未来を拾いに

aikoのことしか頭にないひとのブログ

バケモノの子

2015-07-26 03:05:58 | 映画

映画館で映画を見るのも久しぶり。「るろうに剣心」以来かな? 

ユナイテッドシネマとしまえんで見てきました(・∀・) 
いつも書いてることですが、私は、ジブリの映画と細田さんの映画は映画館で観ないと気がすまないのです。おもしろそうとかどうとかいう理屈は抜きで、やれば観る!のです。 いわゆる信者ってやつですね。 

細田さんの映画を見るのは4回目。「時かけ」「サマーウォーズ」「おおかみこども」と今回です。 

…はい。例によって、ココから先はネタバレあるので注意が必要ですよ。これから見る予定のある人は回れ右のこと! 














何かが終わりまた何かがはじまるんだー 






そう 






きっとーーーーーー 













よかったです!「サマーウォーズ」みたいな感じの良さというか心地よい後味ですね。 

今回も細田ワールドは健在。 
今回は渋谷の街の絵がなんかよかったですねー。細田さん流なリアルさがいい。描写がリアル。ディテールにこだわってる。抽象的に美化した景色ではなく、実際にある景色。実際にある景色を絵にしてる。 

そして、同じ場所、景色、シチュエーションを繰り返し繰り返し、多用しますね。その既視感の連続が、ちょっとしたユーモアな味付けになってる。その繰り返しで、時間が経過したことや、キャラクターが成長したことを象徴的に表現してたり、キャラクターの性格や個性をより強く印象づけたり固めたり。場所やシチュエーションは同じなのに、人物の様子を変えることで、その気持ちに何か変化があったことを表現したり・・・。 

っていう。これは今回も。 

それから、細田さんの映画は、ちょっとした伏線を張っといて回収するのがうまいなあと思います。ちょっとしたシーンなんだけど、いろんなシーンが伏線になってる。 

そしてコミカルなシーンもうまい。現代風の「あるある」を盛り込みますよね。壁ドンとか、個人情報保護とか、まぁいろいろと。笑っちゃうw 

そしてそして突き抜けるほど晴れた青い空と白い雲。入道雲。これはもう細田作品の定番中の定番。欠かせない。 

夏!! 



テーマというかメッセージというか、いちおうあるのでしょうが、細田さんのよいところは、それにうるささがないことだと思います。 
宮崎さんのは、ラピュタまではよかったけど、それより後のは説教くささが感じられてしまうのです。 
が、細田さんにはそれがない。 


だから好き。 


そんな中でもその、いちおうあるテーマは、私なりにの解釈では。 

サムライになろう。 

日本の昔のお侍は、剣の腕を磨くことで、きっと精神も鍛えられてたんだと思うんですよ。 

サムライとはこうあらねばならない、こうあらねば恥ずかしいんだ!っていう、なんていうか名誉を命よりも重んじて自分の心を強く律する精神力と道徳観を持っていたから、今でも世界の人から尊崇(好奇の目もあるのでしょうが)されているのだと思います。 

日本人はみんなサムライになるんだ!(`・ω・´) 



…ということではたぶんなく。いやまぁそういう気分もきっとあると思います!少しは! 

ひとりで育ってきたつもりかも知れないけど、育ての親というかね。まぁそういうものがいなかったとしても、いろんなひとに育てられて、それが芯になって、今の自分があるんだぞということでしょう。「ああ、あのときあのひとああいってたな」っていう。そういうものがひとりひとりの胸の中にあるということを忘れないこと。それを忘れてはいかんぞと。そしてひとりじゃないんだ。 


そして心には剣もあるけど闇もあるぞと。その闇に打ち勝つのは、育ててくれた、教えてくれたひとがくれた、胸にある剣なのだと。 

…我ながら感想がそのまんまですねー(笑 


青少年向けのメッセージがメインなのだとおもいますが、40代イェーイな独身のサラリーマンでも普通に感動できるし、共感できます。 

劇中に出てくるクマ徹と九太のやりあいがいいですよね。対照的なのが、渋谷側の女子や、猪の息子たち。言いたいことを言えない家族というか、本音をぶつけ合える大人がいますかと。そういうのがいないから、劇中の2人がすごく輝いてみえる。うらやましくみえました。 

「感動して思わず涙が…」っていうシーンは、「おおかみこどもの雨と雪」ほどにはなかったとは思いますが、それでもいくつかあって、それも、全部、クマ徹と九太の絆のシーンですよね。 

いまの時代、育ててくれる人とか、教育してくれる人、叱ってくれる人、道を教えてくれる人ってちょっと昔に比べたら薄くなってるかも知れないじゃないですか。いちばん近いのは親かも知れませんが、立派な親ばかりでもないでしょ。 

私も子供がいてもおかしくないくらいの世代というか、その年齢になったからよくわかる。じゃあ学校の先生なのか、地域社会の大人なのか。 

っていう。 

若者を叱るのは難しいですよ。だいたいそれ以前に叱れるだけの資格のあるほど自分が立派な大人なのかっていうね。そういうこと思うじゃん。 

昭和の時代の社会や家族や教育現場の、良くも悪くも…のあのかたちの教育。「教育」というのか、「教育」っていうとしゃちほこばった表現だと思います、もっとおおきなくくりの、人が健全に育って、いい大人になるのに必要ないろんなこと。 

