昨日オバマ大統領が被爆地広島を訪問した。世界一の権力者の眼に、人類を破滅に導く核の惨状はどのように映ったのだろうか。
オバマ大統領自身が演説したように「核なき世界」実現への道は険しい。それは、戦争の抑止力として各国が核に頼るからだ。言い換えれば、この世に戦争が存在する限り、核はなくならない。「戦争なき世界」が、「核なき世界」に通じるのである。それでは、どうすれば戦争がなくなるのか。国際紛争の解決手段として戦争を禁じることが必要である。すべての国が日本国憲法第9条を採用しなければならない。世界がが憲法9条の理念を共有するとき、始めて「核なき世界」が実現する。
現実には、核武装によって独裁政権の延命を図ろうとする国、国家の威信や国益を守るために核の脅威をちらつかせるような国、またテロの手段として核兵器を利用しようとする集団があることも否めない。しかし、「緊迫した安全保障環境の中で国民の生命と財産を守るため」という大義名分の下、わが国が安易に憲法9条を放棄すれば、世界は永遠に核を廃絶するチャンスを失うかもしれない。わが国は唯一の被爆国として、世界平和と核の廃絶に向けて世界をリードしなければならない立場にある。人類が戦争の悲劇から解放されるにはまだまだ長い年月が必要であろう。その日がくるまで、わが国は粘り強く憲法9条を守り抜かねばならない。
人間社会の進歩を思うとき、生命進化の歴史に想いを馳せる。なぜなら、人間社会は人間の集団であり、人間は細胞の集団で成り立っているからである。人間の考えていることは、細胞が考えている。人間の祖先はガン細胞であった。他の細胞のことはおかまいなしに、ただひたすら成長を求めるガンであった。生命が画期的な進化を遂げることができたのは、ガン細胞の群れが手を取り、協調して多細胞化したからである。
今から10億年以上前、ガン細胞たちは毎日餌を巡る争いを繰り返していた。あるとき、壮絶な争いで大きなダメージを被った細胞の一つが突然変異した。国の形を作るのが憲法ならば、細胞の形を作るのが遺伝子である。ガン細胞が突然変異で獲得した憲法は「接触阻止」と呼ばれる遺伝子であった。「接触阻止」とは細胞が他の細胞に接触すると増殖をやめるしくみである。ガン細胞は細胞同士が接触しても、折り重なるように増殖を続ける。これでは、臓器の形成も個体への成長も不可能である。生命は、細胞同士が接触した際に増殖をやめることで多細胞化した。他の細胞と争わない遺伝子を持つ進化した細胞は、最初は他の細胞から侮られ、侵略に晒されたりもした。しかし、「接触阻止」遺伝子のお陰で悲惨な争いに巻き込まれる機会は減り、この細胞は高い確率で子孫を残せるようになった。やがて、「接触阻止」遺伝子を持った細胞が他の生命体を凌駕した。すべての細胞が「接触阻止」遺伝子を持った細胞に置き換わったとき、生命は個体という小宇宙にグローバル化したのである。
「接触阻止」はまさに、遺伝子の憲法9条であった。世界がこの憲法の価値を共有するにはまだ時間がかかるかも知れない。しかし、「接触阻止」の遺伝子を獲得して進化した祖先のように、すべての国が憲法9条の恩恵を受けるとき、真に「核なき世界」が訪れるのではないかと思う。
オバマ大統領自身が演説したように「核なき世界」実現への道は険しい。それは、戦争の抑止力として各国が核に頼るからだ。言い換えれば、この世に戦争が存在する限り、核はなくならない。「戦争なき世界」が、「核なき世界」に通じるのである。それでは、どうすれば戦争がなくなるのか。国際紛争の解決手段として戦争を禁じることが必要である。すべての国が日本国憲法第9条を採用しなければならない。世界がが憲法9条の理念を共有するとき、始めて「核なき世界」が実現する。
現実には、核武装によって独裁政権の延命を図ろうとする国、国家の威信や国益を守るために核の脅威をちらつかせるような国、またテロの手段として核兵器を利用しようとする集団があることも否めない。しかし、「緊迫した安全保障環境の中で国民の生命と財産を守るため」という大義名分の下、わが国が安易に憲法9条を放棄すれば、世界は永遠に核を廃絶するチャンスを失うかもしれない。わが国は唯一の被爆国として、世界平和と核の廃絶に向けて世界をリードしなければならない立場にある。人類が戦争の悲劇から解放されるにはまだまだ長い年月が必要であろう。その日がくるまで、わが国は粘り強く憲法9条を守り抜かねばならない。
人間社会の進歩を思うとき、生命進化の歴史に想いを馳せる。なぜなら、人間社会は人間の集団であり、人間は細胞の集団で成り立っているからである。人間の考えていることは、細胞が考えている。人間の祖先はガン細胞であった。他の細胞のことはおかまいなしに、ただひたすら成長を求めるガンであった。生命が画期的な進化を遂げることができたのは、ガン細胞の群れが手を取り、協調して多細胞化したからである。
今から10億年以上前、ガン細胞たちは毎日餌を巡る争いを繰り返していた。あるとき、壮絶な争いで大きなダメージを被った細胞の一つが突然変異した。国の形を作るのが憲法ならば、細胞の形を作るのが遺伝子である。ガン細胞が突然変異で獲得した憲法は「接触阻止」と呼ばれる遺伝子であった。「接触阻止」とは細胞が他の細胞に接触すると増殖をやめるしくみである。ガン細胞は細胞同士が接触しても、折り重なるように増殖を続ける。これでは、臓器の形成も個体への成長も不可能である。生命は、細胞同士が接触した際に増殖をやめることで多細胞化した。他の細胞と争わない遺伝子を持つ進化した細胞は、最初は他の細胞から侮られ、侵略に晒されたりもした。しかし、「接触阻止」遺伝子のお陰で悲惨な争いに巻き込まれる機会は減り、この細胞は高い確率で子孫を残せるようになった。やがて、「接触阻止」遺伝子を持った細胞が他の生命体を凌駕した。すべての細胞が「接触阻止」遺伝子を持った細胞に置き換わったとき、生命は個体という小宇宙にグローバル化したのである。
「接触阻止」はまさに、遺伝子の憲法9条であった。世界がこの憲法の価値を共有するにはまだ時間がかかるかも知れない。しかし、「接触阻止」の遺伝子を獲得して進化した祖先のように、すべての国が憲法9条の恩恵を受けるとき、真に「核なき世界」が訪れるのではないかと思う。