半分義務感でみてきました!
というのは、今年のGWからドラゴンクエスト10をやっておりまして。そっち方面でけっこう話題になっていて。
普通のドラクエの映画化なだけではなく、なにやらものすごく賛否両論あるいは酷評が多いんですよ。
なにをどうしたらそんなに酷評になるんだろう?って思うじゃん。それは見なければわからないでしょ。
それで、半分は「義務感」です。
なのですが、そもそもドラゴンクエストシリーズは小学生のときからおっさんになるまでずーっと遊んでて、やっぱり好きなタイトルですからね。
「好き」というか、その時代や自分のゲーム歴を象徴するような特別なタイトルですよね。
子どものときにはファミコンを親に買ってもらってね、カセットを買いたくてビックカメラに並んだりもしたし、学校からうちに帰ってファミコンのスイッチを入れるのが楽しみで仕方なかったわけですよ。
その頃のドラゴンクエストが1、2、3。勇者ロトの系譜の物語だ。
インターネットや携帯電話はなかった時代、学校の教室の話題は、その攻略法やら何やらで盛り上がったでしょ。
ダンジョンは紙にマッピングしてな。強い敵がいたら攻略法を考えたりして。
ドラゴンクエスト1は1986年に出ました。まさにファミコン全盛期でした。
そう、ファミコン「以前」とファミコン「以後」では、家庭のリビングの風景は時代の境目くらいに違ってたと思いますよ。
家庭用ゲーム機が爆発的に普及する「以前」と「以後」だから。
ハードウェアは進化したけど、その当時と今のリビングの風景は、実はそれほどおおきくは変わっていないと思います。
けれども「社会現象」といわれるほどの巨大な人気作になったのは、「2」からだと思います。
「ドラクエ1」は今から振り返ったらものすごく売れたように錯覚するけど、当時の空気感としてはそれほどでもなかった。
けどね、「ドラクエ1」のエンディングを初めてみたときは、子供心にそれはそれは感動しました。
というのは、まぁラスボスの「りゅうおう」も強くてそれなりに苦労した激闘の末、というのも多少はあるんですがそれよりも。
あんな映画のようなスタッフロールが出てくるファミコンゲームを見たのはそのときが初めてだったんですよ。
あの音楽とエンドロール。
まるですばらしい映画を映画館で観たあとのような、壮大な余韻が押し寄せたでしょ。
今では当たり前の演出ですが、「ゲームのエンディング」というものを感動とともに見たのは、あの瞬間が初めてだったと思います。
そう、世のおっさんたちがレトロゲームにロマンを見出すのは、ゲームそのものがおもしろかったり、
名作(完成度が高いとか演出がすばらしいとかストーリーが感動的だとか)だからとかもあるけどそれだけではなく。
そういう「思い出補正」というのが強烈に作用するからなのです。だから、どんな最新作も初代のときの感動というのはなかなか超えられない。
ドラクエ4(5部構成になって、キャラも増えて、パーティ行列になりきらないから馬車が登場)
ドラクエ5(説明不要の「天空の花嫁」このYOUR STORY映画の原作?)
ドラクエ6(やったはずだけどあんまり覚えてない)
このあたりはスーパーファミコン。高校生から大学生のころ。
よく「ありえない」といわれますが、私は初見プレイでフローラルートを選択しました。いや普通にやったらフローラでしょ!