今は体罰はNGだったり、気合と根性で何とかなるとかいう話は前時代的だったり、とにかく目上の人や親や先生は偉いんだから言うことを聞きなさいとか、聞くべき!いう時代でも必ずしもなくなってて。ていうかそこまでの信用がなくなってるじゃないですかいまのニッポン。雰囲気的空気的に。 

ネットが普及したでしょ。 
それで価値観も多様になって、何が良くて何が悪くて何がカッコイイのか何がかっこ悪いのか、そういうのも多様というか、とらえ方がいろいろになってて。 

人々の間にある、「どう考えても100%これはおかしいよね」という価値観がバラバラになってる。或いは、バラバラではないんだけど、みんなでそれを守っていこうという共通の意識も薄くなってないですかと。だから、例えば小さなところでは、電車でおかしなことしてる人が「お前になんの権限があってそんなことを言うんだ」とかね、周囲のひとたちが、ひとはひと、って他人事にして、傍観者になってしまったりするようになってたり。 

よその国はそれは宗教かも知れないし、愛国かも知れないし、自由なのかも知れないし、まぁ何かしらあるのでしょうけど、今の日本はそういう、共通の道徳観や倫理観やモラルというあたりのものがあるのかというと、それっぽいものはあるのでしょうけど、どうなんだろうと。まぁ、少なくとも、「絶対的なもの」っていうのはないですよね。 

例えば、「これが正しいんだ」「それはおかしい!」って、自分なりに考える正義のために行動を起こすこと、現代の渋谷を歩いている日本人で勇気を持ってそれができる人って、果たしてどれだけの人がいるでしょう。 

そんな中でうちらは、大人と子供と若者はどうしたらいいんでしょうかねっていう。それは同時に大人になったほうの人たちにも込めたメッセージでもあり。
 

クマ徹もまた成長してたじゃないですか。不器用で。弟子にしたはいいがどうすればいいかわからなくて。 

けど、それでいいんだとおもったんですよね。大人のほうもそういう謙虚な気持ちがないといけない。オレのほうが長く生きてて経験もあって立派な大人なんだぞと、だから言うとおりにしろと。そういう態度もいけないと思うんですよ。
でも、一方で、自分の考える、信じる大切なものや大切なことは、まっすぐ伝えなければいけない。愛といっしょに! 


もし私が父親というものの立場であった上で、この映画をみたらまた違う感想が別の重みをもって押し寄せたかもわかりませんが、残念ながらそういう立場にはまだなったことがありません(´Д`) 


…まぁ、そういうことを考え出すと野暮というか、まぁつまらなくなっちゃうのであまり考えすぎないほうがよい。 
気持ちの良い、清清しい映画だったと思います(・∀・) 

観にいってよかった! 




全然ストーリーと関係ない感想を書くと。 
私はどうも大河ドラマその他で津川雅彦さんを見すぎたみたいで。声やしゃべり方ですぐ、津川さんだってわかってしまって。それからはずーっと津川さんの顔があの兎にかぶるかぶる(笑 

津川さん好きなんですよねー。思い出すのが、独眼竜政宗の徳川家康、蒼三代の徳川家康。それから「憲法はまだか」の松本烝治。「奇兵隊」のときの周布政之助。 

丹波哲郎さん、緒形拳さん、私の好きな俳優さんはみんな亡くなってしまって。もう大河ドラマで神演技できる大物って津川さんくらいでしょ。あの人をくったような感じと、安定感がすごい。飄げているんだけれども重厚。そして品格がある。 


後はリリー・フランキーさんね。このひとは実はけっこう最近まで知らなかったんです。知ったのは「龍馬伝」。土佐の開明派の絵師・河田小龍先生ね。竜馬に最初に世界を教えたという! 
このひともいい役者さんで。声も台詞まわしもいい感じですよね。私はたぶんこの感じが好きなんでしょうね。津川さんと共通しているのは、「飄げているんだけれども重厚で品格がある」ってところだと思います。 

そしてmr.children。「Starting Over」。 
いい歌なのですが、主題歌って、映画の出来が良すぎると負けてしまうことがあるじゃないですか。映画館でみたときに、「映画はいいのにあの歌が・・・」っていう。ちょっと浮いてしまったような残念な感じというか。 

ええ、mr.childrenはよく頑張ったと思います。 

これ、アルバム買ってけっこう聴いてる曲だったんですが、映画館でエンドロールで改めて聴いて、ようやく歌詞がこの映画向けなのかも?っていうことに気がついたかも。なるほどね! 

 


うーん。そんな感じですかねぇ。映画の感想って難しくて。映画はひとりで観にいくに限る!って思っているんですけど、それでも、でも、この感じ誰かと共有したい!っていうのもあるじゃん。 

見たひとの感想きいてみたいですね。 

んじゃ、また(・∀・)