横須賀に三笠を見にいってきました。
「三笠」については説明不要ですよね。日本海でロシアのバルチック艦隊を迎えうち、完全勝利を収めた連合艦隊の旗艦だった戦艦です。
ここ、長年「いつか行きたい」と思い続けていた場所ですが、これまでなかなか実現してなかったのです。
いけてよかったー。想像以上に歴史の重みを感じました。その意味では呉の大和ミュージアムの比ではありません。海戦から数ヶ月後に一旦沈没して引き揚げられているとはいえ、本物ですもん。
船ですが、陸地に埋まって周囲はコンクリで固められてます。記念艦になった当時からこの形だったようです。当時の軍縮条約か何かとの絡みで、二度と再就役不可能な形で残すなら、という条件がついてたからだったんでしょうね。
なので、全然揺れてないはずなのですが、すぐそこは海です、人の感覚というのは面白いもので、いかにも船の上にいる感じ。
「戦艦」ですが、思ったよりも小さいんですね。長さは昭和期の重巡くらいでしょうか。大和の半分もないんではないかなという感じ。でも、当時では世界的に見ても第一級の軍艦だったんだそうですよ。
艦内の資料や展示はとても充実していました。東郷の軍服とか、高名な電文(「本日天気晴朗ナレドモ浪高シ」ってやつ)とか。
海戦の推移を動く模型で説明してるコーナーよくできてたなー。消しゴムくらいの日露の艦隊が時系列で海の上を動くんですよ。で、よーく見ると小さい水柱(=砲弾が海に落ちてできる)が
ぴょこぴょこ上がってたりして。芸が細かい...
「T字戦法」って有名な東郷の艦隊運動が、おかげでよーく判りました。
釣床で寝てみたり、8cm砲の砲弾を重さを体験できたりするところもあったな。この砲弾がね、重かった... 確か45kgって言ってました。実際に人力で弾を込めて撃ってたそうです。
東郷司令長官の連合艦隊解散の訓示。初めて読みました。名文です。
要するに、海戦が終わって、ここで艦隊を解散するけれども、海を守るために訓練を怠るなということですね。「古人曰く、勝って兜の緒を締めよ、と。」で終わります。改めて、明治の人は偉いもんだな、と思いました。
最も印象に残る場所は、やっぱり前部艦橋です。「坂の上の雲」の最終巻に「運命の海」という章があります。まさにここがその舞台。
ここがね、ほんとに高所で、吹きさらしなんです。この下に、分厚い鋼鉄で鎧われた司令塔があるのですが、東郷はそこではなく、終始ここで指揮を執ったんだとか。
東郷長官と加藤参謀長、秋山参謀らが海戦のときに立っていた場所が床に示されています。高浪や水柱の飛沫で濡れた床も、東郷の靴のところは乾いていたって目撃談があるそうですが...
「よくもこんなところで」と思いました。砲弾や破片が飛んできて当たったら死にますよ。(当たり前ですけど)
眼下に海を一望できます。
左舷から、「濛気の壁を破って」バルチック艦隊が次々と現れてくる様子は、今の平和な景色のこの場所で想像はできませんが、なんとなく...思い浮かべてみたりしてみました。
んで、この後ろにある測距儀から距離が告げられていく中、突如東郷の右手が上がり左に旋回、取り舵... ってやってったんかなと。
帰り際、売店にあった1/700の「三笠」がめちゃくちゃ気になりました。作る場所ないので泣く泣くパス。いつか海軍工廠付きの広い部屋に引っ越したら作ります
あ、そうそう、海軍カレーうまかったですよ!私はめっちゃ辛いのとか、インド風のとかタイ風のとかよりも、辛さほどほど、とろり仕立てな日本風のカレーが好きなんですけど、まさにそんなカレー。うまかった
何気に同じ通りでカレー出してる松屋とCoCo壱番屋の気合にも感心したなぁ。
今年はどっこにも行かないGWになりそうでしたが、ここにこれたことこの一点だけでいつものGWよりも良かったかも。
そのGWもあと一日か...