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昨年の秋、コロナが落ち着いてきた様子を見計らい、すかさずホテル千畳敷を予約しておいた。
木曽駒ヶ岳に登って日本最高所のホテルに泊まり、温かい風呂に入り、美味しい食事に舌鼓を打ち、夕焼けとご来光を楽しもうという、考えられる限り最も贅沢な新年山行を満喫することになった。
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今回ご一緒したのは、shinichiさんとyoshiさん。
昨年の正月山行では、私が体調不良になってお二人に多大なるご迷惑をおかけしたので、今回はそのリベンジでもある。
まずは、ロープウェイで一気に白銀の世界へ。
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登山届を提出し、ドアを開ければ眩しいばかりの千畳敷カールと宝剣岳。
いやがうえにもアルペンムードが沸騰する。
アイゼンを装着し、ヘルメットをかぶって身支度完了。
10時40分スタート!
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厳冬期なのに、これほど天気がいいのは、晴れ男shinichiさんのパワーに他ならない。
私は、過去2回厳冬期の木曽駒を敗退しているので、嘘のような好天に有頂天である。
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アリの行列とまではいかないが、カールの底から乗越浄土を目指す登山者が点々と続いている。
我らもそれに続いて、急登をえっちらおっちら登っていく。
幸い雪も締まっており、アイゼンがよく効く。
オットセイ岩から先は、斜面が立ってきてきつくなるが、それすら楽しく思えてくる。
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1時間15分ほどで乗越浄土まで登り詰めた。
健脚のshinichiさんとyoshiさんは、絶景を前に撮影会を楽しんでいる。
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朝飯が早かったので、腹が減った。
アンパン、チョコレート等の行動食を軽く摂ってから、テルモスのお湯で一息つく。
ここからは先は稜線漫歩。まずは中岳へ向かう。
尾根上の吹き曝しになるので、サングラスからゴーグルに付け替えた。
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ひと登りで中岳に到着。
時折流れてくるガスが、冬山の厳しさを演出してくれる。
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一旦、頂上山荘(冬季休業中)まで下ってから最後の登りだ。
振り返ると彼方まで続く中央アルプスの銀嶺。
息を飲む美しさだ。
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12時30分、木曽駒ヶ岳(2956m)のピークを踏んだ。
聞こえるのは風の音だけ。感無量。
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他に登山者がいないのをいいことに、強風が吹きすさぶ中、30分近く撮影会を楽しんだ。
いい年したオジサン3人が映える写真のために撮りまくるのだ。
キモイとか言わないように。
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遊んでいると西の方向から大量のガスが近づいてきた。
ホワイトアウトが怖いので、ここは三十六計逃げるに如かず。
いつだって逃げ足は速いのだ。
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ほんの数分で稜線は白の世界に変わった。
これくらいないと、雪山に来た感じがしないからちょうどいいか。
幸い踏み後は明瞭なので、ルートから外れる心配はなかった。
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カールにはガスが入り込まず、風もなくて暑いくらいだ。
後半は尻セードで一気に下った。
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ロープウェイ駅まで戻れば、本日の行程はすべて終了。
ちょうどホテルチェックインの時間だった。
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ホテル千畳敷はロープウェイ駅に併設されているので、ドア一枚隔てて別世界となる。
カフェで軽く食事をしてから、部屋でくつろぐ。
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15時からは大浴場でゆっくりお湯に浸かった。うーむ、極楽。
そうこうしているうちに、太陽が山の端に沈み、南アルプスがうっすら赤く染まってきた。
暖かなカフェから窓越しにサンセットタイムを味わう。

ロープウェイも最終便が行ってしまうと、千畳敷カールは静寂に包まれる。
夜のとばりが下りてきた。
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夕食は豪勢な和食懐石だった。
食前酒で乾杯!
2612mの高所でこんな贅沢が味わえるなんて、申し訳ない気持ちにすらなる。
我が山の師匠に知られたら、すぐさま破門されるかもしれない。(笑)

部屋でホットウイスキーをやりながら、ごろりと寝転んでテレビを眺める。
なんども言うようだが、2612mでこんなことをやっていていいのだろうか。
ホテル内はどこも暖かく、半袖1枚でうろうろしていても大丈夫。
星を眺めるために、Tシャツのまま外に出たが、体が火照っているせいか、そんなに寒くない。
いや、きっと寒いのだろうが、溢れんばかりの多幸感で、頭が少々おかしくなっているのかも。
眠りの浅い中年なので、夜中に何度も外に出た。
暗闇に青白く浮かぶカールは美しい。
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日の出は、朝7時。
数分前にカフェへ行くと、すでに東の空は赤く染まってきていた。
南アルプスの向こうに富士山が頭を出しているが、太陽は富士山の左から出てくるとのこと。
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時間通りに太陽が昇ってきた!
おはよう、日本!
