インフルエンザと「はりきゅう」

2011-02-08 | はりきゅう
体の中のことは見えないので、本当のところは体の中で何がどうなっているのかはわかりません。

様々な検査で数値を出したとしても、それはごく一部の状態だけのことで、体では数値には表れない、目にも見えないさまざまな力が働いているはずです。

たとえば、インフルエンザにかかった人の近くにいた人、全員がインフルエンザになるわけではありません。
インフルエンザにならなかった人は、

・たまたまウィルスに接触しなかった。
・接触したけど、手洗いうがいで体内への侵入は逃れた。
・感染はしたけど、すでに抗体があって発症しなかった(過去の感染や予防接種など)。
・感染はしたけど、本人の免疫力の方がウィルスより勝っていて発症しなかった。

思い浮かぶ理由を挙げてみましたが、いずれにしても見えたわけではないので、憶測でしか判断できません。

でも、4つの理由の中で一番うれしいのは
「感染はしたけど、本人の免疫力の方がウィルスより勝っていて発症しなかった。」
です。


先日、小学校5年の子が帰宅後、頭痛を訴えました。
話を聞くと、彼女の席の前後と右隣がインフルエンザで休んでいるそうです。
罹患した子の母親から、頭痛から始まり後で熱が出てきたという話も聞きました。

「はり」は嫌がるので、大椎と身中というツボにお灸。
長野式、初期の風邪に効く、委中・飛陽・崑崙に接触鍼と皮内鍼。

寝る前に、もう一度施灸。

朝には頭痛も治まり、熱も出ませんでした。

・ただの頭痛だったのかもしれません。
・「はりきゅう」はしなくても「感染はしたけど、本人の免疫力の方がウィルスより勝っていて発症しなかった。」のかもしれません。
・「はりきゅう」で免疫力が更に上がり、発症しなかったのかもしれません。

体の中のことは見えないので、本当のところは体の中で何がどうなっているのかはわかりません。
でも大事には至らずにすみました。

鍼灸治療は科学的根拠がない、とよく言われます。

でも、体の中は科学的根拠では表すことのできない小宇宙だと私は思います。