この話は長くなるからしないけど、フローラに強烈に魅かれたんだよ当時の私は。
そして舞台をプレイステーションに映して7、8、9…と続いていくのですが、私もそこらへんでドラゴンクエストは卒業していきました。
7はやったはずだけど全く記憶なく、8はやった。9はたぶんやってない…
そして11を最近やって、これがとてつもなく感動したのですが、その話は後ほど。
今はオンラインゲームである10をやっています。10楽しいよw
前置きが長くなりました。こっから先は映画そしてドラクエ11のネタバレを含みますのでご注意あれ。
でははじまりはじまりー
先に書いたとおりで、なんでそんなに酷評の嵐なのか?というのを見たかったわけですが、その理由は何となくわかりました。
まぁ言いたいこと、やりたかったことはけっこうわかりやすくわかる。
そのうえでアリかナシかというところで賛否がわかれているんだろうなーと思います。
結論からいうと、私はそれはまぁ、アリなんじゃないですかね?とは思いました。
が、そうならないのは、伝え方がヘタすぎクソすぎだからでしょうw
序盤から終盤にかけてはものすごく詰まらない映画だなーと思って耐えながら見てました。
映画館ではなく、うちのテレビでみてたら間違いなく途中で飽きて投げ出していたと思います。
映画館で1800円払って中座できない状況でなければ最後まで見られなかった。その意味では映画館にみにきてよかったと思いました。
もしそのまま例のあのオチもなく、普通にドラクエの映画化で終わってたら、ほんとうにどうしようもなく詰まらなかったと思います。
そうですねー。私はあの3DCGというのがどうにも受け付けられないですねー。なんか温かみが感じられない。
ちょっとニュアンスが違う言葉ではありますが「キモい」に近いです。
ディズニー映画はみませんが、CMとかみてるとあんな感じだし、昨今はやりのスタイルなんですかね?
ちょっと前に、「STAND BY MEドラえもん」という映画がありました。
主題歌の秦くんの「ひまわりの約束」も話題の曲になって当時よく街で聴いたし、映画の評価もそれなりに高いようです。
が、私はどうにもこれが受け入れられなくて。
「ドラ泣き」というキャッチフレーズで、いかにも「感動して泣けます泣きましょう」というフレコミでね。
私はドラえもんはやっぱり子どもの頃からだいすきで、思い出補正がある。
初めて親に連れてってもらってみた映画は、「E.T.」だったような気がしていましたが、今調べたらこちらのほうが先だった。
「のび太の宇宙開拓史」(1981)です。
最後ののび太の部屋のつくえの引き出しが切れて世界同士を行き来できなくなる・・というシーン、いまでも覚えてる。泣けます。
その翌年かな?「のび太の魔界大冒険」。映画館ではドラえもんが緑の芽を持ったキャンペーンで、地球を大切にしようねという。
主題歌は小泉キョンキョンの「風のマジカル」、これがとてもいい曲でねーーー。音源は手に入りませんが、探せばあるかも。
それで、「STAND BY MEドラえもん」も映画館に観に行ったのですが、これがほんとうにダメでした。
世の中の大人や世間のひと「(・∀・)どうしたの?浮かない顔だね?ほら、これがドラえもんだよ!きみ好きだったじゃない?
ぼく「(´Д`)ちがうもん!こんなのドラえもんじゃないもん!!(涙目
っていう感じだったんですよ。あれを「ドラえもん」と認めることは私には今でもできません。あんなのドラえもんじゃない。
この「ドラゴンクエスト」も同じ理由で認められません。
いまみたら、監督が「STAND BY MEドラえもん」と一緒の監督なんですね。
予告編で同じくフル3DCGの「ルパン三世」の予告もみましたが、いま作ってるんですか。
ルパン三世も好きなんだよー
そういうね、ひとの大切な思い出をかたっぱしから壊すような3DCGの映画を作り続けるのはこれ以上はもうやめてもらいたいです。
3DCGなので、キャラクターに思い入れがまったく持てない。
ドラゴンクエストはやっぱりゲームであり、主人公は「わたしであるプレイヤー自身を投影した勇者キャラ」であり、
主人公は「私」の化身なので、そもそも一言もしゃべってはいけないのです。
キャラクターデザインは鳥山明先生だ。それがドラゴンクエストなんですよやっぱり。
その意味でまったくドラゴンクエストらしくないドラゴンクエストの映画でしたが、音楽だけはよかったかも。
ドラクエ10で流れてくる音楽が次から次へと出てきてね、モンスターも一応ドラゴンクエストで出てくるモンスターたち。
戦闘シーンはそれなりには見れたかも。
…問題のラストのシーン。
なるほど(ラストシーンが)そうきてたから多くのファンの逆鱗に触れたのかーと思いましたねー。
このシーンがなかったらただの映画でしたが、これがあったからこんなに話題(悪い意味で)になったんですねー。
これはあれですね、これを見て怒ったひとは、やっぱり大切な思い出を踏みにじられ全否定されたように思ってしまうからだと思います。
「たかがゲーム、時間の無駄、そんな声は気にするな!
