未来を拾いに

aikoのことしか頭にないひとのブログ

最近の紙面から

2009-08-07 03:09:03 | 雑記

最近の紙面から印象に残ったやつ。 

▼1949(昭和24)年に招かれた全米選手権。占領軍を率いるマッカーサー元帥は「徹底的にやっつけろ。それがアメリカ人への礼儀だ」と励ました。圧巻は初日の1500メートル自由形予選だった。A組で僚友の橋爪四郎さんが世界新を出す。30分後、B組の古橋さんはそれを17秒近く縮めてみせた▼「日本のプールは短い」「時計がのろい」といった陰口は消え、反日感情が尾を引くロサンゼルスの空気は一変した。当人は「フェアな一面に接し、私たちも彼らに対する認識を大いに改めた」と回顧している 

-朝日新聞天声人語より。 



石川遼が今季2勝目を飾ったゴルフのサン・クロレラクラシック(北海道)。 
2日の最終ラウンドで大接戦を演じたブレンダン・ジョーンズ(豪)の行動が気になった。 

序盤から、しきりに石川に話しかけていた。 
首位を走る17歳の集中力を乱すための心理作戦か、と思えた。 

だが試合後の石川の説明によると、そうではなかった。 
「遼、楽しんでいるかい?」「そんなにバーディーを取らないでくれよ」。 
ジョーンズの明るさと冗談が、初日から首位を走り、張りつめていた石川の心を和らげたという。 
それが、引き締まった一騎打ちを演出した面もあった。 

勝負が決すると、ジョーンズは「今日の経験は将来必ず生きてくるはずだ」と抱擁した。 
石川も最終日に七つスコアを伸ばした相手を涙ながらにたたえた。 
「BJがいなければ、こんなにいいプレーはできなかった。彼は最高のゴルファーです」 

34歳のジョーンズは00年から日本ツアーに参戦。通算8勝の実力者だ。 
2月に米国で開催された世界マッチプレー選手権では、故障から復帰したタイガー・ウッズ(米)と1回戦で当たる「不幸な男」として、米メディアから取材攻めにあった。 

石川の実力に疑問を投げかける問いに「君たちはまだ彼のすごさを知らないだけさ。 
将来、間違いなく世界の舞台で活躍できる選手だ」。 
日本ツアーを見下すような米記者に対しては「日本のグリーンは世界一素晴らしい。外国選手にも信じられないほど親切で、プレーしていて楽しい場所だ」 と毅然(きぜん)と言った。 

2日の最終ラウンド終盤。 
ジョーンズがチャンスを逃す度に、一部の観客から心ない拍手が起きた。 

日本を愛する男が見せた悲しい表情が、頭を離れない。 

-朝日新聞8/6付スポーツ面より。