みてきました!
例によってネタバレありの感想を書くので、まだみてなくてこれから見る予定のひとはここから先は読んではいけません。
わかりましたね!いったからな!
それでははじまりはじまりー
なりたーいものにーなーるよねーー
がんばーるひとがーいーいよねーー
なみだーもーたまにーあーるよねーー
だーけどー
ピッと凛々しく~
といったところではじめたいのですが、前置きがすごく長く続きます。
「美少女戦士セーラームーン」はご存じですね!
90年代に社会現象となるほどのブームを巻き起こし、今でも国内外で絶大な人気を誇る「日本を代表するクラスのアニメ作品」といっていいでしょう。ドラゴンボールとかワンピースとかと並べてもおかしくないクラスだ。
そしてこの「Eternal」は、その劇場版。「セーラームーン」の劇場版は25年ぶりだそうで、たいへんな注目を集めています!
…といいたいところなのですが、注目度はそうでもないような…
制作側はかなり頑張ってお金もつかってキャンペーンコラボもはって宣伝しているようですが、世間がそこまでにはついてきてない感じがします。興行成績もいまひとつ。公開初週の国内映画ランキングでは9位スタート。
まぁ今は、そんな昔にはやったアニメより、「鬼滅の刃」とかね、おもしろいアニメ作品はたくさんあるから、といったところでしょうか。
私がよくいく映画館での上映回は1日1回だけ。その15:40の回に入りました。
客層は9割以上が女性、または、小さな女の子を連れてきたご家族連れの方々がほとんど。
1日1回だけの上映回にもかかわらず、埋まった席は2割ほどでしょうか・・
もうだいたいばれてるので書きますが筆者である私は40代男性です。
セーラームーンは「日本を代表するクラスのアニメ」なだけあるので知ってはいました。カワカコイイ女の子戦士に変身して、悪い敵を「月に代わっておしおき」するアニメであると!
知ってはいましたが、まぁ、女子か、秋葉原にたくさんいるようなオタク男が見るアニメだと思ってますよねぇ。
そんななので、テレビアニメを見たことは1度もなく。
なのでこの記事は、そういう「セーラームーンに全く興味がなかったおっさんがセーラームーンをみてみた」という設定で読んでもらうのもアリかも。
…実はちょっとしたきっかけがあってね。
いつもやってるオンラインゲームの「ドラゴンクエスト10」の中で、自キャラにセーラームーンのコスプレをさせよう!という話が盛り上がって、そのセーラームーンに出てくるキャラのひとりの「冥王せつな」さんの担当になったので、全然知らなかったけど、ネットとかアニメとかを見て、せつなさんの見た目とか決めセリフとかを研究したんです。
↑せつなさん
そんなことがあって、多少は興味が出てきていたところに、「劇場版セーラームーンEternal」来春公開!っていうところのいろんなキャンペーンが流れてきました。
去年の12月、NHKのBS1で「セーラームーン大投票」という番組がありました。
よくあるでしょ、視聴者から「好きなキャラ」「好きな曲」「好きなエピソード」とかの投票をもらって集計してそのランキングを発表しちゃおうっていうやつ。NHKではこれまで「機動戦士ガンダム大投票」とか「るーみっく(高橋留美子アニメ)大投票」とかやってて、それもなかなかおもしろくて。それで「セーラームーン大投票」もみたんだ。
それでまぁセーラームーンが大好きなひとたちの熱い思い、セーラームーンがどんなにすごいか、どんなに好きか、セーラームーンのおかげで今の私があるんですとか、そういうのがそれなりに伝わって。
また、どんなキャラが出てきてとか、どんな魅力があってとか、どんなエピソードがあってとか、どんな曲があってとかも、ものすごくざっくりながら見ることができた。
声優さんがゲストで登場して、実際のシーンに生放送でアテレコしたりして、それで「感動~」とか「歴史が変わった~」とかってやってたんですが、私がいちばんささってしみたのは、石田よう子さんの「乙女のポリシー」の生歌披露の場面でした。
「ネタバレの壁」として、冒頭にちょっと歌詞を引用したあの曲です
ピッと凛々しく~
これは10代とかの未来ある女子にささげられた応援歌ですよ!
40も過ぎてね、いろんな酸っぱい経験とか味わって、だいたいこの先の人生も予想できてね、それくらいの歳になってから聴くとこういう歌がしみるようになるんだよ。
あーなんとすばらしくいい歌!
