OZLIFE’S DIARY

メルボルンで働く永住者OZLIFEの雑記帳

(および過去記事収納所)

メルボルンから「ノーモア・ヒロシマ」

2006-08-10 | 日々のつぶやき
この記事は 「ブログで囲もう!浜岡原発」の第4回アピール企画に連動して書いている。

8月6日、メルボルンのセント・マイケルズ教会で日本人平和団体「Japanese for Peace (JfP)」が企画した「ヒロシマ・ナガサキ・ピース・コンサート」が開催され、私の相棒がミュージシャンとして出演した。

去年の今頃、私と相棒は、同団体が開催したピース・コンサートをたまたま見に行っていたが、まさか翌年のコンサートに関わることになるとは想像だにしなかった。

去年のコンサートについてはこのブログに記事を書いたのだが、今年に入ってJfPの代表の方が私のブログ記事を見つけて書き込みを下さり、実際にお会いする機会に恵まれた。ちょうど同じ時期、私の相棒はシンガーソングライターとしてCDデビューを果たし、プロモーション活動に力を入れていた。彼はメッセージ性の強い数々のオリジナルソングを持っており、ピース・コンサートは新たな観客層にアピールできる絶好の機会でもあった。

そうして今年のピース・コンサートに私の相棒と彼の友人ミュージシャンが出演することが決まった。
まるで運命に導かれたような巡り合わせに不思議な縁を感じる。

上の写真はソプラノ歌手・峰岸夏子さんが舞台に立った会場の模様だ。

コンサート会場では、広島で被爆されたシドニー在住の森本順子さんがゲストスピーカーとして自らの体験を語って下さった。
中東で戦渦が広がる現在、唯一の被爆国である日本の国民が核戦争の悲惨さを風化させずにしっかりと世界に伝えていく意義・使命はますます大きくなっていると感じる。

イラクでは米軍による大量の劣化ウラン弾や化学兵器、そして電磁波兵器などの最新兵器の使用により多くの一般市民が犠牲となっており、医療品が圧倒的に足りない状態だ。コンサートの収益金は厳しい状況の中で精力的に活動する医師団体「Doctors for Iraq」に寄付された。

イラクでの劣化ウラン弾使用の影響はイラク国民だけではなく、イラクから帰還した米兵にも自衛隊員にも暗い影を落としている。
8月6日の原爆の日、NHKスペシャルでは 「調査報告・劣化ウラン弾 ~米軍関係者の告発~」が放映された。
この番組は8月23日(水)深夜【木曜午前】1時10分~1時59分に再放送される予定なので、見逃した人もまだチャンスがある。

ところで放射線技師であった私の父はALS(筋萎縮性側索硬化症)という不治の病に冒されて亡くなったのだが、アメリカALS協会の報告書によると、イラク帰還兵のALS発生率が一般人の二倍なのだそうだ。原因不明の難病とされているが、放射能となんらかの因果関係があるのではと短絡的ではあるものの疑ってしまいたくなる。

イラクの劣化ウラン弾使用に日本は何の関与もしてないと思ったら大間違いだ。
米国の情報公開法に基づく米空軍の資料開示で、2001年当時、沖縄の嘉手納弾薬庫に約40万発の劣化ウラン弾が保管されていたことが分かったからだ。イラクで使用された劣化ウラン弾が日本の出した金で沖縄から運ばれた可能性は否定出来ない。
だいたい米軍は、90年代半ばに沖縄の鳥島での実弾演習で1520発もの劣化ウラン弾をぶっ放しておいて、一年も放置してから「誤射でした~」と日本政府に通知し、政府も「あ、そうですか~」とほとんど放置状態にしているし。
「非核三原則」も何もあったものじゃない。

