であったサンドが書いた「マヨルカの冬」をまだ手にしたことがなかったんだ。日本に帰ったら読んでみようかな…

写真上段:バルデモサの風景
写真下段:ショパンが住んでいた修道院のいっかく



みなさんからのコメントはいつも楽しく読ませていただいています。ただ諸々の理由によりこの年明けからコメントへのお返しはしていませんのでどうぞご了承下さい。また旅関係のご質問やリクエストに関しては、できるだけ今後のブログ上に反映させていきたいと思っています。

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