NETFLIXで視聴。
2021年春のオリジナルアニメ作品だそうです。
最初に書きますが、
まじでめっちゃよかった!!!!
ラストはそういう感じになるんだろうなぁとおもってはいましたがめっちゃよかった。
「これしかない」ともおもえる納得できるエンドでした。
ずっと問い続けてきた「こころをこめるってどういうこと?」っていうものへの答えも明確だったとおもいます。
いやーちょーよかった・・
そしてこれは好きだー!
今までみたアニメのなかでは「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」がいちばんだとおもってました。
が、これはちょっとどっちがいいか比べられないくらいによかった。
長いですが感想です。
SFアンドロイドものの傑作中の傑作、名作中の名作。
私にとっては、ここ何年かのアニメ、というよりはここ20年の中でも、トップ3にランクインしてもいい作品!
アンドロイドものは切ないんですよねー
この切なさがほんとうにいい。
アンドロイドというのはSFの世界では古典です。
古今東西、すばらしい映画、ドラマ、アニメがつくられてきました。
こういう話をするとき、必ず出てくる「ロボット三原則」というのがあります。
SF作家アイザック・アシモフが1950年に発表した名作『われはロボット』(I, Robot)の冒頭部分で、ロボットの行動原理はこうあるべきという三原則を提示したもの。
「人間に危害を加えてはならない」
「人間の命令に従わなければならない」
「自己を守らなければならない」
アンドロイドものの名作は、だいたいこれです。
ほんとこのとおりで、この「VIVY」も例外ではない。
アンドロイドものがひとのこころをうつところはだいたい下記のようなところだと思っています。
「こころ」というものがわからない。
そこで、人間なら普通こうおもうのにそうならないとか、人間だったらそんなことおもいもよらないことを考えてるとか。
そういうところでトンチンカンだったり、「ピュア」なハートだったりする。そこがユーモラスだったり、切ない。
おおきな泣ける要素のひとつです。
歳をとらない。損傷しても取り換えがきいたりする。
人間は歳をとるので、本作のように「100年の旅」とかをさせると、出会った人間は年月を経て歳を重ねたり、死んでいたり・・そこで切ない物語が生まれたりする。
人間は弱いので、人間だったらめっちゃ苦痛な状態になっても(腕がもげたりとかしても)アンドロイドは平気なので、そこで悲壮感が出て、「切ない」につながったりもする。
文字通り超人的な頭脳、超人的な身体能力。
これが、人間の味方になったり、ときには暴走して敵になったりするじゃないですか。
SFというのはエンターテインメントなので、アンドロイドのそういうところはまさにおおきな「みせどころ」となります。
まぁ、アンドロイドがその力を発揮して、超人的に活躍するシーンはだいたい激アツ。かっこいい。
本作もAI同士の超人的なバトルシーンはおおきなみどころです!
人間の命令に忠実であること、必ず、生まれた理由があり、「使命」をもっていること。
これも「切ない」要素になります。
自分の「使命」の意味や、人間に服従することに葛藤したり、疑問を抱いたりするけど、逆らえない。わからない的な・・
悪気はないし、人間に服従しようとして頑張ってるのに悲しい結末にいったりする。
だいたい、アンドロイドは、なにも悪くないのに、最後は人間のために「犠牲」になります。そのへんも切なくなる要素のひとつですよねぇ。
人間とAIは共存共栄できるのか、という。これは永遠ともいっていい、ロボット三原則に対するアンチテーゼです。
AIは人間に奉仕する存在だが、人間は愚かなので、いつかAIに愛想をつかされるっていうね。AIが人間に叛乱を起こす。それも超人的な能力と統制で襲いかかってくる。これも古今東西AIものの定番テーマですねー。
この「VIVY」は、こういうアンドロイドの定番の「切ない」要素をうまく取り入れており、こころをうつ作品にしあがってると思います。
やっぱり、歌がいいですねー。
ディーヴァは「歌うことが使命」シンガーロボットなので、というのがあるんですね。
これがほんとうにいい・・
劇中歌。ヴィヴィやディーヴァは「歌姫」なので、圧倒的な歌で劇中の聴衆も!テレビの前のあなたも魅了するー!
