【経済裏読み】
「春は二度と来ない」中国政府系シンクタンク、異例の〝弱気〟ついに海外論評にも屈服
年明け以降も失速に歯止めのかからない中国経済。
中国の政府系シンクタンク「中国社会科学院」が公表した報告書が、その深刻な状況の一端を伝え、
波紋を広げている。過去の強気一辺倒の姿勢は影を潜め、現状を「春は二度と来ない」
「前門の虎、後門の狼」などとする“自虐的”な表現も。かつてない弱気な内容に、専門家は
「政府関係者の強い危機感の表れ」とみている。
異例の内容に衝撃
中国社会科学院は1977年に設立された中国国務院直属の社会科学研究などの最高学術機構。
31の研究所や、45の研究センターをはじめ、3200人もの研究者を擁する。
中国の五カ年計画策定の基本作業をするなど、政府の経済政策にも大きな影響を与えている。
その科学院が経済失速を鮮明にしてきた昨秋、「『メイド・イン・チャイナ(中国製造業)』の新常態」
と題し、中国経済に最新の分析を加えた報告書を公表。あまりに深刻な内容が、海外の専門家たちも驚かせた。
まず報告書では、最近の中国の貿易状況について、「振るわない状態が続いているだけでなく、
ますます悪化しているとも言える」と指摘。最新の貿易統計を引用し、「品質向上とシェア拡大の痕跡はみられる」
と一定の評価はしたものの、「不確かでとらえ所がなく、自分で自分を慰めている感がぬぐえない」と厳しく批判した。
さらに「心配なのは、中国の製造業が直面しているのは、不景気という一時の落ち込みではなく、
国内外の経済環境の変化がつくり出した新常態である」と警告した。 <つづく>
http://www.sankei.com/west/news/160126/wst1601260001-n1.html