『女たちの遠い夏』に続いて2作目です。
30ページくらい読んでも、あまり興味がわいてこない。
でも、図書館で予約して、やっと順番がきたのだからと、読み進みました。
内容を全く知らなかったので、何の話だか、全然わからない。
提供って何?介護人って何?そして、へールシャムって、どんな場所?
『女たちの遠い夏』と同じように、よくわからないまま、想像し、推理しながら読む感じだけれど、次第にだんだん引き込まれていきます。
他人に臓器を提供するために生まれたクローンの子どもたちが成長し、やがて提供という役割を(確か3回かな)果たして、命を終える。
そういう内容でした。
人間のクローンについて具体的に想像したりした事はなかったから、凄いテーマの話だと思いました。
途中で辞めないで良かった。
ところがです。
2、3日前にTVで特集があり、その中でイシグロさんは、「『わたしを離さないで』は全ての人にあてはまる人間の根幹にふれる物語です。」と言いました。
この物語が全ての人にあてはまるということは、どういうことでしょう?
自分の読解力の無さ、感想を表すにも語彙の貧弱さを嘆きながら、やはり、ノーベル賞作家の書くものは難しい、一筋縄ではいかないと思うのです。
WOWOWで、20日(水)に映画『わたしを離さないで』が放送されます。
ノーベル文学賞の作家と言うと、たぶん私は駄目だろうなと思いながら読み始めました。
が、文章はわかりやすくて、文体も(小野寺健訳)読みやすかったです。
淡々と描かれているところで、突然えっと思うような事があって、何だろうと思わせる書き方です。
あらすじをまとめるのは苦手なので、いいと思ったことだけをちょっと。
今、イギリスで暮らしている主人公の長女の死、1人暮らしをしている次女の訪れ、
遡って、20数年前、渡英する以前の、夫、二郎と義父との暮らしが丁寧に描かれます。
でも、長女の死は何故ということは詳しくは書いていなくて、
唐突に「二郎のことは、夫はわかっていない」とあり、
ということは、夫の二郎と別れて、イギリスに行ったのかと驚かせられます。
そこで今の夫との間に次女ができたらしい。
今は、その夫はいないらしい。というように、らしいと想像するしかない書き方なのです。
想像しながら、映画を見ているような感じで、物語が進んでいきます。
絵本作家 かこさとしさんの本です。
お父さんもお母さんもお兄ちゃんも、みないないのだけれども、
山で仲間の動物達と元気に暮らしているきつねのきんたちゃん。
その山が開発されてゴルフ場になり、きんたちゃんは人間に連れて行かれて、ペットのように暮らす事になります。
ある時、お屋敷でパーティが開かれて、大勢のお客さまがきたときに、どこからか懐かしいお母さんの匂いがしてきました。
その匂いは、なんとお客さまのえりまきになったお母さんの匂いなのです。
なんとかお母さんのそばに行きたいときんたちゃんが思ったその時、お屋敷が火事になり、
きんたちゃんはお母さんをくわえて、山へ逃げました。
そこで、最後のページ。
もしみなさんが、つきのきれいなよる、
あおい山のふもとにいったなら、
けがわにくるまったちいさなきつねが
ないているのにであうでしょう。
私は、最初、「けがわにくるまった小さなきつねがねているのにであうでしょう」と読んでいて、
たとえ、えりまきになってしまったとしても、お母さんに会えて、そのお母さんにくるまって 喜んでいるのかと感じたのですが、
そうでなくて、ないているということに気づいて、なんて悲しい話なんだと思いました。
物語なんだけど、きんたちゃんがかわいそうでなりません。
*************
作家のかこさとしさんは、1926年生まれ、現在91歳。
東京大学工学部応用化学科卒業。
生まれ故郷である福井県越前市に、『かこさとし ふるさと絵本館「砳」』があるそうです。
いつか行ってみたいです。
本の装丁が面白いので、内容も知らずに読んでみました。
こういう話は、若い人なら感情移入できるのだろうなあ。
今の私が全くわからないではないのだけれど。
そして、結末に驚いた。誰も救われないではないか。
私は、ハッピーエンドが好きなのだ。
辻村深月さんの本は『朝が来る』を1月に予約して、まだ順番が来ない。
期待しているのだけれど、どんな話なんだろう。
****
今は、加計学園問題の行方が興味深い。
昨日、今日の大事な2連休、9時から15時までずっと閉会中審査をみていた。
数学の好きな女の子の青春物語なのかなと思って読み始めたら、
出てくる数学の話が難しすぎる。
初めのうちは、よくテレビなどでも出てくる問題。
1 1 2 3 の次は?
