MOVIX川口で鑑賞してきました。
細田さんの映画を見るのは「バケモノの子」以来3年ぶりの夏!ですねー。
いつも書いてることですが、細田さんの映画は映画館で観ないと気がすまないのです。
おもしろそうとかどうとかいう理屈は抜きで、やれば観る!のです。 いわゆる信者ってやつですね。
細田さんの映画を見るのは5回目。「時をかける少女」「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」と今回です。
新宿三丁目の映画館に「時をかける少女」を観にいったときには、お客はオタクしかいませんでしたけどな笑
今やもう立派な人気映画監督ですねー!
過去の記事をみたら全部ちゃんと感想を書いてあったので載せておきます。よかったらみてね!
時をかける少女
https://blog.goo.ne.jp/onioni2004/e/48afb907b8b3f425a0e63d8f1eda7601
サマーウォーズ
https://blog.goo.ne.jp/onioni2004/e/76458702243895f4a402cbd36f1d798e
おおかみこどもの雨と雪
https://blog.goo.ne.jp/onioni2004/e/11654ead43beaa70295c029461954c5f
バケモノの子
https://blog.goo.ne.jp/onioni2004/e/7628fe1fa087fd34df54ce7fdee6a5d0
…はい。
例によって、ココから先はネタバレあるので注意が必要です。これから見る予定のある人は回れ右だ!
ああああーーーーーーーーーーーー
恋をしたのはーーーーーーーーーー
えーっと、今回の主題歌は山下達郎さんだったのですねー。歌は残念ながらあまり印象に残っていない…
映画は今回もよかったです!
細田さんの映画は何がいいかというと説教くさくないのがいいんですね。後味が爽やかで心地よいんです。
いま風の、あっさりした肩の力が抜けた感じ。それでいてすごくココロが洗われる感じ。
こう、「なんちゃらでなければならない!!」「なんちゃらなはずだ!!!」みたいなうるささがない。
「これおもしろいだろ!!」っていうおしつけもない。ここらへんはいつもと同じ。
ちょっと売れてくると、「昔のほうがよかった…」ってなってしまいそうなもんだと思いますが、そこは全く期待を裏切りません!
…なのですが、1作目、2作目、3作目…とだんだん良くない意味で自分の側に慣れが出てきたのかも知れず、
感動に鈍感になってしまってきたというのがあるかも知れない。
「どれが良かった?」
1.時をかける少女
2.サマーウォーズ
3.おおかみこどもの雨と雪
4.バケモノの子
5.未来のミライ
って聴かれると、「時をかける少女」になってしまう。次点は「おおかみこどもの雨と雪」。あとの3つは同じくらいかな?
こう、「うおおおおおおおおおおおおよかったああああああああああああああああ(´Д`)」っていうほどよかったかっていうと。
そこまではきませんでした!
今回も細田ワールドは健在で全開。
いつも書いてますが、細田さん流なリアルな描写。ディテールにこだわってる。
抽象的に美化した景色ではなく、実際にある景色。実際にある景色を絵にしてる。
同じ場所、景色、シチュエーションを繰り返し多用する。その既視感の連続が、ちょっとしたユーモアな味付けになってる。
その繰り返しで、時間が経過したことや、キャラクターが成長したことを象徴的に表現してたり。
キャラクターの性格や個性をより強く印象づけたり固めたり。
場所やシチュエーションは同じなのに、人物の様子を変えることで、その気持ちに何か変化があったことを表現したり・・・。
ちょっとした伏線を張っといて回収するのがうまい。ちょっとしたシーンなんだけど、いろんなシーンが伏線になってる。
そしてコミカルなシーンもうまい。現代風の「あるある」を盛り込んでいます。
行列待ちのときに全員がスマホをいじってたりね。建築家デザインっぽいおうちとか(ビフォーアフターみたいな番組で出てきそうな家)。
自転車も今どきはあんなヘルメットかぶってやってますよねぇ。
そして今回は、あれくらいの年頃の幼児の世界観をうまく描いてるなあと思いました。
私には子どもはいませんが(あれくらいの甥っ子はいる)、子どもってああいう感じですよね。大人とのすれ違い方がw
大人から観るとどうでもいいことなんですが、子どもにとっては重大なことなんでしょうきっと。
だから、まじめにとりあってあげないと拗ねてしまいます。
いつものように予備知識全くなしで観にいったので、序盤は、「なんのことを描こうとしているのか全然わからない」まま見ていました。
そして私はいい年をして独身で子どももいないし、子どもがうるさかったり、わがままとかにつきあうのも面倒なタチなので
(=要するに子どもがあまり好きではないので)、あんまり興味のない分野なんですね育児とか。
だから正直今回の序盤は眠いなぁと思いながら見ていました。
あの、ポスターに出てくるミライちゃんはどこで、どういう因果で登場するんだろう、って思うじゃん。なかなか出てこないし。
お金を払って映画館でみていなかったら、例えばは家で金曜ロードショーとかで見ていたら飽きてチャンネル変えていたかもw
なのですが、突然、現実世界からファンタジー世界にパパっと切り替わるところがあって、一気に引き込まれた。
そのあたりは見事でしたよねー
(・・・そういえばなんでお雛様を一生懸命お片づけしなければいけなかったんだろう?