ねぇ。
そして決定的だったのが、Amazonプライムビデオでの、テレビアニメ版セーラームーンの全シリーズ配信。
これまでは、セーラームーンはアニマックスとかキッズステーションとかでは放送されなくて、有料の東映チャンネルに加入してみるか、有料の動画配信サービスしかなかったのね。まぁ、Amazonも有料だけど、Amazonプライム会員はお買い物の送料が無料になるし、Amazonプライム会員でないと買えない商品ラインナップとかあったりするわけで、Amazonで買い物するなら入ってたほうがなにかと便利なわけなので入ってるんです。なのでAmazonプライムビデオだったら無料のおまけみたいなもんだ。
これが12月下旬から開始。
「Eternal」前編公開が1月8日でしょ。どうせなら映画の予習も兼ねて、セーラームーンのテレビアニメ作品を「無印」から見始めてみました。
そしたらこれがおもしろくて。先に書いたとおりで、女子か秋葉原のオタク向けだと思ってたので半信半疑で見始めたわけですが、さすがは売れただけのことはある、とおもいました。見進めていくうちに作品やキャラに思い入れみたいなのもできたりして。
それで無印→R→S→Crystalと、約1か月かけて全部みて、見終わったのが昨夜。それで満を持してこの日の上映回を迎えたわけです。
「美少女戦士セーラームーン」のテレビアニメシリーズはだいたい下記のようになっています。
1「美少女戦士セーラームーン」(1992-1993) 第1シリーズ。原作の「ダーク・キングダム編」に相当
2「美少女戦士セーラームーンR」(1993-1994) 第2シリーズ。原作の「ブラック・ムーン編」に相当
3「美少女戦士セーラームーンS」(1994-1995) 第3シリーズ。原作の「デス・バスターズ編」に相当
4「美少女戦士セーラームーンSS」(1995-1996) 第4シリーズ。原作の「デッド・ムーン編」に相当
5「美少女戦士セーラームーンセーラースターズ」(1996-1997) 第5シリーズ。原作の「シャドウ・ギャラクティカ編」に相当
ここまでがいわゆる「旧作」と呼ばれているテレビアニメシリーズ。
旧アニメシリーズは子供向けの味付けにしたり、テレビアニメ制作者の遊び心やギャグが入ったり、原作に追いつかないようにするためのオリジナルストーリーを入れたり、ストーリー改変があったり、変身おもちゃを販売するための装置であったり…といった理由で、絵柄やストーリーやキャラの性格つけとかのところで、原作漫画とかなり異なるとのこと。ですが、原作よりも旧アニメシリーズのほうが人気がある。世間一般の人々にとって「美少女戦士セーラームーン」といえば、こっちのテレビアニメ版のことなんですね。
私が現時点で見終わっているのは「S」までですが、
確かにテレビアニメのほうは、絵柄がかわいく、キャラクターもかわいく、魅力的に描かれており、ギャグアニメとしてもなかなかおもしろい。演出とかもみてて笑っちゃうw
「セーラームーン」のストーリーは、現在・過去・未来の舞台があって、地球と月にかつて存在した王国があって…というような設定はありつつも、そこまで複雑で深いわけではないです。すごい細かな設定があって、すごい伏線がはりめぐらされてあって、それがひとつひとつ明かされて・・・ええっ!そういうことだったの!?みたいな回収があって・・っていう、とてもよく練りこまれた、よくできたストーリーでみせる!というタイプのアニメではありません。
単純な勧善懲悪型のストーリー。昭和の頃の子供向けのテレビ作品、仮面ライダーとか、戦隊モノとか、そういうのに近いと思います。
(なんかよくわからないけど)地球や人類を滅ぼそうとする悪の組織だか敵だが一方にいて、(なんかよくわからないけど)地球や人類を守るため、特別な力を授かった5戦士に変身して、あやうく負けたり死にそうになりそうになりながらも、力を合わせて戦い、逆転して、最後には愛と正義の力で奇跡がおきて、みたいな。
なのですが、セーラームーンの魅力はそこ(=ストーリー)ではなく、ひとりひとりのキャラクターがすごく魅力的。そこに尽きるのではないかと思います。主人公のうさぎ、亜美ちゃん、レイちゃん、まこちゃん、美奈子ちゃんですねー
見る人は彼女らそれぞれに自分なりの思い入れができて、それぞれの「推し」ができるわけです。「亜美ちゃん推し」「レイちゃん推し」とかって。
女子は子どもの頃に「セーラームーンごっこ」をやってそれぞれ推しのキャラになりきりしたり、「ほかの友だちは〇〇ちゃん推しが多いのに私だけ推しが違う・・」ってなったりした思い出があるひとがいたりする。
90年代は、「亜美ちゃん」が、絶大な男性人気があって、「ナウシカ」を押しのけてアニメ雑誌の人気ランキングで1位になったりしてたって。
まぁ、私も、このシリーズずっとみてたら、優しくて、気立てが良くて、しっかりしてて(=ほかはバカだが亜美ちゃんだけはまとも)ちょっと天然なところもある亜美ちゃん推しに普通になりました。まぁそうなるよねw
でも、見ているにつれてだんだんレイちゃんがよくなってきたり、美奈子が追随してきたり(=美奈子がいちばんおもしろいからw)
いちばん推しは亜美ちゃん、いちばん美人でおしゃれでかっこいいのがレイちゃん、いちばんおもしろいのが美奈子、結婚するならまこちゃんっていうところか。
え、うさぎ?うさぎはバカで泣き虫だがとてもいい子だとおもうよ!けどまもる君に譲るよ!
