HITO-OMOI(ひとおもい)

ひとを、ひととき、ひとへに想ふ短歌がメインのブログです。作歌歴約二十年、かつては相聞(恋歌)、現在は専ら雜詠です。

5173首目・・・かななれど

2024-11-29 00:00:00 | 短歌

「かななれどみなぎる力一幅に頷きながら口ずさみをり(新作)」

かな=仮名


かなで短歌を詠んだ歌人会津八一は書家でもあった。自筆の短歌が表装された掛け軸を見て詠んだ。

不尽



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5172首目・・・田山花袋を更読みする。

2024-11-27 00:00:00 | 日記

田山花袋は、明治4年(1871年)生、昭和5年(1930年)没、60歳。

今や「蒲団」で自然主義の先鞭をつけた記録のみが残り、記憶には残らないかの如き明治の文豪。

また、芥川龍之介や正宗白鳥などから「下手くそ」呼ばわりされ、やはり不憫な感が拭えない田山花袋を更読みする。

テキストは『定本花袋全集』、時系列に主だった作物40作を読む。

全体の感想は、筋は派手な展開はないし、表現もケレン味もなく、乾いた感じ。まぁこれが花袋が標榜した「平面描写」なのだろう。

花袋は小説家として名をなす以前に紀行文の名手として知られていたそうな。平面描写の下地は充分あったといえよう。


四つ星以上をつけた作物は「縁」・「田舎教師」・「時は過ぎゆく」。 

「縁」(明治42年)は、「生」や「妻」と共に「蒲団」(明治40年)以後の花袋「自然主義三部作」の一。蒲団の後日談だが、かの女弟子美知代のジェットコースター人生が淡々と描かれる。

「田舎教師」(明治43年)は、さしたる事件は起きないが、それでいて世相や仲間から取り残される主人公の焦燥感がじわりと心に凍みてくる。評判どおりの名作だ。

「時は過ぎゆく」(大正5年)は、明治維新以降の人心、風俗、主人公の眷属などの有為転変を淡々と描いた滋味深い傑作で、充実した読後感だ。

次点は、些細な行いから暗転していく兵隊の運命を坦々と書いた「一兵卒の銃殺」(大正6年)、美知代の実子千鶴子の短い一生を描いた悲しき小編「幼きもの 」(明治43年)といったところ。

花袋は元芸者の愛人飯田代子(よね)を抜きにしては語れない。二人が出会った時、花袋37才、代子17才。関係は花袋が亡くなるまで23年間続く。

彼女がモデルである作物は70余りあるそうで、花袋は「情痴小説」家でもある。

幾つかの情痴小説を読んだが、花袋は20才差の女に溺れるというより保護者の如き佇まいだ。そのせいか?あまり面白くない。(苦笑)

比較するのも何だが、徳田秋声が書いた「順子もの」のほうが溺れてる感の哀切がある。

ただ、最後の長編小説となった「百夜」(昭和2 年) は、長年に及ぶどん詰りの愛欲生活をだらだら描くだけなのに、妙〜な充足感がある。(汗)


また、花袋には「東京震災記」(大正13年)なる関東大震災のルポ的な作物がある。向島に住んでいた代子の安否を訪ねて行き無事を確認するシーンは印象的だ。 

総括すると独創性にはやや欠けるけど、自然描写は上手いし、「蒲団」以外にも再読するに足りる作物もあるので、忘れられそう?なのは惜しい文豪だ。

最後に、(没後に編まれた)花袋全集の序文で盟友の島崎藤村は、「もう一度田山花袋に帰ろうではないか。あの情熱を学ぼうではないか。あれほどの痩我慢と不撓不屈の精神と、こどものような正直さと、そして虚心坦懐の徳を誰が持ちえたろう。」と書いている。



「抱擁をありのまま描き目覚むれば何処を流れて行きしか涙(新作)」


不尽


4259首目 芳子のリボン・・・(田山花袋『蒲団』を読む。) - HITO-OMOI(ひとおもい)

日本における自然主義文学の魁となった作品という「事実」だけが喧伝されている、それでいて多くの人が通読したことがなくてもラストシーンを知っている、そんなちょっぴり...

