HITO-OMOI(ひとおもい)

ひとを、ひととき、ひとへに想ふ短歌がメインのブログです。作歌歴約二十年、かつては相聞(恋歌)、現在は専ら雜詠です。

5184-5185首目・・・ボタン2首

2024-12-17 00:00:00 | 短歌

「足つきの黒きボタンは僅かなる傾き持ちて掛け違はわれぬ(新作)」


「掛け違ふすゑに取れたるこのボタン少し明るき糸を探しぬ(新作)」



手先の不器用さは、父親譲りだ。ボタン付けは、玉留で、玉と生地の間に遊びがいつもできてしまう。

2首目。足付きボタンは、穴あきボタンより、糸が目立ちにくい。

一応、失恋歌ですが、、。

ちょうど50年前、布施明は彼の『積木の部屋』で

♪君にできることは、ボタン付けと掃除、、だけど満ち足りていた。♪

と唄った。(作詞は有馬 三恵子。)

当時(今も?)は、ボタン付けは難易度☆ひとつということ、、でしょうか(汗)

不尽

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5183首目・・・会ひに行く

2024-12-15 00:00:00 | 短歌

「会ひに行くときに限りて混んでゐるタコメーターのみ冷静なるや(新作)」



師走、、安全運転で参りましょう。

不尽

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5182首目・・・柴田淳~14thオリジナル・アルバム『901号室のおばけ』~

2024-12-13 00:00:00 | 日記

ほぼ4年ぶりのアルバムリリース。

決して短くはないブランクの事情はある程度わかってはいたものの、変わっていなくて、(是非は措くとしても)「まずは安心した」が、正直なところ。

大仰すぎる悲しみソングが少なくて、その裏返しの妙に明るい歌もない。次第に確かなことを歌いながら、エンディングとなる構成はまずまず。



メジャーデビューから数えて24年目に入ったしばじゅん。

3年目からリアルタイムでチェイスしてきて、彼女も、アラフィフ(48歳)になったか、と小嘆息。

(ちなみに同じ年の女性歌手は、一青窈、hitomi。2001年デビューでは、中島美嘉。)

応援し続けて参ります、、やっぱり。



「直ちにはおかえりなどと言ふもんかたつぷり味わうまで言ふもんか(新作)」

待ちくたびれ(忘れかけ?)てたんで、ちょっとセンシュアルな歌になった。

不尽

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5179-5181首目・・・旧き名簿三首

2024-12-11 00:00:00 | 短歌

「手書きなる名簿を見つけりそれぞれの人生あらむ生死すらまた(新作)」


「IMEにては入力制限を受けむ君の名幾度か書きし(新作)」


「選択的夫婦別姓の議論読む旧き名簿を傍らにしつ(新作)」


捨てた、と思っていた名簿を見て詠んだ、、。

不尽

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5178首目・・・何の日ぞ

2024-12-09 00:00:00 | 短歌

「何の日ぞ調べざれども珍(めずら)かにふたつ知りたる師走の八日(新作)」


パーソナルな出来事抜きだとそんな日はほとんどない。ちなみに「44年前の出来事」とは違い、「トラ・トラ・トラ」は現地時間では七日だ。

不尽

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5177首目・・・枯葉散り

2024-12-07 00:00:00 | 短歌

「枯葉散り舞ひつ街路を埋めれども朽ちるは何処(いずこ)誰か知るべき(新作)」



柄にもない歌なので、反語を使ってはみたが、下の句が甘い。(類型的)。

不尽

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5176首目・・・常連の

2024-12-05 00:00:00 | 短歌

「常連の客もとりどりズージャより世間話をして立ち去りぬ(新作)」



行きつけのジャズ喫茶は、都会とは異なるのんびり感。
ときおり、全くジャズに興味がなさそうな客がカウンター席でマスターと世間話をしては帰って行く。
いろんな人にとってのくつろぎスペース、これはこれで宜しいかな、と。