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急いでカールの方へ行くと、宝剣岳は見事なモルゲンロート。
筆舌に尽くしがたい美しさだ。
ここに泊まった人でないと見られない絶景。
空気もピンと張りつめている。
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朝焼けに輝く宝剣岳を愛でながらいただく朝食は最高である。
いつもより余計におかわりしてしまうよ。
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登るべき山に登り、見るべき景色を見て、国内最高所のホテルで贅沢な一夜を過ごし、もう何も言うことは無い。
満ち足りた気持ちで下りのロープウェイに乗り、千畳敷カールを後にした。
この充実感、そしてこの快適さを知ってしまうと、もう厳しい山に行けないかも。
また来年もここでいいかな~、なんてね。
山旅の〆は、やっぱり美味しいお蕎麦。
shinichiさんとyoshiさんが調べてくれた「行者そば 梅庵」さんへ。
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鴨のくわ焼きと行者蕎麦を注文。
蕎麦茶をすすって待つことしばし。
アツアツの鴨焼きに続いて、お蕎麦がやってきた。
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鴨は肉厚で甘辛の味付けが絶妙。付け合わせの野菜もボリューム満点。
行者蕎麦は十割で打ってあり、腰がしっかりしている。
辛味大根と焼き味噌を汁に溶かしていただく。
とても美味しくいただきました。
ごちそうさまでした。
shinichiさん、yoshiさん、二日間お世話になりました。
新年早々、幸先のよい山行になりました。
また、次の機会もよろしくです!
木曽駒ヶ岳に登って日本最高所のホテルに泊まり、温かい風呂に入り、美味しい食事に舌鼓を打ち、夕焼けとご来光を楽しもうという、考えられる限り最も贅沢な新年山行を満喫することになった。
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今回ご一緒したのは、shinichiさんとyoshiさん。
昨年の正月山行では、私が体調不良になってお二人に多大なるご迷惑をおかけしたので、今回はそのリベンジでもある。
まずは、ロープウェイで一気に白銀の世界へ。
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登山届を提出し、ドアを開ければ眩しいばかりの千畳敷カールと宝剣岳。
いやがうえにもアルペンムードが沸騰する。
アイゼンを装着し、ヘルメットをかぶって身支度完了。
10時40分スタート!
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厳冬期なのに、これほど天気がいいのは、晴れ男shinichiさんのパワーに他ならない。
私は、過去2回厳冬期の木曽駒を敗退しているので、嘘のような好天に有頂天である。
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アリの行列とまではいかないが、カールの底から乗越浄土を目指す登山者が点々と続いている。
我らもそれに続いて、急登をえっちらおっちら登っていく。
幸い雪も締まっており、アイゼンがよく効く。
オットセイ岩から先は、斜面が立ってきてきつくなるが、それすら楽しく思えてくる。
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1時間15分ほどで乗越浄土まで登り詰めた。
健脚のshinichiさんとyoshiさんは、絶景を前に撮影会を楽しんでいる。
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朝飯が早かったので、腹が減った。
アンパン、チョコレート等の行動食を軽く摂ってから、テルモスのお湯で一息つく。
ここからは先は稜線漫歩。まずは中岳へ向かう。
尾根上の吹き曝しになるので、サングラスからゴーグルに付け替えた。
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ひと登りで中岳に到着。
時折流れてくるガスが、冬山の厳しさを演出してくれる。
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一旦、頂上山荘(冬季休業中)まで下ってから最後の登りだ。
振り返ると彼方まで続く中央アルプスの銀嶺。
息を飲む美しさだ。
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12時30分、木曽駒ヶ岳(2956m)のピークを踏んだ。
聞こえるのは風の音だけ。感無量。
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他に登山者がいないのをいいことに、強風が吹きすさぶ中、30分近く撮影会を楽しんだ。
いい年したオジサン3人が映える写真のために撮りまくるのだ。
キモイとか言わないように。
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遊んでいると西の方向から大量のガスが近づいてきた。
ホワイトアウトが怖いので、ここは三十六計逃げるに如かず。
いつだって逃げ足は速いのだ。
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ほんの数分で稜線は白の世界に変わった。
これくらいないと、雪山に来た感じがしないからちょうどいいか。
幸い踏み後は明瞭なので、ルートから外れる心配はなかった。
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カールにはガスが入り込まず、風もなくて暑いくらいだ。
後半は尻セードで一気に下った。
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ロープウェイ駅まで戻れば、本日の行程はすべて終了。
ちょうどホテルチェックインの時間だった。
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ホテル千畳敷はロープウェイ駅に併設されているので、ドア一枚隔てて別世界となる。
カフェで軽く食事をしてから、部屋でくつろぐ。
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15時からは大浴場でゆっくりお湯に浸かった。うーむ、極楽。
そうこうしているうちに、太陽が山の端に沈み、南アルプスがうっすら赤く染まってきた。
暖かなカフェから窓越しにサンセットタイムを味わう。
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ロープウェイも最終便が行ってしまうと、千畳敷カールは静寂に包まれる。
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夕食は豪勢な和食懐石だった。
食前酒で乾杯!
