HITO-OMOI(ひとおもい)

ひとを、ひととき、ひとへに想ふ短歌がメインのブログです。作歌歴約二十年、かつては相聞(恋歌)、現在は専ら雜詠です。

5216首目・・・書道展にて

2025-01-30 00:00:00 | 日記

ある日のコンベンションホールのアトリウム。市内に在る高校書道部の作品展に出くわした。

揮毫(きごう)してあるのは、自作の短歌。50点ほどあったろうか。気に入った歌を、4点書き写す。


今入れた麦茶のグラス結露する速さで高二の夏を占う

色褪せた剣道防具しまう時夢の後先自分に問うた

僕の名を祖父が忘れてしまうほど時の流れは人を待たない

ブーケトス任されたって結婚の幸せの意味まだわからない


最後の歌が一番好きだ。完成度では一首目だろうし、二首目の上の句の静謐な感じも捨てがたい。

だが、四首目の一切の理屈が無くて苛性に読み下した若さの勢い。口語の軽みがそれを引き立てている。

「わからない」ことの潔さとともに、(いずれ?)「わかる」ことへのとまどいを感じる。


、、、三首目を本歌取りして私の一首。

「逆縁(ぎゃくえん)の後に呆けし祖母「母に似てゐますね」と問はれし病室(新作)」


子(私の母)に先ただれて10余年後に、祖母が(お見舞いに行った)孫の私に発した言葉。(もちろん「母」とはいわずに母の名前を言ったのだが。)

私は我慢できずに、病院のトイレに籠もって涙をポロポロと零した。

不尽

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5212-5215首目・・・高野山・吉野行(その3)

2025-01-28 00:00:00 | 日記

(金峰山寺・蔵王堂)


なすすべもなしと思はば拝むのみ蔵王権現漲りをりて




*仁王門は修理中

ありさまは異ならざりぬ塔尾(とおのおの)陵(みささぎ)異形の王と言へども


(如意輪寺本堂)


(後醍醐天皇塔尾陵)



(楠公親子像)

九字切る帝を思ひ北闕門(ほっけつもん)畏れ多くも都を思ふ


(吉水神社)








(北闕門)

山峡(やまかい)の吉野を訪(おとな)ひ行き行けば正閏(正閏)問ふは厭わしきかな


(吉野朝宮阯)




(061111-13)

(おわり)

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5208-5211首目・・・高野山・吉野行(その2)

2025-01-26 00:00:00 | 日記

(金剛峯寺、大玄関・小玄関)


観光客(ツーリスト)カタコトで問ひ片言で答ふる僧侶大本山よ


(金剛峯寺、正門)


(金剛峯寺、主殿)



(金剛峯寺、蟠龍庭)


タペストリー求むるならば道筋を説く金剛界曼荼羅ぞかし

印相と御面相との様相を篤と眺むる霊宝館よ


高野山霊宝館内は、すべて撮禁。


宿坊の精進料理とて些(いささ)かに箸使ひをば気遣ひをりて


(宿坊西方院)



(061111-13)

(つづく)

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5204-5207首目・・・高野山・吉野行(その1)

2025-01-24 00:00:00 | 日記

(壇上伽藍・根本大塔)


参道に列々たるや供養塔苔深々と重々しきや

(奥之院)





杉木立抜けて聖域燈籠堂灯は明明とあたたかきかな


(奥之院、御廟橋)

これ以降撮禁エリア

金色の大日如来源(みなもと)のかくも然も々々ありぬべきかも


(壇上伽藍、中門)


相応しき土地は何処と唐土(とうど)より投げし三鈷を受け止む枝よ


(壇上伽藍、三鈷の松)

(061111-13)

(つづく)

