先々週のことになりますが。いってきました(・∀・)
私は歴史が大好きで。特に日本史が好きなんですね。
「知るは楽しみなりと申しまして、知識をたくさん持つことは、人生を楽しくしてくれるものでございます」
というのは、1980年代の日曜日の夜、大河ドラマの前にNHKで放送してた「クイズ面白ゼミナール」という、知るひとぞ知る超人気クイズ番組の冒頭で、司会の鈴木健二アナウンサーが毎回いってた言葉です。
これはその通りで、歴史を感じる機会は、テレビやドラマや小説や映画や、旅行、こういう博物館などなどいろんなところであるわけですが、例えばこういう博物館や、旅行先で、同じ景色、同じものを見ていても、バックボーンにそれなりの知識があるのとないのとでは、感動の大きさや質が大きく違ってくるのです!
そういうことがあるので、オタクやマニアは日々研鑽しなければいけないわけです! それは歴史も一緒なわけだ。まぁけど「好き」ってそういうことですよね。
前置きが長くなりましたが、この「日本国宝展」。本当に素晴らしくて。
ちょうど土曜日に、太宰府にある九州国立博物館に足をのばして「特別展・台北 国立故宮博物院」というのも見てたんですが。やっぱり日本ですよ。それを目の前にしたときの感動の桁が違う。日本の歴史や文物は世界のどこにも負けないですよ。
これは本当に。
というようなことを簡単に残しておきたいと思ったので、日記にしとこうと思います。
日本国宝展ですが、平成に入ってからは3回目の開催だそうです。前々回は1990年、前回は2000年なので、まぁ10~15年に1回あるかないか!次回はいつか!っていうくらいな貴重な機会!
そして出品される国宝が約120件。日本の国宝の数は移動不可能な建物とかも含めて1100件弱なので、移動可能な国宝の相当な割合が集められているっていうのもすごい!
そしてそして、11/21~11/30の9日間(25日は休館日)は、その中でもスペシャルな期間!
超有名な、志賀島で発見された「漢委奴国王」の金印が、11/18~30の間、そして、現在、国宝の「土偶」が全部で5体あるのだそうですが、その5体全部が揃うのが11/21~12/7の間。
つまり、土偶5体+金印が見られるのが11/21~11/30というわけだったんですね。
これは見逃せないぞ!(`・ω・´)
…ということだったからかどうかはわかりませんが、やっぱり混雑がすごくて。お昼頃いって、入るのに100分待ち。けど、いったん入ったら館内移動は自由、別に並んで見なくてもいいです、何周してもいいです、っていう感じだったので、ゆっくりと観ることができました。
というわけで、ここから目録を見ながらいくつか印象に残ったのを書いていくことにしよう。
国立博物館の「平成館」ってけっこう大きな建物なんですが、当たり前ですが全てが「国宝」っていうのが既にすごいんですが!
今回の国宝展は「信仰」がテーマだそうで、それっぽいグループ分けで展示されていました。
第1章 仏を信じる
■玉虫厨子(飛鳥時代・7世紀/奈良・法隆寺)
最初にどーんと登場したのがこれ。有名ですよね?これはたぶん中学校の修学旅行で奈良にいったときに見たことがあったような…というくらい古い記憶との再会かも。装飾に玉虫の羽根を使っていることからこの名があるって。
写真撮影禁止なんでネットで拾った画像。今回の特別展のいいところは、展示の仕方がすごくよかったこと。この玉虫厨子も360度から観ることができました。
…ってやってるとキリがないので(繰り返すが120点ある)
■大般若経 巻二百五(奈良時代・8世紀/滋賀・太平寺)
長屋王が712年に文武帝崩御に際して書写させたという大般若経。年号が明記された写経のうちではわが国で最古のものです。ざっと1300年前のものが現存してるっていうのがすごい。それも「本物」ってわかってるのもすごい。
■崇福寺塔心礎納置品(飛鳥時代・7世紀/滋賀・近江神宮)
これは知りませんでしたが仕事が細かくてきれいな箱と瓶だったので印象に残ってる。
■東大寺金堂鎭壇具のうち「金銀荘大刀(陽剣)」「金銀荘大刀(陰剣)」
(奈良時代・8世紀/奈良・東大寺)
これも錆びた鉄の刀なんですが。もともと1907~08年に東大寺大仏殿の須弥壇の周囲で発見されたものなんだそうですが、2010年にエックス線撮影の調査で、「陽剣」「陰剣」の文字があることが見つかって。これで正倉院の目録「国家珍宝帳」に記載のある「陽宝剣」と「陰宝剣」であることが分かった!っていう。
天平勝宝八歳(756)6月21日に、聖武天皇の冥福を祈って大仏に奉献され、正倉院に納められたものが、その後天平宝字3年(759)に正倉院から取り出され、再び他の宝物と共に大仏須弥壇に埋納された…
っていうものだって。そう書かれて以来1300年近く所在がわからなくなってたのが21世紀になって見つかったってそのエピソードがいいじゃんね。当時ニュースになったそうです。ロマンだぜ!
