御岳山

夏休みに家族をどこへも連れて行かなかった罪滅ぼしに、この三連休はキャンプに行く予定だった。
ところが、こういう時にかぎって下のボウズが発熱（38.8度）したりする。
まぁ、よくあることだ、仕方ない。キャンプは次回に…。

連休中家族４人でくすぶっていてもしょうがない。
娘を連れて、ハイキングに行くことにした。

目的地は、奥多摩・御岳山（みたけさん）。
秩父多摩国立公園であるこの山は、山頂に武蔵御岳神社（紀元前９０年創建）を擁す関東屈指の霊山である。
こう書くと何だか凄そうな山だが、標高は９２９ｍでオマケに途中まではケーブルカーで楽ちんアプローチ。
登山というより、ハイキング。神社までなら観光の範疇である。

娘は冒険気分である。

ケーブルカーは片道大人５７０円、子ども２９０円。
帰りは歩いて下山する予定なので、片道しか買わない。
ケーブルカーは時速１１ｋｍでぐいぐい高度をかせぎ、あっという間に終着駅。

神社までは舗装された参道が続く。


しばらく行くと参道には宿坊が立ち並びはじめた。



どの宿坊もなかなか立派である。さすが霊山。
こういう所に泊まるのもいいかもしれない。

この宿坊の中に神代ケヤキといわれる御神木がある。

樹齢千年！
残念ながら、御神木といえど年を経れば弱ってくる。
実は、この木の裏面には鉄板で補修(?)された箇所があり、痛々しい。
老木の下には可憐な花が群生していた。


さてさて、山に張り付くように立ち並んでいる宿坊街を過ぎると、いよいよ神社への最後の長い階段が始まる。

山門をくぐってさらに上へ上へ。


はい、到着～。おつかれさま～。
標高９２９ｍ御岳山頂の武蔵御岳神社は、朱塗りの立派な神社だった。

神社からの眺め。

風が心地いい。
晴れている日は、ここから東京タワーも見えるそうだ。

さっそく、お賽銭を納めて願掛け。

「来週のピアノの発表会で上手に弾けますように…」

そして、お約束のおみくじ。
結果は…

ざんねん！「凶」でした！（笑）
ちなみに、自分は「半吉」。
なんとまた中途ハンパな…。

小休止してから、先へ足を延ばすことに。
ここから先は登山道となる。ようやく山らしくなってきた。
娘にもう少し体力があれば大岳（１２６６ｍ）まで行ってもよいところだが、あまり無理はしないことにする。
「東京の奥入瀬」ともいわれるロックガーデンで滝巡りをしよう。
しかし、今度は台風９号の影響で登山道が崩落。通行禁止。むむむ。
唯一行ける滝は「綾広の滝」だけ。
しかたない。今日の最終目的地は綾広の滝に決定！

整備された登山道は歩きやすく、尾根上なのでそれほど高低差もない。
トレイルランニングをしている人と何人もすれ違った。
２０年前の自分を見ているようで懐かしかった。

脇に咲く花を見つけては写真を撮る。




天狗の腰掛け杉なるものもあった。樹齢３５０年。

たしかに、天狗ならずとも座ってみたくなる枝の曲がり具合である。

風の音に混じって、沢の音がしてくるようになった。
娘は水の音が気になるようで、しきりに下の方をのぞく。
登山道脇に水場があった。
初めて沢水を飲んだ娘は「つめた～い！」と感激。


水場のすぐ先に四阿があり、まっすぐ行くと大岳。
滝を見に行くので、ここで左に下りていく。
すぐに滝が現れた。
綾広の滝だ。

落差１０ｍ。
苔むした岩に囲まれ幽幻な雰囲気。なかなか立派な滝である。
古の修験者は、この滝に打たれて修行をしたそうだ。
傍らには鳥居もある。
滝から吹き下ろす冷涼な空気で、汗もすぐにひいた。
娘の希望により、ここで昼食タイム。



今日のメニューは、おにぎりとおみそ汁。
滝の傍でのあたたかいみそ汁は、娘に大好評。よかった、よかった。

この滝から下はやはり通行禁止。
七代の滝は、また次回の楽しみにとっておこう。

お腹が満たされて、若干体が重くなったせいか、娘の歩くペースも落ちてきた。

すれ違う登山者に「こんにちは～」と声をかけながらノンビリ歩く。

ケーブルカー駅と一般下山路との分岐点に来た。

papa：「帰りは歩いて下までおりるよ。」
娘　：「やっぱりケーブルカーにする。えへへ。」

あ～、予想通りの展開。
こんなことなら、多少割引のある往復券買っておけばよかった。
ま、いいか。


はい、ケーブルカー駅に到着～。

のんびりハイキングもいいもんだ。
今度は、みんなで行こうね。