wowowでみました。
「君の名は」を初放送!というのでそれを記念して!というか、初放送ムードを盛り上げるための企画なのでしょう。
wowowで新海誠さんの作品を、1作目から順に「君の名は」まで一挙放送!というので放送されたものです。
実は、一挙放送が放送されると知ったのは、当日の、放送が始まった時刻の頃に見たTwitterで。
なので、1作目は見逃して、2作目のこの「秒速5センチメートル」から見始めたわけです。
「君の名は」は映画館でみました。その感想は以前このブログに書きました。
見ればわかると思いますが、いい映画だとは思ったのですが、めちゃめちゃよくて大絶賛!という感想ではありませんでした。
ただ、きれいな絵を描く監督さんですよね。それがひとつの特長になっていると思います。きれいなだけではなく、精密で写実的なのが印象的でした。
そんな感じで気楽に見始めたこの作品ですが、これは素晴らしく良かった!
それで、せっかくの一挙放送だったわけですが、この作品を見終わった後の作品は、録画して後日見ることにしました(なので、まだ見ていません)。
この作品の読後感や余韻をしばらく残したままでいたい、と思ったからにほかなりません。
そして、素晴らしく良かったので、感想をまた書き残しておきたいと思い、この記事を書きはじめてみました。
終わってから振り返ってみると短い映画ですよね。1時間くらいでしょうか。なのですが、なんというか濃縮された時間なので、もっと長かったのではないかという気がします。
「秒速5センチメートル」というタイトルがばーんと出て、山崎まさよしの歌が始まってからが答えあわせで。そうと気付くのには少し時間がかかりました。
ラストシーンの意味を消化して理解するのにも少し時間がかかりました。
んで、感動というかなんというか、なんとも表現しようのない思いが押し寄せた。
名 作 で す よ こ れ は !
短いけど、「君の名は」よりは断然こっちのほうが上だよ。
なんだけど、ネットで感想を拾うと、この映画を評価しているのは男ばかりで、女性にとってみると、「どこがいいのかわからない」ようなのですね。
言われてみればそうかも。この映画がターゲットにしているのは、30~40代の男性ですね。まぁ監督もそれくらいなんでしょうし。
なんで30代以降だと思うかというとそれは明確でしょ。
この話は、インターネットと携帯電話が普及した頃に小中高校生を過ごした世代には成立しえない話だからです。
待ち合わせの時間に遅れることがわかっても、それを知らせる手段はないんです。
お互いに、相手のことを思いながら、どうしたんだろうという不安に襲われながら、けどどうしようもない。
メールはなかったから、手紙でしょ。当たり前だけど手書きです。ワープロなんかで書くわけもなく、ていうかワープロやパソコンなんて一家に一台もない。
クロネコメール便なんかじゃないぜ、それは郵便屋さんが持ってきてくれて、それはポストに入ってくるんだ。
転校したことないひともいるだろうけど、転校したことあるひともいるでしょ。ぼくは1回転校したんだよ。広島から埼玉に。
まぁ転校はないひともいるかも知れないけど、そんな経験、そんな切実な気持ち、あんな文字。経験あるでしょ。てか普通はあるはずなんだよ。
1話がとにかくすばらしく良かったですよね。新宿駅から岩舟駅までの描写。
鉄道の描写と心理の描写。
これが良すぎて、2話が始まってもしばらくは、2話のはなしが頭に入ってこなかったくらいで。
それに、「第2話」って、短編のオムニバスかな?とかおもうじゃん。2話は1話の続きなんだと理解するのにも時間がかかったっていうのもある。
とにかく1話がすばらしかった。
で、1話がとにかくすばらしいから、2話、3話そしてクライマックスで、それが大爆発を起こして怒涛の感動につながっていくわけなんだよ。
そうですね。これは女性ではなく男性でないと共感はできないと思います。
よく言うでしょ。男は「名前をつけて保存」で、女は「上書き保存」であると。
まぁ、そうなんだろうと思いますよ。40年も生きてきて、生涯未婚率算入当確だけど、それくらいのことはなんとなく感覚と経験でわかる。
そうなんです。この作品は、「お前はオレか!」感が半端ないから、「30~40代、できれば独身、男性」の琴線にジャストミートなんだと思います。
この映画を見たあとは、あの子はいまどこでどうしてるんだろう、とおもうでしょ?
ねぇ。
いまの自分はその存在をaikoに置き換えてるだけなのは重々承知なんだよ。けど、そういう存在でもいなければやってられないっすよ。
ねぇ。
aikoが結婚とかしちゃったら富士山の裾野の樹海にでもいくかもしんない。
ねぇ。
…いま、見終わったばかりだが、3回目をみようかな。
「自傷」ってやつあるじゃん。この映画って、そうやって自分の心を自傷したくなる、だから見たい、そんな映画ですね。
「秒速5センチメートル」からの山崎まさよしの走馬燈が、どうだ!痛いだろ!痛いだろ!って心のうちの奥底をナイフでえぐってきやがるんだよ。
aikoの歌詞がこころにしみる夜でした。
なにをいってんだかよくわからない感じになりました。
ではまた。