■地獄草紙(平安時代・12世紀/奈良国立博物館)
■地獄草紙(平安時代・12世紀/東京国立博物館)
■餓鬼草紙(平安時代・12世紀/東京国立博物館)
生前に犯した罪業によって堕ちるさまざまな地獄の有様を描いた絵巻とか、仏教の神様が怖いやつらをやっつけてくれる絵とか。生前やった悪事によって、いろんな地獄が待ってるよーというね。秤をごまかした人は、怖い鬼が見張ってる中で延々と秤らせたり。そういう絵の描写の説明がおもしろくて。
仏教は末法といって、お釈迦様が死んで2000年経つと、お釈迦様の力が弱くなって、まぁ暗黒時代がくるんだ!っていう思想があるそうで。だけど50億年だか経つとお釈迦様が再び帰ってくると。そのときにお経がないと世を救えないからってお経を写して埋めたりとかしたって。そういうあたりの信仰の話と、絵とかがおもしろい。
絵ってわかりやすいから、時代を超えて人に伝わりますね。地獄というのは怖いところだなあと。昔のひとは現世で罪を犯して死んだらこういうところにいかされると本気で信じてたんだったらそりゃ拝みたくもなるかもなあ、というね。
第2章 神を信じる
■土偶 縄文のビーナス 長野県茅野市 棚畑遺跡出土(縄文時代中期)
■土偶 縄文の女神 山形県舟形町 西ノ前遺跡出土(縄文時代中期)
■土偶 仮面の女神 長野県茅野市 中ツ原遺跡出土(縄文時代後期)
■土偶 中空土偶 北海道函館市 著保内野遺跡出土(縄文時代後期)
■土偶 合掌土偶 青森県八戸市 風張1遺跡出土(縄文時代後期)
これが「国宝土偶ファイブ」!5体が一同にそろうのはもちろん初めて。お土産グッズコーナーには、「土偶ビスケット」「土偶クッション」「土偶発掘チョコレート」などなど数々の土偶グッズがw
土偶発掘チョコは、チョコの中からチョコの土偶を発掘できるって(・ω・)
…冗談抜きで説明するとですね、土偶というのは、どこも壊れていない完全体で発掘されないと国宝には指定されないそうです。
だからこの↓有名なヤツは国宝ではないんです!
↑これも同じ建物内に展示されています!国宝じゃないので「国宝展」の中にはなくて隣の建物のほうに。ちょっとかわいそう。
■銅鐸(4号・5号)兵庫県神戸市 桜ヶ丘遺跡出土(弥生時代中期)
あれですね、弓矢をもった人や鹿の絵が描かれてるっていうちょー有名なやつですね! 皆さんも絶対に見たことがあると思います。社会の資料集に写真あったでしょ。
第三章 文学、記録にみる信仰
■金印 福岡市東区 志賀島出土(弥生時代)
だんだん疲れてきたので手抜きになりつつありますが。普段は福岡市博物館にあるそうなのですが、この12日間だけ東京国立博物館に出張展示。この「金印」だけ見るのに行列立ち止まり禁止な感じで、ダントツ一番人気。
この金印の話は、説明不要だとおもうので割愛しますが。2000年前の中国の古い記録にあるものが、本当に出土したのだからすごい。
『後漢書』東夷伝
「建武中元二年、倭の奴国、貢を奉じて朝賀す。
(中略)光武、賜ふに印綬を以てす。」
これですよこれ!まじ激アツ!