これはわかった。5。次は、8、次は13。
(前の数と足す。1+1=2、1+2=3、2+3=5、3+5=8、5+8=13)
1 4 27 256の次は?
これもわかった。3125。
(1の1乗は1、2の2乗は4、3の3乗は27、4の4乗は256、5の5乗は3125)
6 15 35 77の次は?
これもわかった。143。
(2×3=6、3×5=15、5×7=35、7×11=77、11×13=143 素数×次の素数ということ)
6 2 8 2 10 18の次は?
わからない。増えたり、減ったりって、どういう事・・・
これの解答は、円周率3.14159・・・の各数字に2をかけた数だって。ホントだ。気づかなんだ。
ここまでで、4ページです。全部で、319ページある。まあ、読めるところまで、読んでみよう。
目次 ・もうひとつ
・月が笑う
・こともなし
・いつかの一歩
・平凡
・どこかべつのところで
「もうひとつ」を読み始めたら、あれ、内容を知ってる。二組のカップルがギリシアへ旅行に出かける話。
次の話も知ってる。離婚を迫る妻に同意できなかったけれど、子どもの頃に車にはねられた事を思い出したことなどから、
離婚を承諾する話。
この本はいつ発行されたのかと見ると、2014年5月だった。新刊をすぐ読んだとしても、3年前の事だ。
内容は覚えているとはいえ、この『平凡』という題名の本を読んだことをすっかり忘れているなんて、
しかも3年経ったかどうかのことを忘れるなんて、驚愕です。
まあ、でも内容を覚えていたからいいかな・・・。
* * * * * * * * * *
前の職場の人と久しぶりに会いました。
ご主人が亡くなったり、お母さんが亡くなったり、孫が生まれたり。
そしてまた、営業所がドンドン閉鎖されていることを聞き、驚きでした。
支社として大勢の人が働いていた拠点も、従業員は他の営業所に異動し、工場はそのうち更地になるとのこと。
厳しいですねぇ。
在職中、すでに別会社に合併されてはいたけれど、名前が変わって稼働していたのに、そんな事になっていた。
私の通っていた職場も、かつての同僚は異動している。そのうち、取り壊し、更地になるのだろうか?
そんな事を話して少ししんみりとなったけれど、楽しい思い出話も沢山あり、今だから話すという暴露話もあり。
でもとにかく、合併されるまではいい会社だったねと、某駅前の居酒屋で5時間しみじみと語り合いました。
先生は、江戸時代末期、オランダ出島に住んでいた医師シーボルトのことである。
お庭番とは、そのシーボルトの薬草園を任された15歳の少年熊吉。
庭師というにはまだ幼いのだが、心を込めて仕え、立派な薬草園を造る。
やがて、国外追放になるシーボルト事件も、熊吉の目線で書かれている。
何年か前に、吉村昭の『ふぉん・しいほるとの娘』を読んで、シーボルトにすごく興味があるので、この本も面白かった。
* * * * * * * * * *
最近新しい職に就きましたが、多くの本に接する職場なので、そのことは楽しいです。
しかし、仕事は大変です。想像した以上に、細かい仕事が山のようにあって、全然頭の中に入らない。
あせっています。『博士の愛した数式』じゃないけど、私の記憶は1日しか持たないようで、次の出勤日に出かけると、
「あらら~、これはこの前にやった気がするけれど、どうするんだっけ」状態です。
努力して、とにかく仕事を覚えるしかありません。
今日は休日で、ラジオを聴いたり、本を読んだりして、ごろごろとしていました。
明日も休日で、前の職場の人と会います。新潟、栃木、茨城、そして私の4人です。
20年の会社生活で会ったのは会議などで数回、個人的には1度も会ったことはないのですが、
同じ仕事で悩んだ仲、楽しみです。