旧シリーズは、声優さんもいいです。特にレイちゃんの富沢美智恵さんと亜美ちゃんの久川綾さんははまりすぎてて、代役など誰にも務まらないっていうくらいにはまっていたと思います。新シリーズでは、うさぎ役の三石さんだけは続投だけど、他は全部交代しちゃったんですよねぇ。
テレビシリーズは「スターズ」でいったん終了。
15年の時を経て「セーラームーン誕生20周年」で「原作をアニメ化」してできたのが「セーラームーンCrystal」(2015-2016)
簡単に「15年の時を経て」と書きましたが、「15年」というのは小さな子供が大人になるに十分な時間だ
「美少女戦士セーラームーンCrystal」1話~14話 1期「ダーク・キングダム編」
「美少女戦士セーラームーンCrystal」15話~26話 2期「ブラック・ムーン編」
「美少女戦士セーラームーンCrystal」27話~38話 3期「デス・バスターズ編」
絵柄や声優さんを一新して、原作漫画に忠実にって、いうのが特徴。旧テレビシリーズと「Crystal」はいろんなところがかなり違います。絵柄・作画がだいぶ変わっていて、さらに、作品全体のノリもだいぶ違うので(=ギャグが少なくシリアスなノリ)、90年代の旧作ファンの人たちの中には違和感がどうしてもぬぐい切れず、不評だったり、それらが理由で「見ない」人たちも多いみたい。
これは確かにわかる話で、私でさえも、旧作のキャピキャピに輝きを放っている亜美ちゃんたちに比べたら、Crystalの亜美ちゃんたちはやっぱりどこかロボット的というか無機的というか人間味が足りないというか…そんな感じの印象を受けてしまうのは否めません。なんというかパッションが足りないのよな
っていうのはあるのですが、ストーリーはそんなに酷評されるほど悪くはないです。原作に沿っているだけあって、テレビシリーズよりもしっかり練りこまれていると思えるストーリーで、キャラもそれぞれが輝いている(とおもうよテレビほど絵柄やノリがかわいくないだけで
で、今作の「Eternal」は、作画も声もストーリーもこの「Crystal」の完全なる続編なので、「Crystal」抜きには語れません
ということで、セーラームーンについて何も予備知識がないひとが「Eternal」を見ても、わからないところや、感動ポイントがわからないので、最低限「Crystal」は見てから映画館にいくことをおすすめしたいところです。
…すごく長くなってしまったけど、前置きはここまで!
「劇場版美少女戦士セーラームーンEternal 前編」の感想(ネタバレあり)です!
そうですね、「思っていたよりもすごくよかった!」です。
「Crystal」は変身シーンがやたら長かったり、いろいろと設定の説明が長く感じてしまうところもあったのですが、劇場版では80分とかに詰め込まなければならいところがあって、すごくテンポよく話が進みました。
Eternalは「Crystal」の完全な続編でした。ほんとうに「Crystal」の最終話の最後のシーンから映画がスタート。
「Crystal」の最終話、うさぎとちびうさとまもちゃんが、十番町で皆既日食を見るシーン、そして、「謎の鈴の音が・・・」で、意味ありげに続きがありそうなシーンで終わりましたが、あれから5年。
映画館でその続きのシーンが!
といっても、Amazonプライムビデオのおかげで昨日みたシーンだったので、私にとっては5年の時を経てはいません
が、多くのセラムンファンにとっては5年の時を経たはずなので、ここに一発目の「おおお!」があったのではないかと思います。
みどころはストーリーそのものではなく、セーラー戦士ひとりひとりにスポットがあてられ、セーラー戦士であることの迷いや疑問というところの心のスキを敵につかれ惑わされるも、つよい気持ちでそれを振り払いセーラー戦士に変身するシーンでしょうか。
亜美ちゃんレイちゃんまこちゃん美奈子の4人分!