実は、オーストラリアにとってもこれは対岸の火事ではない。
ハワード政権がアメリカと結んだ秘密協定で米軍が豪州本土で演習出来るようになって以来、米軍は劣化ウラン弾を豪州本土にじゃんじゃか持ち込んできてるのだ。
David Bradbury監督のドキュメンタリー映画「Browin' in the Wind」の中で、オーストラリア側は「そんなこと聞いてない」って言ってるけど、インタビューを受けた米兵が「劣化ウラン弾?搭載してきてるよ~」って悪気もなく答えてるんだからずっこける。この映画では鳥島のこともちょっと触れられている。

クイーンズランド州と西オーストラリア州の美しい自然が核廃の吹きだまりにされてしまうのだろうか・・・

劣化ウラン弾ってのは原子力発電で出た核廃処分に困る者にとって、とっても安上がりで都合の良い廃棄手段だ。
原子力発電は「核の平和利用でクリーンエネルギーです」なんて言っておきながら
使った後の核のゴミは劣化ウラン弾にして戦場に投げ捨てちゃって、後は野となれ山となれ。無責任にもほどがある。

日本の場合、老朽化した原発が地震が心配される地帯で今だに稼働しているのだから、戦争にならなくたって放射能汚染の被害を受ける危険性が高い。

東海大地震が起きて浜岡原発がメルトダウンを起こしたら、広島・長崎の被爆者達が苦しんだように、首都圏一帯に住むたくさんの大人や子ども達が被爆して苦しむかもしれない。
でもこの危機は皆が声をあげて中部電力が決断すれば避けられる危機だ。

現在、原発震災を避けるためにブロガー有志たちが集まって『ブログで囲もう浜岡原発!』という企画を行っている。
参加は簡単、賛同するブログ記事を書いて『ブログで囲もう浜岡原発!』にトラックバックを送るだけだ。

下記の参考ホームページを読んで賛同する人は浜岡原発を囲むネットの輪を広げていって欲しいと思う。
☆ストップ浜岡  
☆原発震災を防ごう!

追記:この記事アップを機にこのブログも「チーム・マイナス6%」に参加することにした。

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8 Comments

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Unknown (あずーる)
2006-08-11 02:05:08
はじめて書き込みさせてもらいます。浜岡のメ-リングリストからきました。いきなり3つもTBさせてもらいました。

OZLIFEという名前から、オーストラリアに住まれているのかなぁと思ったらやっぱりでした。私は4年間パースに住んでいたんですよ。オージーのほうが広島のことよく知っているのに驚きました。「さだこ」っていう日本の原爆でなくなった少女の映画みたのもパースの日本映画祭でした。

日本の原発のウラン、オーストラリアのジャビルカから運ばれているのですものね。それでアボリジニーの人たちの健康被害もでてるのに・・・。
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Unknown (電気猫)
2006-08-11 20:17:47
オーストラリアでこのような反核活動が盛んだとは知りませんでした。アメリカは原爆投下を正当化し、すぐに真珠湾を持ち出しますが、オージーはどんな反応なんでしょうか? 日本はオーストラリアを爆撃したし捕虜虐待で日本にマイナスイメージを持つ年配者も多いように思うのですが。

NHKの劣化ウラン弾特集はNHKにしちゃ上出来でしたね。これからは低線量被曝が国際的に大きな問題になってくると思います。原発も再処理もウラン採掘も劣化ウラン弾も・・・。全て「ホピの予言」どおりに事が進んでるようで見通し暗いです。
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あずーるさんへ (ozlife)
2006-08-11 20:24:09
TB&書き込みありがとうございます。オージーは広島のことよく知ってますよ。学校で「さだこ」を通して原爆のこと知る学生もけっこういるようです。

ジャビルカのウラン鉱山近辺のアボリジニの苦しみは尋常ではないですよ。今年の6カ国協議であぶない国に武器輸出してる中国にもウラン輸出することになったし・・・。北朝鮮に横流しされなきゃいいけどねー。
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電気猫さんへ (ozlife)
2006-08-11 20:41:20
TB&書き込みありがとうございます。オーストラリアはハワード政権が温暖化防止のために原発導入を検討ししてて論議が盛んなんですが反核活動も今が正念場なんですよ。