おれたちはドラゴンクエストがだいすき(だった)んだ!
大切な大切な思い出なんだ!
わからないやつにはいわせておけ!うおおおおお!」
みたいな正義の主人公が最後には悪のプログラムを倒して勝つというストーリーな気がするけど、その伝え方がクソすぎて。
話の最後までが届く前に、「おまえら大人になれ」が強烈に内臓をえぐりすぎて。そこだけが強烈に響いてるんじゃないですかね
「大人になれっていわれた・・・」っていうw
こんな映画もなかなかないですねー
そういう意味で、このラストがなければ平凡な凡作ですが、このラストがあるから問題作たりえたということで、まぁアリなんでは?
と思った次第です。
少し前に「ドラゴンクエスト11」をプレイステーション4でプレイしました。
この「11」を前にしてはこんな映画は1㎜の価値もないと思えるくらいに「11」はすばらしい作品でした。
この「11」のエンディングがすばらしくてね。
そのエンドを予想していなかったこともあって、そのことの意味を理解した瞬間に、もう感動してしまって。
不覚にも涙がこぼれました。
「11」のストーリーは要するに、「ドラゴンクエスト3」の前の時代の物語なわけですね。
で、エンディングはドラゴンクエスト3のエンディング曲からはじまるのですが、すぐに「1」の曲がはじまって…
この「11」はドラゴンクエスト30周年の記念碑的な作品です。
このエンディングは、そういうドラゴンクエストの全シリーズのエンディングでもあり。
スタッフロールに、これまでのドラゴンクエストシリーズのシーンが次々と、走馬燈のように。
それぞれのフィールドのBGMにのせて、当時のファミコンのドットでできたゲーム画面が!
ドラクエ1のシーンは、ローラ姫を抱えて宿屋に泊まり、「きのうはおたのしみでしたね」っていってるというシーン。
「世界の半分を竜王からもらう」シーンw
ドラクエ2のフィールド曲。ムーンブルクで3人の王子王女らがそろって。長い洞窟を抜けるとロンダルキアの雪景色。
ドラクエ3はゾーマでしたねー。世界地図のさきにあのアレフガルドが!虹のしずくで橋をかけましたねー
ドラクエ5。「天空の花嫁」のシーンは、「どちらを選ぶ」っていうときに真ん中に進む主人公、
ルドマンさんが「おお!わしを選んでくれるのはうれしいが!」ってなってるシーンw
…まずこれが泣けました。そう、「思い出補正」があるから泣けるんですよ。
そういうひとつひとつの場面をそれぞれの時代でプレイして、この目で自分は見てきたわけじゃないですか。
ドラクエの30年は、自分のそういう30年間だったわけですよ。
このエンドロール、けっこう長いんですが、時間を忘れさせるほど思い出にひたりにひたり流れたあとに、
「それまでの(長くて壮大だった)このお話はこの中のお話でした」というような感じで、本の表紙が閉じられて。
そこは台所、エプロン姿の女性がその本を本棚にしまう。
そして2階にいき、ドアを開ける。部屋のベッドには髪の毛ツンツンの男の子がすやすやと寝ています。
おきなさい おきなさい
わたしの かわいい ぼうや
今日は お前が はじめて お城へ行く日だったでしょう
その瞬間、「そこにつながるのかーー」っておもったでしょう。リアルに鳥肌がたちました。
その瞬間にもなんかいろんなことが思い出されてね、涙がどわーーーーーっとあふれたわけですね。
これ、見覚えがあるシーンなはずなのですドラゴンクエストが好きなひとだったら。
ドラゴンクエスト3のいちばん最初のシーンですよ!
この「ドラゴンクエスト11 過ぎ去りし時を求めて」のエンディングロールは、
まさにすべてのドラクエファンに捧げるエンディングロールだったと思います。
涙なしには見られないですねーもう1回ドラクエ11やりたくなりますねー
…っていうようなことをこの映画を作ったひともきっと少しは伝えたかったのでしょう。
だとおもうのですが、ほんとうに全然ダメでした。いろいろと残念な映画でした。
映画の★は1つです。
では、また!