MOVIX川口で観てきました!
MOVIXは「6回映画を見ると1回無料」のポイントが年会費無料会員で獲得できるので最寄りではないけどホームグラウンドです。
今回はその「無料」で鑑賞。1900円がなんと無料のお得感はすごい。
↑映画館前のディスプレイ。
「聖地」が埼玉県妻沼町(かつてそういう町があっただよ)だそうですよ。利根川の河川敷でグライダーの飛行場があるんやて。
そう、このアニメ映画は
「ひょんなことからウキウキ大学新生活を『体育会航空部』(すなわち「グライダー」の部活)に捧げることになり、
空の魅力に魅せられ、恋あり戦いありいろいろあり・・っていう(よくありがちな)女子大生のスポーツ青春ストーリー漫画」
の映画化のようです。
タイトルの「ブルーサーマル」の「サーマル」とは「上昇気流」のこと。
グライダーは動力を積まないで、空の空気を翼でつかまえて、「滑空」するものなので(ムササビとかモモンガみたいなもんか)
空気の目に見えない「上昇気流」をうまくつかまえないと高度を上げることができないみたいなんですね。
「風の谷のナウシカ」のナウシカも、メーヴェで上昇気流に乗って舞い上がったりしてたでしょ。あれのこと。
で、それに「ブルー」がついて「ブルーサーマル」。
これは検索したのですが、「上昇気流の先でも白い雲ができないような上昇気流」のことだそうで・・
劇中にもその言葉はでてきましたが、とてもよい、すばらしいサーマルコンディション、というような意味だって。
なるほど。
原作は未読、予備知識もほぼゼロで鑑賞しました。
公開2週目というのに、上映は1日1回、客席もまばら・・10人くらいでしたかねぇ。
私もTwitterで知ったくらいだし、あんまり知られていない映画のようです。
前置きはこれくらいにして、ここからはネタバレ感想を書くので未見のひとはここから先は見ないでね。
それでははじまりはじまり~
あおいそらまっしろなつるがまう~♪
それはただまぶしくてこころをさす~♪
この映画はなかなか良かった!ですよ!
「なかなかよかった」というのは日本語では「悪くはないがたいしたことはない」くらいの意味かも知れません。
めっちゃ大絶賛、人生イチのイチオシ映画です!!っていうほどではないけど、まぁなかなかに良かったぞ!っていう感じくらいか。
でもまぁ、よかった。いい映画だったとおもいます。
原作は5巻なんだそうです。それを詰め込んだからか、「いろいろ詰め込み過ぎ」感は否めませんでした。
詰め込み過ぎなので、ひとつひとつの要素がうすくちでライトで淡泊な感が否めない(それなりに重そうな設定なのに)
前半にいろいろ伏線をばらまいておいて、後半に回収されているので、消化不良感は特になかったのですが・・
主人公は父親に対してよくない思い出があるらしく、「体育会」にも悪い思い出が・・みたいなにおわせとか。
実に奇遇なことに、急に姉(姉なのにあまり似てない=その理由は・・?!)がライバル大学のグライダー部にいたりとか!
1つ上の先輩が部活辞めるってよ!ええっまじ!とか。
先輩エースがドイツ留学するほどグライダー力がすごいんだけど、なんかOBに弱みを握られてるみたい・・とか。
その留学先のドイツでグライダーが墜落して生死不明っていうニュースがあああ!とか。
そういう「いろいろ」は、まぁ、ストーリーをおもしろくするために必要な装置というか、
それがないとストーリーとしておもしろさが成り立たないので・・なんですけど、けっこうベタだなあという印象はありました。
マイナーなスポーツを題材にした漫画作品ってけっこうありますよね。自転車とかカートレースとか?
