川上弘美は書き出しが秀逸とどこかで読んだ覚えがある。この短編集も冒頭の『朝顔のビアス』からしてそうだ。
「次の仕事が決まった。
ラブレター、である。」
つかみはOK、速攻カワカミワールドだ。じゃあ、クロージングはどうかなと着目する。
『ぞうげ色で、つめたくて』・・山を見て始まり、山を見ながら終る。
茫然と見ているだけで名も知ろうともしなかった抽象名詞の山。しかし、ラストは、気がつけば伝う涙で眺める伊吹山。
そして、『九月の精霊』・・
はじめとおわりに、かんと、鉦が鳴る。
はじめに鉦をたたいているのは
「たぶん」伯父や伯母、である。
おわりにたたいているのは、(たぶんではなく)伯父と伯母である。生きている者たちの願いや幸せの輪郭ががはっきりしたとき、命なき者ともより近しくなったからである。もとより、物理的にではないにしても、、。
短編ならば、短いゆえ、最初と最後をくっきり際立たせるのはまぁ当たり前のやり方なんだろうが。川上弘美、手練れの技である。
「数取器(カウンター)ふたりの数が違ってもひとつを赦す菩提樹の陰(新作)」
「次の仕事が決まった。
ラブレター、である。」
つかみはOK、速攻カワカミワールドだ。じゃあ、クロージングはどうかなと着目する。
『ぞうげ色で、つめたくて』・・山を見て始まり、山を見ながら終る。
茫然と見ているだけで名も知ろうともしなかった抽象名詞の山。しかし、ラストは、気がつけば伝う涙で眺める伊吹山。
そして、『九月の精霊』・・
はじめとおわりに、かんと、鉦が鳴る。
はじめに鉦をたたいているのは
「たぶん」伯父や伯母、である。
おわりにたたいているのは、(たぶんではなく)伯父と伯母である。生きている者たちの願いや幸せの輪郭ががはっきりしたとき、命なき者ともより近しくなったからである。もとより、物理的にではないにしても、、。
短編ならば、短いゆえ、最初と最後をくっきり際立たせるのはまぁ当たり前のやり方なんだろうが。川上弘美、手練れの技である。
「数取器(カウンター)ふたりの数が違ってもひとつを赦す菩提樹の陰(新作)」
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