8月に入ってもまだ梅雨のようなジメジメとした暑さが続いていましたが、
やっとここへきて夏らしい晴天が戻ってきました。(猛暑日も戻ってきました。)
各地に集中豪雨をもたらした不安定な天候がようやく終わりかけた8月6日、
毎度の暑さに懲りず、また京都にやってまいりました。
今回もまた涼を求めて貴船の川床で昼食をいただくことがメインイベントですが、
美しい緑と静けさを求めて、夏の寺院の庭園を拝観することもまた外せない一つのポイントであります。
ということで今回は先ず東山七条の智積院を拝観することにしました。
京都駅から東山七条までは市営バスでも行けますが、京都駅から行く場合は停留所が少し遠くなるので、
智積院のある東山七条の交差点の近くに停留所があるプリンセスラインバスを利用することにしました。
このバスの11号、12号は京都女子大学行きのため夏休み中は運行時間を確認する必要がありますが、
この日はオープンキャンパスがあったため、日曜ダイヤで運行していました。
東山七条の停留所で降りるとすぐに交差点があり、正面にに智積院の総門が見えますが、ここからは入れません。
交差点を渡って東大路通りを南へ少し下ると左手に入り口があります。
入り口を入ると正面に鳥居ぐらいの太さの木の門があります。
この門をくぐり、少し歩くと拝観受付所があります。
道すがら、参道わきの生け垣に桔梗が植えられていますが、
時期が遅かったためか、すでに花が落ちているところもあり、誠に残念でした。
拝観料を支払うと、受付所の方が拝観順序を説明してくれますので、それに従って進みます。
拝観受付所のすぐ脇に「収蔵庫」があり、最初にここに入ります。
階段を上がると扉があり、「自動ドア」と表示されているのでそのまま進むとドアが開きます。
ここで靴を脱いでさらに開きのドアを開けると、広い部屋が現れ、
四方の壁に張り付くように長谷川等伯一門の襖絵が展示してあります。
色は少し褪せているのであまり絢爛豪華さはありませんが、
これは紛れもなく本物の国宝の襖絵です。
尾形光琳や俵屋宗達などのいわゆる江戸時代の装飾絵画は東京でもよく見ていますが、
桃山時代に描かれた絵はあまりお目にかかれません。
収蔵庫を出るとすぐ右手に「名勝庭園」という札の立った門があります。
ここを入ると正面に講堂があり、手前に「拝観入口」と表示された札が立っています。
名勝庭園は右手の奥の方らしいですが、左手を見ると講堂の廊下にお坊さんが4人ほど立っていたので、
見ていると、何かの団体さんが講堂からぞろぞろ出てきて廊下伝いに右手の奥の方に歩き始めました。
この団体さんが通り過ぎるのを待ってから私たちもそちらの方に進みました。
右手を回廊に沿って進むと大書院への入り口があります。
大書院の中に入るとすぐに庭園が目に入りますが、反対側には色鮮やかな襖絵が広がります。
これらの絵は先ほど収蔵庫で観た等伯一門の襖絵のレプリカですが、目を見張るものがあります。
この後しばらく静かに庭園を鑑賞しました。
大書院を出て順路に従って進むと講堂に向かう途中に枯山水の中庭がありました。
廊下から総門が見えました。
反対側には先ほどの中庭が見えます。
再び講堂の回廊に出ます。
この後講堂を出て拝観所に戻り、金堂へと向かう参道に入ります。
緑のもみじの中に赤い葉が混じっているのが不思議です。
金堂の前に蓮池があり、蓮の花が二輪ほど咲いていましたが、残念なことにもう見頃を過ぎていました。
この智積院もかなり大きなお寺で、まだまだ見るべきところがたくさんありますが、
何分にも日帰りの旅なので先を急がねばならないのと、暑くて喉が乾ききっていたため、お寺をあとにすることにしました。
途中、バス停のそばにあるハイアットの1Fのカフェで冷たいフレーバーティーをいただき、喉を潤してから、
バスで京阪七条の駅前まで行き、京阪電車で出町柳に出てから叡山電車で貴船口に向かいました。
貴船口の駅を降りると、例年とは違ってずいぶん涼しく感じました。
あらかじめ電話で頼んでおいた送迎バスに乗って貴船の右源太さんに向かいました。
川床に降りると、とたんに冷蔵庫に入ったような冷たい空気を感じました。
「今までと違う。」と思って席に着くと、床の下を流れる川の勢いと水量が例年になく多く、
水しぶきが床の上までかかり、座布団がしぶきで濡れていました。
仲居さんに聞くと、昨日は大雨で水量が増し、床も浮いてしまうほどだったということでした。
今日もまだ水量が多いので流木などが流れてくることがあるため、水に足をつけないように言われました。
何やら涼しさを通り過ぎて空気も冷たさが増しており、これも仲居さんに聞くと、
市内とは10度以上気温が違うそうです。何か異常です。
とりあえずビールは一杯だけにして、熱燗を注文してしまいました。
それでも料理だけはしっかりいただいてこの夏の京都の旅を無事に終わりました。
おわり
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