って、考古学とか歴史学ってそういうものから成り立っているのでしょうがそれにしても。ものすごいロマンですよねぇ。時空を超えて!っていう言葉がぴったりはまるというか。
福岡の志賀島の、金印が出土したあたりはいまも「金印公園」になっているって。この金印を発掘した江戸時代の農民の名前は「甚兵衛」ですよ。これテストにでる(・ω・)
というので覚えたけど出たことないw
■日本書紀 巻第二十二・巻第二十四(平安時代・京都国立博物館)
これも現代語訳でいいから全部読んでみたいところなんですよねー、と思ってもう何年経ったか。本屋いかなきゃ。巻第二十二は推古天皇の御世。聖徳太子の話ですね。巻第二十四は「乙巳の変」のくだりです。中大兄皇子、中臣鎌子らが宮中で蘇我入鹿を暗殺して蘇我氏を滅ぼしましたっていう記述ですな。
■土左日記 藤原為家筆(鎌倉時代・兵庫 大阪青山歴史文学博物館)
土佐日記は平安時代のものです。「おとこもすなるにきというのものをおんなもしてみるとてするなり」でしたっけ。こういうの覚えたひともいるでしょ!日記というものは男が書くものだったそうですが、それを女性が書いてみましたってんで、貫之が仮名文字で書いたという。日本で最初の仮名文日記。
この土佐日記はその写本。「為家本」ってやつですね。完璧に真似して作られたそうなので、紀貫之が書いた土佐日記の原本の姿を今に写し伝える貴重な貴重なものだとか。書写されたのが1235年だそうです。その解説がとても印象に残った。綺麗な冊子でしたねぇ
第四章 多様化する信仰と美
■天橋立図 雪舟等楊筆(室町時代・京都国立博物館)
雪舟って水墨画で有名なあの人ですねー。その本物。「なんでも鑑定団」ってテレビでやってるでしょ。あれ好きなんですが。よく本物と偽モノの見分けがつくもんだなーと思いますよねー。「コレ本物です!」っていわれてるからそうかーとおもうだけで、絶対わからんですね。
■慶長遣欧使節関係資料 支倉常長像(17世紀・仙台市博物館)
見覚えあるでしょ? いま、BSプレミアムで「独眼竜政宗」の再放送やってて、
これがめっちゃおもしろいわけですが! 政宗がイスパニアに使節団を派遣してね。サン・ファン・バウティスタ号ですね!大航海時代ですね!
で、そのイスパニア無敵艦隊の力を得てあわよくば天下を!みたいなくだりが出てくるんですが。まぁいろいろあって、支倉が帰ってきたときには、もう徳川の力に対抗すべくもなく。キリスト教はご法度なわけですよ。で、政宗に「そんなこと言った覚えありません」「夢でも見てたんじゃないの?」っていわれてしらばっくれられて。失意のうちに亡くなるという。
これも国宝なんですねー。支倉の使った十字架もありました。たぶん仙台にいけば観ることができます。
第五章 仏のすがた
■善財童子立像・仏陀波利立像(鎌倉時代・奈良 安倍文殊院)
大竹に似てる!絶対似てる!あ、大竹ってカープにいたんですがFAして読売にいったうんこ野郎です。
代わりに一岡がきてくれたからいいもーんだ!頑張れ一岡(`・ω・´)
快慶の作。2013年指定された最も新しい国宝の彫刻だそうですね。彫刻の国宝はどれも一本の木でできているとは思えないですねー
という感じでした!特にオチもないまま終わりますが。
歴史検定受けようとして全然勉強してないんですけどがんばります(・ω・)
たぶん!
ではまたー