不尽

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5175首目・・・怒り顔

2024-12-03 00:00:00 | 短歌

「怒り顔のみは練習せざれども容易く為せるが腹立たしくも(新作)」


自分だけかも、、いや昨今、最も簡単なのは、泣き笑いより、怒ることだろう。ただ、それは心底からの怒りではない、、が。

不尽

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5174首目・・・古来より

2024-12-01 00:00:00 | 短歌

「古来より求めらるるは真善美些(いささ)か知をば要するや真(新作)」 


真実を巡る議論(めくもの)。「形而下」の事象に過ぎぬとは言え、そもそも真実は熱狂とは無縁の冷然なもの。真は信たるべきも、信は必ずしも真ならじ。

不尽

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5173首目・・・かななれど

2024-11-29 00:00:00 | 短歌

「かななれどみなぎる力一幅に頷きながら口ずさみをり(新作)」

かな=仮名


かなで短歌を詠んだ歌人会津八一は書家でもあった。自筆の短歌が表装された掛け軸を見て詠んだ。

不尽



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5172首目・・・田山花袋を更読みする。

2024-11-27 00:00:00 | 日記

田山花袋は、明治4年(1871年)生、昭和5年(1930年)没、60歳。

今や「蒲団」で自然主義の先鞭をつけた記録のみが残り、記憶には残らないかの如き明治の文豪。

また、芥川龍之介や正宗白鳥などから「下手くそ」呼ばわりされ、やはり不憫な感が拭えない田山花袋を更読みする。

テキストは『定本花袋全集』、時系列に主だった作物40作を読む。

全体の感想は、筋は派手な展開はないし、表現もケレン味もなく、乾いた感じ。まぁこれが花袋が標榜した「平面描写」なのだろう。

花袋は小説家として名をなす以前に紀行文の名手として知られていたそうな。平面描写の下地は充分あったといえよう。


四つ星以上をつけた作物は「縁」・「田舎教師」・「時は過ぎゆく」。 

「縁」(明治42年)は、「生」や「妻」と共に「蒲団」(明治40年)以後の花袋「自然主義三部作」の一。蒲団の後日談だが、かの女弟子美知代のジェットコースター人生が淡々と描かれる。

「田舎教師」(明治43年)は、さしたる事件は起きないが、それでいて世相や仲間から取り残される主人公の焦燥感がじわりと心に凍みてくる。評判どおりの名作だ。

「時は過ぎゆく」(大正5年)は、明治維新以降の人心、風俗、主人公の眷属などの有為転変を淡々と描いた滋味深い傑作で、充実した読後感だ。

次点は、些細な行いから暗転していく兵隊の運命を坦々と書いた「一兵卒の銃殺」(大正6年)、美知代の実子千鶴子の短い一生を描いた悲しき小編「幼きもの 」(明治43年)といったところ。

花袋は元芸者の愛人飯田代子(よね)を抜きにしては語れない。二人が出会った時、花袋37才、代子17才。関係は花袋が亡くなるまで23年間続く。

彼女がモデルである作物は70余りあるそうで、花袋は「情痴小説」家でもある。

幾つかの情痴小説を読んだが、花袋は20才差の女に溺れるというより保護者の如き佇まいだ。そのせいか?あまり面白くない。(苦笑)

比較するのも何だが、徳田秋声が書いた「順子もの」のほうが溺れてる感の哀切がある。

ただ、最後の長編小説となった「百夜」(昭和2 年) は、長年に及ぶどん詰りの愛欲生活をだらだら描くだけなのに、妙〜な充足感がある。(汗)


また、花袋には「東京震災記」(大正13年)なる関東大震災のルポ的な作物がある。向島に住んでいた代子の安否を訪ねて行き無事を確認するシーンは印象的だ。 

総括すると独創性にはやや欠けるけど、自然描写は上手いし、「蒲団」以外にも再読するに足りる作物もあるので、忘れられそう?なのは惜しい文豪だ。

最後に、(没後に編まれた)花袋全集の序文で盟友の島崎藤村は、「もう一度田山花袋に帰ろうではないか。あの情熱を学ぼうではないか。あれほどの痩我慢と不撓不屈の精神と、こどものような正直さと、そして虚心坦懐の徳を誰が持ちえたろう。」と書いている。



「抱擁をありのまま描き目覚むれば何処を流れて行きしか涙(新作)」


不尽


4259首目 芳子のリボン・・・(田山花袋『蒲団』を読む。) - HITO-OMOI(ひとおもい)

日本における自然主義文学の魁となった作品という「事実」だけが喧伝されている、それでいて多くの人が通読したことがなくてもラストシーンを知っている、そんなちょっぴり...

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5171首目・・・窓越しに

2024-11-25 00:00:00 | 短歌

「窓越しに行き交ふ通勤人(びと)の顔眺む働くこと斯くも憂し(新作)」


駅ナカのコーヒーショップから平日の通勤ラッシュ時の人々の顔を見て詠う。(派手に句跨り、、(汗))

不尽

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5170首目・・・AIの

2024-11-23 00:00:00 | 短歌

「AIの想定内に属したる人間(ひと)と思はばふと安堵せり(新作)」


出してくるサイトやおすすめリストなど、人工知能には勝てない?と悟った歌、、。

不尽

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5169首目・・・その昔

2024-11-21 00:00:00 | 短歌

「その昔遊び場なりし山門にゆきこのYU(ゆ)となむ落書きをせし(新作)」


なぜ、ローマ字だったのか。習いたてだったのか、漢字で「由」だと生々しかったからか、、。

不尽

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5168首目・・・ この人の

2024-11-19 00:00:00 | 短歌

「この人の何処に最後は触れしかと離(か)るる刹那の浅ましきとて(新作)」


あぁ、浅ましや、、

不尽

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