ここですねー
Crystalがテレビシリーズに比べて残念に思ってしまう大きな理由のひとつが、キャラをいまいち大切にしてないのでは?ってところがあったと思うんです。
なーんか旧作の亜美ちゃんたちに比べると思い入れができない。容姿と色が違うだけでそれぞれの個性やキャラを丁寧に描きこまれていない(なぜかはわからないがなんかそう感じるところがある
なのですが、Eternalはそこのところをけっこう意識してしっかり描きにきてたような感じがします。テレビのノリに寄せてきた(というかそうしようという努力のあとが伝わってきた)。特に美奈子とかね、旧作の美奈子みたいな感じが戻ってきてたと思います。「もう結構、コケコッコーよ!」なんてセリフはCrystalでは言わせてなかったですね
旧テレビシリーズではみたことがなかった亜美ちゃんのお母さん(お医者さん。亜美ちゃんの夢。美人)とか、亜美ちゃんレイちゃんまこちゃん美奈子のおうちの事情(両親が離婚して・とか両親が亡くなって・・とかレイちゃんが火川神社にきた日のこととか)が初めて明かされる(少なくとも無印とRとSとCrystalしかみてない私にとっては)シーンも多かったし、「目を覚ませ」って言ってくれるそれぞれの大切なひと(フォボス・ディモスだったりアルテミスだったり)がそれぞれ誰だったかっていうあたりもよかったのでは。
そして、それぞれの「夢」(寝てるときに見るやつではなく「将来の夢」っていう意味での「夢」が今回の主題
これってあれですよね、先に書いた「乙女のポリシー」の歌詞にも相通ずるものがあるし、「セーラームーン」っていう作品全体からも送られてくるテーマだとおもいます
なりたいものにーなーるよねーー
大きな夢があーるよねーー
だーからー
ピッと凛々しく~
ですよ!
愛と正義ですよ!
子供のときにセーラームーンを見て、あこがれたことがあるひとには、しみたのではないでしょうか。
今回のは「前編」なので、話の本番のクライマックスは全部「後編」に詰め込まれている感じでした。
前編の話はだいたい、なんか謎のおかしなことが起きて、謎の敵が次々に現れて…っていうところで終わり。
「次回!後編!to be continued!」っていうムードでエンドロール
そう、この「これから真の戦いが始まる」感満載のエンドロールの楽曲と、それに続くエンディングテーマ曲がもうね、ものすごいよかった!
いまは Baby Baby Love~
石田よう子さんカバーの「私たちになりたくて」。あとでYoutubeで探したら「SS」で使われた曲だそうで、これが流れた瞬間に当時を思い出し鳥肌が立って涙腺崩壊したというお客さんも多かったみたいです。
そうですね、この作品は、私のようなセーラームーンにわかの初心者がターゲットではありません。
また、パパママが連れてきた小さな女の子は多少はターゲットなのかも知れませんが主要なターゲットではないですね。
この映画のターゲットは、小さな頃からセーラームーンを見て育って、いま大人になった、だいたい30代くらいの女性のひとたち。
そういうファンにささげられた映画ですねー。
作品誕生25周年のメモリアルの記念碑の作品なのです。なので、そういう人たちにこそ是非みてもらいたい。
そういうひとたちがこの映画をみて、思い出補正とともに、いろんな思いをもって帰ることができたらいい映画ということになるんだと思います。
さっきこう書いた↓
>セーラームーンについて何も予備知識がないひとが「Eternal」を見ても、わからないところや、感動ポイントがわからないので、最低限「Crystal」は見てから映画館にいくことをおすすめしたいところです。
のですが、CrystalとEternalだけをみて、「これがあの一世を風靡した『美少女戦士セーラームーン』か!」と思ってほしくもなくて、無印だけでもいいから旧テレビアニメ版の「美少女戦士セーラームーン」も見てほしい。というのは、「あの一世を風靡した『美少女戦士セーラームーン』」は旧テレビアニメ版のほうだから、だ。
わかりましたか。
というわけで、私がみても十分におもしろい、いい映画だと思いました。
星は
★★★★☆
ふつうに良かった!
そして、「後編」
映画が始まる前と最後に流れた「予告編」がまぁすごい良い出来でしたよねぇ。
前編はほんとうに序章。本編の本番はすべて後編に詰まっているんだと思わせるエンディングでした。
せつなさんたち外部太陽系戦士も満を持して登場だ!
劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」《後編》予告映像/Pretty Guardian Sailor Moon Eternal The Movie Trailer
後編は2月11日上映スタート!
これは見逃せないぞ!
「SS」と「スターズ」をアマプラで見るのはそのあとにしようかな、とおもいます。
それでは、また。