日本が残した戦争の傷は深いですよ。日本人を赦せないと思っている人もまだまだいます。でもだからといって一般市民を無差別に殺した原爆投下を正当化出来ると思っている人は多くないと思います。原爆投下後に占領軍に参加して日本に赴任したオーストラリア兵の中には呉に配置された人がけっこういるみたいで広島の悲惨さを自分の目で見てる人もいるし、戦争捕虜として広島に送られていてそこで被爆したオーストラリア人もいます。
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Unknown (電気猫)
2006-08-14 07:21:51
温暖化防止のための原発は日本でも盛んに宣伝されてますが、全くのインチキな論理だと思います。ウラン製造や再処理の過程で大量のCO2を出すわけですから。それに放射能をばら撒くほうがよほど環境にとってダメージが大きいハズです。第一CO2が温暖化の主原因かどうかも科学的に実証されたわけではないのに・・。

広島に捕虜収容所があったのは知ってましたが、オーストラリア兵もいたというのは知りませんでした。日本人の被害を訴えるより、自国民が味方に被曝させられた事実の方が、彼らにとっては自分達の問題として核の非人道性を捉える事が出来るんじゃないかと思います。この点はもっとアピールしていくべきだと思うのですが。
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電気猫さんへ (ozlife)
2006-08-14 22:22:45
最近は石炭でも液化してCO2排出を事前防止する技術とか、効率の良い太陽熱利用とか出てきていて、要はコストの問題と言われていますがこれらが早く実用化されるとよいですよね。原発は何十世代も後まで続く核廃管理のコストは無視して、目先の利権に絡む人達が強引に推進建設してるって構図が透けて見えるからいやなんですよね。

つい最近、広島で被爆したオーストラリア人捕虜の最後の生存者が亡くなりました。彼は原爆のおかけで自分は解放されたと思ってたから、まあ、難しいんですけどね~。「ノーモア・ヒロシマ」を世界にアピールしてくのには被害者意識だけではなく、加害者としての日本もきちんと認識してないと難しいです。
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劣化ウランは悪くない (夏草)
2008-10-04 08:04:57
失礼します、

劣化ウランは、確かに放射線とか出すと思いますが、それなら日本のジヤンボジエット機が
山へ墜落したとき、ジヤンボジエットの重りに
劣化ウランが使われていたけど、

救助に参加した人たちに、健康を害した
という報告は無いと思います。

イラクでは、米軍が核兵器を使った
それをカモフラージュするため
劣化ウランの話を広げたそうです。
実に巧妙な情報操作に私も、舌を巻いた
ほどです。

超小型原爆なら、その爆発は普通の爆弾
に見えると思います。
911テロにも使われたと噂があります。
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夏草さんへ (ozlife)
2008-10-05 20:28:05
古い記事にコメントありがとうございます。
リチャード・コシミズさんなど9.11小型水爆説など唱えている方もいらっしゃいますよね。
ブッシュ政権を牛耳る軍産複合体が劣化ウラン弾を隠れ蓑にして新型核兵器の実験を行っていたとしても不思議ではないと思います。

そういうことがあったとして、では隠れ蓑として使われた劣化ウラン弾は悪くないといえるのでしょうか。

まず劣化ウランのような低レベルの放射能の影響は、被爆期間と個体差によるものだと思うのです。原発周辺の白血病発生率と同様にそこに住んでいて恒常的に晒され続けるか、大人か子供かによって異なると思うので日航機墜落時の一時的な救助活動と比べるのはどうかと思います(そういえば日航機墜落事件も本当は撃ち落とされたという説がありますね)。
また、劣化ウラン弾で看過できないのは重金属毒性の害です。
まあ、高電圧線の近くでも白血病発生率は増えますから、イラクで使用された新型電磁波兵器も白血病増加に一役買っているかもしれません。
とにかく人を殺す兵器に良いも悪いもないですね。
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