2612mの高所でこんな贅沢が味わえるなんて、申し訳ない気持ちにすらなる。
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部屋でホットウイスキーをやりながら、ごろりと寝転んでテレビを眺める。
なんども言うようだが、2612mでこんなことをやっていていいのだろうか。
ホテル内はどこも暖かく、半袖1枚でうろうろしていても大丈夫。
星を眺めるために、Tシャツのまま外に出たが、体が火照っているせいか、そんなに寒くない。
いや、きっと寒いのだろうが、溢れんばかりの多幸感で、頭が少々おかしくなっているのかも。
眠りの浅い中年なので、夜中に何度も外に出た。
暗闇に青白く浮かぶカールは美しい。
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日の出は、朝7時。
数分前にカフェへ行くと、すでに東の空は赤く染まってきていた。
南アルプスの向こうに富士山が頭を出しているが、太陽は富士山の左から出てくるとのこと。
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時間通りに太陽が昇ってきた!
おはよう、日本!
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急いでカールの方へ行くと、宝剣岳は見事なモルゲンロート。
筆舌に尽くしがたい美しさだ。
ここに泊まった人でないと見られない絶景。
空気もピンと張りつめている。
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朝焼けに輝く宝剣岳を愛でながらいただく朝食は最高である。
いつもより余計におかわりしてしまうよ。
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登るべき山に登り、見るべき景色を見て、国内最高所のホテルで贅沢な一夜を過ごし、もう何も言うことは無い。
満ち足りた気持ちで下りのロープウェイに乗り、千畳敷カールを後にした。
この充実感、そしてこの快適さを知ってしまうと、もう厳しい山に行けないかも。
また来年もここでいいかな~、なんてね。
山旅の〆は、やっぱり美味しいお蕎麦。
shinichiさんとyoshiさんが調べてくれた「行者そば 梅庵」さんへ。
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鴨のくわ焼きと行者蕎麦を注文。
蕎麦茶をすすって待つことしばし。
アツアツの鴨焼きに続いて、お蕎麦がやってきた。
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鴨は肉厚で甘辛の味付けが絶妙。付け合わせの野菜もボリューム満点。
行者蕎麦は十割で打ってあり、腰がしっかりしている。
辛味大根と焼き味噌を汁に溶かしていただく。
とても美味しくいただきました。
ごちそうさまでした。
shinichiさん、yoshiさん、二日間お世話になりました。
新年早々、幸先のよい山行になりました。
また、次の機会もよろしくです!
千畳敷一帯は夏場にしか登ったことがないので、本当に羨ましい限りです、綺麗ですね…!
如何に高さがあるとは言え、厳冬にこれだけの晴天、shinichiさんは相当晴れ男さんかと!
雪山は気分が昂揚して寒くない、分かります。
三年前に四月に北海道は摩周湖とカムイヌプリに登りましたが、同じく寒くはありませんでした。
もう、夜空を見上げても摩周湖を眺めても溜息ばかりで。
冬山は何度行ってもエネルギーを貰って帰ってこられます。やめられませんね♪
失礼いたしました! ぺこりん♪
初めまして、こんにちは!
コメントありがとうございます!
千畳敷カールは、春夏秋冬いつでも感動を与え柄くれる場所ですよね。
厳冬期は三度目の正直で晴れたので、大満足でした。
北海道の山は登ったことがないので、すごく興味があります。
いつか行ってみたいですね~。
三連休最終日ですが!
山行前日に千畳敷ホテルに泊まりたかったのですが予約が一杯で断念しました(涙)
写真でしか見たことの無かった千畳敷カールでしたが、生で見ると桁違いで感動しました!
こんにちは!
ニアミスですね!(笑)
私は連休最終日の朝一番のロープウェイで下山しました。頂上駅でも、山麓駅でも多くの登山者とすれ違いましたから、その中にryoさんがいらっしゃったかもですね~。
ホテルは、10月下旬に最後の一室をゲットしました。
結構人気があるようなので、早めに押さえておくのがオススメです。
エビの尻尾が見事です。
僕はホテルに前泊して翌朝に登りました。
スタ-トするホテル前で監視員?のおじさんがいて
アイゼンのチェックやらピッケル所持のチェックやら
ル-トの指導やらしていましたが最近はもういないのかしら?
帰路のお蕎麦、鴨焼きと牡蠣なんて最高の締めくくりですねえ!
こんにちは!
好天に恵まれて、爽快な雪山登山を楽しめました。
今年はなぜか監視員のオジサンはいませんでした。
以前は、登山届の内容を逐一チェックされましたよね。
ロープウェイ駅だけじゃなく、オットセイ岩のところにも常駐されていて、12本アイゼンじゃないと追い返されていましたね。
蕎麦はとても美味しかったです。十割の太い蕎麦は硬かったりボソボソしたりしがちですが、ここの蕎麦は太くてもツルンとしたのど越しでした。
おすすめです~。