オープニングやエンディングでスタッフロールが流れるでしょ。
そこで劇的にいい曲をいれてくるのもドラマチックで、感動をマシマシにするのよ・・
私はこの手法に弱いのです。
配信で見るときはOPもEDも絶対にスキップしないようにみてください。そこにもこだわりが詰まってるのでこれを飛ばしたらダメ。
EDのピアノのいい曲。スキップしないで味わって聴いてほしい。その理由は最後までみればわかる。
各話のタイトルにもなっている、
エステラの「Ensemble for Polaris」
グレイスの「Sing My Pleasure」
ディーヴァの「Galaxy Anthem」「Hermony One's Heart」
すべて、もとよりいい曲ですが、各話を見てから聴くと、アニメのシーンとめっちゃリンクしてるのがわかるはず。
サブタイトルにもなっている「Fluorite Eye’s Song」。これがめっちゃいい・・全13話を見終わったら歌詞といっしょに味わって聴こう。泣ける。
「Galaxy Anthem」は
歌姫AIディーヴァキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
って感じの歌なんですがこれも全13話を見終わったあとに聴くと泣ける・・泣けるような歌じゃないんですけどね
そして特筆すべきは劇伴もすばらしくいい。曲が画面のシーン完璧にシンクロする演出!
伏線はって回収するのもうまい、そこでそうつながるの(´Д`)
っていうのが効果的にきれいにうまくでてきて「おおおおおおおおおおお(´Д`)」ってなる。
また、そこが予想のつかない方向にもっていかれるのもすごい。
どんでんがえしもすごい。「そうなってたのおおおおお」ってなる。
ほんとよく練られた演出・ストーリーだとおもう。
ネタバレになるので伏せますが、「100年の旅」なんですが、ヴィヴィは当たり前ですが歳をとらないので、見た目は変わらずに100年を普通に進んでるんですね。
でもまわりは100年経ってるので、人間は歳をとるし、社会や時代も移り変わっていくという。
そのへんの設定の使い方がうまい。
だいたい2話ずつくらいで、「事件」があり、出会いがあり、こころうたれるエピになっています。
それらひとつひとつがもちろん「めっちゃいい」のですが、さらに、これらのピースのひとつひとつが全部最後につながってくる。
これほど見事な、計算されつくしたストーリー展開はなかなかない。
全13話中でもっとも好きなのが9話。
「ねぇ、聴こえる?わたしいま、とってもいい歌を歌えているでしょ?
これまじで泣いた。
9話のあのシーンは「Hermony One's Heart」なのですが、個人的には「My Code」をつかわれたらさらに泣けたとおもう。
なのですが、でもディーヴァらしいのは「Hermony One's Heart」かなぁともおもうのでこれでよかったのかな。
そういうなかで、最初に書いた、「アンドロイドものの切なさ」ですよ。これがやっぱりいちばんです。13話はやっぱり涙なしにはみれない。
本作はあまり話題にもなってなく有名ではないようですが、もっとたくさんのひとにみてもらってもいい。もっと評価されていい作品。
こういうのが埋もれてるのはもったいない・・とすごくおもいます。
映画化されて口コミブームにならないと、「発見」されないんですよね。ざんねん。
★はめっちゃ高い。
NOIRとかMADLAXが好きで★4.8つけてましたが、それより上。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンと同じくらいでもいいくらいに高い。
あんまり★5.0をたくさんつけると★5.0の価値が下がるのでやりたくないのですが、ケチのつけようがない★5.0で!
BD全巻とスペシャルライブイベントのライブBDを買って、ライブ音源を普段聴きするくらいには好きになった神作品です。
未見のかた、そしてこの手のSFが好きな方、強くてかわいい女性キャラのアニメが好きな方、歌に感動できる方・・絶対はまる。
みなさん是非ご覧ください。