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5171首目・・・窓越しに

2024-11-25 00:00:00 | 短歌

「窓越しに行き交ふ通勤人(びと)の顔眺む働くこと斯くも憂し(新作)」


駅ナカのコーヒーショップから平日の通勤ラッシュ時の人々の顔を見て詠う。(派手に句跨り、、(汗))

不尽

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5170首目・・・AIの

2024-11-23 00:00:00 | 短歌

「AIの想定内に属したる人間(ひと)と思はばふと安堵せり(新作)」


出してくるサイトやおすすめリストなど、人工知能には勝てない?と悟った歌、、。

不尽

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5169首目・・・その昔

2024-11-21 00:00:00 | 短歌

「その昔遊び場なりし山門にゆきこのYU(ゆ)となむ落書きをせし(新作)」


なぜ、ローマ字だったのか。習いたてだったのか、漢字で「由」だと生々しかったからか、、。

不尽

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5168首目・・・ この人の

2024-11-19 00:00:00 | 短歌

「この人の何処に最後は触れしかと離(か)るる刹那の浅ましきとて(新作)」


あぁ、浅ましや、、

不尽

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5167首目・・・ ひとつきりの

2024-11-17 00:00:00 | 短歌

「ひとつきりの純喫茶なりいくつもの別れ話ぞ切り出されし哉(かな)(新作)」


純喫茶が好きなのは雰囲気もさることながら、ピンの客が比較的多くて会話が少ないこと。

不尽

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5166首目・・・知らざるを

2024-11-15 00:00:00 | 短歌

「知らざるを嘆き遣りたる一日に知らぬ振りにて遣り過ごすこと(新作)」



訳知り顔の歌はほぼ失敗作。とはいえ、年を重ねるほど大きくなる思い。

不尽

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5165首目・・・高が否

2024-11-13 00:00:00 | 短歌

「高(たか)が否然れど読書といふべきぞこのテーブルの高さに気が散る(新作)」



行きつけのドトール店のテーブル高さが最も読書に集中できる。コメダ(統一されてるか?)も星野珈琲も、少し高すぎるのだ。

ジャズ喫茶では読書はせず瞑想半分、居眠り半分である。

不尽

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5164首目・・・高級なる

2024-11-11 00:00:00 | 短歌

「高級なる住宅街に迷ひ入る夕刊配達バイク軽やか(新作)」

 

住んでいる土地の地域紙も夕刊紙は、今年度から廃刊になった。

三大紙も配達を辞めた地方もあるとのこと。理由は宜無いところ。   

しかし、係ることは無縁(夕刊は読むべきもので、配達があるのが当たり前)の街区もあるのだろう。

(「日本近代文学館」の帰路に、M区のK、S区のSを歩く羽目になって感じたこと。)

不尽

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5163首目・・・帰らまほし

2024-11-09 00:00:00 | 短歌

「帰らまほしからざる日いとくきやかに帰りたき日のおぼろぞ悔しき(新作)」




ペシミストの性であろうか、、。

不尽

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5162首目・・・流行語

2024-11-07 00:00:00 | 短歌

「流行語大賞候補のリスト見つ世間知らずとやや安堵せり(新作)」



30語中全く知らず、皆目見当もつかぬのが18語。

下の句は自虐ではなく、こんなことに心を動かされずとも、生活できていることの小市民的安堵(笑)。

不尽

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5161首目・・・下剋上日本一成就

2024-11-05 00:00:00 | 短歌

「鬼神をも驚かしむる進化にて今宵天辺(てっぺん)横浜の星(新作)」



2024年のチームスローガンは「横浜進化」。さりとてCLIMAXのFINALからは、半ば口あんぐり状態。でも最終戦はベイらしく派手に決めた!



一番大きな歓声を上げてしまったのは、、。

最も感慨深かったのは、、。(7?8?回くらいの攻撃時にチラッと写ったこれ!)


最高にジーンときたのは、、。




果たせなかったリーグ優勝。まぁ、いつかするでしょう。(苦笑)

弱かろうが、お得意の「ベイス☆ボール」を繰り広げようが、いつまでも応援してまいります。

とりわけ楽しかった2024シーズン、ありがとうございました。I☆YOKOHAMA

(__)m

不尽

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5160首目・・・雨やどり

2024-11-04 00:00:00 | 短歌

「雨やどり客は我(わ)のみがエヴァンスのヒアズ・ザット・レイニー・デー流れ来ぬ(新作)」





『Here That's Rainy Day』は、BILL EVANSの「Alone」のA面1曲目。

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5159首目・・・通販の

2024-11-02 00:00:00 | 短歌

「通販のカタログ処分せざりしをやや悔いてをり衣替へかな(新作)」



無駄遣い、、、四句のややが未練がましい、、(笑)。

不尽

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