ボクシングとかテニスとかバレーボール、バスケットボール・・探せばもっといろいろありそうです。
だいたい王道パターンがありますね。ひょんなことからやることになって、
今まで全然しらなかったけど実はこうこうこういうスポーツで奥が深くて魅力があって・・って新人1年生がはまっていって。
で、実は主人公に「めちゃめちゃそのスポーツの並外れた才能があるんです!!」ってなって。
だいたいそれは玄人の先輩が「一見何もなさそうな主人公だけどその先輩だけはその才能を見抜いた!!」ってなって。
そして主人公が努力と才能でどんどん強くなって全国レベル世界レベル・・っていう。
まぁそういうやつです。この「ブルーサーマル」も、だいたいそんな感じの要素が基本にあります。
事実、1年生なのにレギュラー張ってエース誕生!で新人戦にも優勝!してしまう。
なんですけど、どっちかというとそこらへんはこの作品で強調したい大事なポイントではないんですっていう感じで描かれてる
(とおもわれる)ので、肩ひじはらなくても観れる、いい感じに青春ドラマになってるとおもいます。
「そういう映画」としてみる限りそんなに期待を外れることはないのでは。
登場してくるキャラのなかで、第一印象はヒールで、主人公をいじめる嫌なやつ、悪役!ワル!ぽくみえても
(経済援助してくれるOBのひととか、感じ悪い姉とか)、
話がすすむとそれは第一印象だけで、みんな全員いいキャラばかりです。完全極悪非道の「悪」は一切登場しない。
なので、王道でベタなスポーツ青春モノな話だけど、へんにひねるよりいい意味でシンプルで余計な深読みとかしなくてすんで、
シンプルで楽しめていい気持ちになれるって感じ。
なんだけど、だからこそあんまりとがってなくて、深くココロに突き刺さって爪痕をつけられたよ!っていう感じにもならない。
そんな感想になったので、「なかなかに良かったぞ!」ですかねー
「(映画は)こういうのでいいんだよこういうので」っていう感じや
最初の、体験入部で、初めてグライダーにのって空を飛んだシーンは、それだけなんですけど、それだけですごくよかった!
これは風景の絵とかもいいんだとおもいます。うわぁー!っていうね、主人公の「つるたま」の見ている景色と気分がそのまま
客席の自分も体感してるようで・・なんかそれだけでちょっと涙が出た。
このグライダーの練習場は、「妻沼」(めぬま)というところ。
利根川河川敷はゴルフ場が点在していて、たまにいくのですが、まぁあんな感じです。
普通にきれいに誇張することなく描けていてよかったです。グライダーきれいだった。
近くにいくことがあったら立ち寄ってみたいな、とおもう景色でした。
まぁ、あとは主人公のつるたまちゃんがとってもいい子ですねー
あまりにいい子すぎて「この子うざい。わたしこの子と仲良くなれそうにない!」っていうひとがいてもまぁわかるw
本筋と全然関係ないけど、同級生部員の冷静クールなメガネっ子のTシャツが毎回違うのでちょっと楽しみにみてた。
「MAGURO」とかね、なんかお魚のデザインを着てるのいつもw
ラストは・・まぁ「物語をクローズする」っていう意味では、まぁいいんじゃないでしょうか。ねぇ。
姉との話も、まぁ・・正直なくてもいい(この映画のストーリーにそのエピがある必要性が薄い)と思ったけど、
まぁ「物語をおもしろくする味付け」なので。いいとおもいますよ。
空知先輩部活辞めるってよ!?の話も、なんかいろいろ訳ありにおわせだったけど、うすく終わってしまいました・・
映画は尺が短いのでしょうがないのかも。
まぁけど、さいきん見た中では、例えば「アイの歌声を聴かせて」とかよりは好きです。
アイはこれよりもっとベタだったのと、なんだかんだで王道スポーツ青春モノは好きだからかも。
グライダー部という世界は全然知らなかったけど、そういう世界なんやーっていうのもちょっと触れることができたし。
よかったですよ!
あ、最後に!エンドロールの絵と歌はとてもよかったです。
というわけで星はまぁ4つで!
★★★★☆
感想以上です!
では、また。
~追記~
AmazonのKindleで原作2巻分無料で読めたので鑑賞後に読みました。
原作読んでいろいろと「設定」に理解が追い付いたところもあり・・
このモヤモヤ感はやっぱり尺の短さによる説明不足からきてるのかなあとちょっと納得した。
多くのひとがいってますがテレビアニメシリーズで12話くらいで丁寧にやったほうがよかったかもね。
「大学の航空部が舞台」っていう題材は悪くないだけに。