今回のテーマは細かいところではいろいろ詰め込んであるのでしょうが、家族というか自分には系譜というのがあって。
現在の自分というのは、過去と未来×いろんなひと っていう掛け算なんですよという。
そして些細な出来事の連続が奇跡のように運命的に絡み合ってるんだよ、という。
まぁ、当たり前といえば当たり前のような、そう言われれば確かにそうだよなぁ、という。
きっと、この映画を観たひとそれぞれが、自分にとっての色々なひと―その人は今も生きてそばにいる人だったり、
疎遠になってもう会うこともなさそうな人だったり、もう亡くなってしまって思い出の中にいる人だったりするかも知れないですが
―その人たちとの色々な思い出の場面を思い出しながら見るんだろうなぁと思います。
私にもあれくらいの子どもの頃には、父方母方の田舎があり、それぞれに爺さん婆さん、おじさんおばさんたちがいて。
夏休みには遊びに連れてってもらってね。
父や母とはまた違うところで、いろんなことを教えてもらったり、体験させてもらったりしたよ。
昔の田舎の生活というのは今みたいに便利じゃないし、都会とはまた違ういろんなこともあったし。
よその家はよその家で、自分の家とはまた違う流儀みたいなのもあったりしたし。
お爺さんとか叔父さんとかって父親と違う大人の男じゃないですか。
違う人なので、父親とはまた違ったことを教えてくれたり、話してくれたりするでしょ。
そういうのが妙に覚えてたり、響いてたりしない?あの、ひい爺さんはそんな感じに重なったかも。
丘の上に見えた古い建物。印象的な建物でした。それが、ああ、そういうことなんだってわかるための鍵になった。
時代は移り変わっても、ああして古い建物が残っている街っていいなあとおもう。
新しいものはいくらでも建てることはできるが、古いものは壊してしまったら二度と戻ることはない、ゆえに尊いんだと思います。
現代の自分たちが暮らす街に、ああいう建物はいくつ残っているんだろうか。
いろいろ事情はあるのでしょうが、大切に遺していけるといいなあと思いますよ。
それから私にも2つ下の妹がいるんですが、あれくらいの年ごろのときどんな感じだったか、全く記憶に残っていませんが。
まぁ、おおかたあんな感じだったんじゃないですかねぇ、とも思いましたよね。
断片的なんだけど妙に覚えてることってあるでしょ。
大人になった今だったら何でだったんだろ?我ながら子どもだったなぁとは思うのですが、あのときはああだったんだよ!っていう。
ああ、あのときあんなこといったりやったりして親を困らせたなぁ、とか。
あのとき周りの大人は全然子ども心をわかってくれなかったなぁ、とか。
親は全く覚えてないけど、すごく覚えているもんです。
・・・そんな感じで、いろんなところにふとした気づきを与えてくれた、立ち止まって家族というものを考えてみようかな、と思わせてくれたような。
そういう良いお話だったんではないでしょうかね。
途中に出てくるワンシーン、彼らが住んでいる街の空。
細田作品には必ずあるあの雲がなかったので、あれ?と思いましたが、最後のスタッフロールにはちゃんと出てきました。
突き抜けるほど晴れた青い空と白い雲。入道雲。
…けど、今回は画面いっぱいではなかったので、
夏!!
という感じはいつもほどではなかったかも。
けど、夏休みに見るとココロが洗われる、そんな作品を今年もみれてよかったです。
レイトショーで見たので、鑑賞後には売店閉店しててパンフレット買えず。残念。
では、また!