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5203首目・・・  睡眠の

2025-01-22 00:00:00 | 短歌

「睡眠の質を問ひかくるサイトありたとへば汝(なれ)の夢を見しこと(新作)」



何てことない歌なのだが、上の句と下の句の「着きぐあい」(=筋道の通りぐあい)は、5202首目より、気に入っている。

ここいらが、作歌の難しさ・面倒さであるが、面白さのひとつ。

不尽

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5202首目・・・ひとことを

2025-01-20 00:00:00 | 短歌

「ひとことを言ってくれない夢の中何ら現(うつつ)と変はらざりしが(新作)」



新旧かな混じりで悔しい気持ちを表した(つもり)。

終助詞を「が」ではなく「も」とするかも迷いどころ。

不尽

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5201首目・・・ことさらに

2025-01-18 00:00:00 | 短歌

「ことさらに替へたる己がしじみ汁空の殻をば数ふも哀し(新作)」



At Yoshinoya

不尽

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5200首目・・・心臓から

2025-01-16 00:00:00 | 短歌

「心臓(ハート)から遠ざかるほど冷たしと今さら気づきあふ指先は(新作)」



五句、、「指先よ」とせず、言い差しにした。

不尽

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5199首目 大学ラグビー選手権決勝 ○帝京33-15早稲田●

2025-01-14 00:00:00 | 日記

桐蔭学園の同級生同士が両チームのキャプテンとなった決勝。

後半風下になったことで冷静にプレーした帝京の勝利。

四連覇おめでとうございます。


「いたずらにフェイズ重ぬるばかりにてゴールラインはじわり遠のく(新作)」

不尽

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スポーツ短歌19   2024年下半期

2025-01-12 00:00:00 | 短歌

人前で泣くこと憚られし頃尠(すくな)き例外として甲子園(5076)

幾人(いくたり)か新しき星現れて一等星を目指し戦ふ(5079)

酔ふほどの宴にあらずぷっつりとバックスクリーンの灯は消えぬ(5087)

四年後を持たざる者と持つべき者渇く涙と渇かす涙(5096)

記号ひとつ書き込む時間遅るるも感極まれりベンチのA子(5103)

本年も名簿すらなき名鑑に応援の気運上がり難しも(5130)

CSは勝つが負けよが本拠地の戦(いくさ)を是とす大勝すれども(5149)

些(いささ)かに食傷したる咆哮も全き余地なき牧の勝鬨(かちどき)(5154)

鬼神をも驚かしむる進化にて今宵天辺(てっぺん)横浜の星(5161)

FWの離合集散反則(あやまち)をゆめ起こすまじとて抱く規律(ディシプリン)(5188)

事為すに欠かせざる信(しん)より深く求め合ひしが頂上に立つ(5190)〜映画『勝ち切る覚悟〜日本一までの79日』〜


DeNA6首、高校野球2首、ラグビー2首、オリンピック1首。

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5198首目・・・微睡みを

2025-01-10 00:00:00 | 短歌

「微睡(まどろ)みを破りし唇(くち)の湿りにてああ約束事が今ひとつあり(新作)」


、、またまたダブルベッド。

不尽

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5197首目・・・一線を

2025-01-08 00:00:00 | 短歌

「一線を引かれし夜は明け切りぬ喉(のみど)に落とせり深煎り珈琲(新作)」



深煎りは、深入りとの掛詞、、。

不尽

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5196首目・・・今年こそ

2025-01-06 00:00:00 | 短歌

「今年こそ減らしたしとふ面持ちの善男善女ジム開きとて(新作)」



毎年詠めそうな一首。(笑)

不尽

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5194.5195首目・・・大学ラグビーと箱根駅伝

2025-01-04 00:00:00 | 日記

毎年一月の2日と3日は、ラグビーと駅伝でテレビの前から離れられない。


紺と白というお互いセカンドジャージでの見慣れない姿の戦い。

テレビで見る限り前半の早稲田のラインディフェンスとダブルタックルは完璧だった。


残念ながら、京産は見事に昨年のリベンジを早稲田に食らってしまった。 


「アタックがさも単調に思ほゆる紺を阻みし白き壁なり(新作)」


さすがは、対抗戦全勝優勝のチーム。さて、ファイナル。帝京が同じチームに連敗するかどうか、、。


「背負ふもの大きならむや駅伝の六区の走者(ランナー)震へる腿よ(新作)」


さて、箱根駅伝は、珍しく母校の露出度?が高く、その意味では結構楽しめた。

まぁ、結果は青学が横綱相撲を見せつけたが、、。

不尽

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5193首目・・・肩口が

2025-01-02 00:00:00 | 短歌

「肩口が寒し布団を押さへまほし父の声思(も)ひ床につく夜(新作)」



就寝時に亡父の声が聞こえてきて、詠んだ。

不尽


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