感動しています。この感染者数の減少にです。ホッとしている、というのももちろんありますが、何より感動しています。ニッポンすごい!
11月1日月曜日はなんと、全国で新規感染者数が86人でした。検査数が少ない月曜日発表とはいえ、全国で86人!人口1400万人の東京でも9人。見渡す限り、2桁の都道府県すらありませんでした。
画像は11月3日のNHKのHPからの今の最新です。265人と増えていますが、それでも少ないです。11月1日のスクショをなんで撮っておかなかったか、と後悔しています(笑?)記念的な日だったかと。でも、きっとそれより発展的な明るいニュースがコロナには出てくるでしょうから。そんな明るい希望も持てる新規感染者数でした。
わずか2ヶ月前は、最大の感染爆発の最中でした。9月の初め、だれがこんな2ヶ月後を予想できたことでしょう?「見えてきたかもしれない光(1〜4)」で、「今回の感染者数の急激な減少は『収束』ではなく『終息』が見えはじめる減少の可能性がある」と私は書きました。そう書きはしたものの、ここまでの減少は予想を大きく超えています。
なぜなら、日本には3割のワクチン未接種者がいるはずだからです。
「ワクチンパスポートは誰のため? 3」で触れましたが、今や多くの国でコロナの世界を支配したデルタ株は、その感染力の強さから、ワクチン接種者でも感染して感染させるというブレイクスルー感染という新たな脅威を持ちます。その罠が、ワクチン接種後の世界でも感染者を増やし、そしてワクチン未接種者には重症者を生み、新たな波と脅威を生み出しています。
ワクチン接種者には感染は脅威ではなくなりつつあります。ですから、新規感染者数は多少増えたところで重症者が増えませんから、これまでとは意味合いが変わります。まさにイギリスがその状況で、5万人超の新規感染者を計上しても医療は圧迫されず、社会は回っています。新規感染者数が増えても心配するな、ということです。
ところが、ワクチン未接種者にとっての新規感染者数はこれまでと同じ意味合いを持ちます。ワクチン未接種者は、ワクチン接種開始以前の重症化率、致死率で闘わなければいけないのです。
ですから、「見えてきたかもしれない光(1〜4)」のあとに、この「ワクチンパスポートは誰のため(1〜4)」を書き始めました。次の波を小さくするためには、ワクチン未接種者を守る意識が必要だと考えたものでした。
「ワクチン接種証明」と、「ワクチン未接種者のPCR検査陰性」を同列に解釈してしまうことの危険性に気がついてもらいたい。そして、その二つの資格で、ワクチン未接種者が同じ空間に入ることが、ワクチン既接種者には安全であっても、ワクチン未接種者には危険であることを考えてもらいたいと思いました。夜の街や大規模会場での危険な感染は、ワクチン未接種者には今でもなにも変わらず存在しているのです。他の人の「ワクチン接種証明」は未接種者には役にはたたず、しかもイギリスのようにブレイクスルー感染者が増え、新規感染者が増えていれば、それまでよりもワクチン未接種者にとっては社会は危険になっています。海外のワクチン接種が進んだ国での感染者数の増加と、ICUはワクチン未接種者でうまっているという報道に心が痛みます。ワクチン接種の是非の議論は置いておいて、事実として、ワクチン未接種者はコロナ禍では弱い存在で、守護が必要な人たちです。この「ワクチンパスポートは誰のため?」の連載は、これからは私たちはワクチン未接種者を守らなければならない、と考え始めたものでした。
ところがどうでしょう?日本の今の状況は、なんと新規感染者数そのものを劇的に減らしているではないですか。これほど強力な、ワクチン未接種者への守護がほかにあるでしょうか。「見えてきたかもしれない光」が本当の光になりつつあることに興奮しています。
ワクチンを打ったから、自分は安全だとマスクをとり、自由に夜の街を馳け廻るのは楽しいことでしょうが、悲劇を生みます。今やマスクは自分を守るものではなく、他人を守るものです。マスクをつけるのは、思いやりであり、人を守ろうとする高貴な志の現れです。少なくとも私はそう思います。
ワクチンを打った人が7割になっても、マスクをとり遊びまわる人が増えていれば、ここまで新規感染者数は減少しないのです。さらに言えば、ワクチンを7割の人が接種して、理屈上、集団免疫が成立するとしても、それをデルタ株はブレイクスルー感染という奥の手で、あざ笑うように集団免疫の成立を阻んでいたはずです。それは諸外国をみれば明らかです。
ワクチンを打った後も、他者への配慮を変わらず続けている、だれに言われるでもなく、褒められるためにでもなく、ただ自然にマスクや感染管理を続けている人が多くなければ、ここまでの減少は成立しません。そのことを強く感じて、私は感動しました。ニッポンすごい!
これは世界を見てみれば、当たり前のことではありません。私たちに自然であることは、実はすごく誇りにしていいことなのかもしれない、と強く思いました。私たちは、自然にワクチン未接種者も守り、全員でこのコロナ禍を乗り切ろうと助け合っていると言っていいのです。
2021.11.4
ワクチンパスポートは誰のため? 1〜4 了
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