台風９号の爪痕

大型台風９号が関東地方を直撃。
多摩川水系も記録的な大増水となった。


台風一過と秋の空、のど元過ぎれば熱さ忘れる…すっきり晴れた空を見上げると、禁漁までの脳内カウンターがカチカチ音を立てはじめた。


「台風が過ぎて２日もたてば水量も落ち着いて、尺ヤマメの爆釣マチガイナシ！」


こういう発想をするあたりが、あまた釣りオヤジの自己中心的思考パターンであり、自分も師匠鮎川魚信氏もご多分に漏れず、そのオヤジ属である。
もはや頭の中には尺ヤマメをかけて満月のごとくしなるロッドのことしか頭にない。

だが、今回の台風は半端じゃなかった。
数ヶ月ぶりに訪れた多摩川支流は、今までに見たこと無いような増水＆濁り。
それでも、一応釣り支度をして川に立つ。
この時点では、「ひょっとしたら、尺ヤマメ」と考えていた。

以前のチャラ瀬は川幅いっぱいの激流であり、太く重い流れを遡行すると恐怖を感じた。
淵は埋まり、堰堤下も埋まり、山肌のアチコチから水がしみ出してきている。あれ、こんな所に滝なんてあったっけ？
こりゃヤバイ。２００ｍ遡行して退散。


となりの沢に移動したが、もっと状況が悪かった。


仕方なく秋川を見てみようということになって、車で大移動する。

ま、予想されてはいたが、やはりド茶濁り。



頼みの綱の支流もこの有様。



もっと上流に行くと、さらにショッキングな光景が…


げげっ！　路肩が陥没している！
激流が崖を削ることでアスファルトの下が空洞になり、陥没したのだろう。
クワバラ、クワバラ…

これを見てようやくあきらめがついた。
台風をなめちゃいけない。
牛丼喰って、おとなしく帰ろう。


がっくり肩を落として、帰り支度をする魚信さん。

あ～、今シーズンはもうダメだろうか？