真実の愛を求め恋愛遍歴を重ねる男ニシノユキヒコの生きざまを描く、芥川賞作家・川上弘美の連作短編集を映画化したラブストーリー。美男で仕事も順調、女性の扱いもうまい究極のモテ男だが、必ず相手から別れを告げられる主人公を竹野内豊が切なく演じる。メガホンを取るのは、『人のセックスを笑うな』が好評だった井口奈己。ニシノを取り巻く女性たちには尾野真千子、成海璃子、木村文乃、麻生久美子、阿川佐和子ほか豪華女優陣が出演している。
<感想>抜群のルックスと形容しがたい魅力を併せ持ったモテ男、ニシノユキヒコの女性遍歴を綴った恋愛映画だということで、その主人公に竹野内豊さんが演じており、大ファンでもないがこの俳優さんの声がたまらなく好きです。こんな声で口説かれたらって、思い描いてしまいます。
この主人公のニシノユキヒコは、とにかく女性に対して優しいが見返りや快楽は求めない。近づいてくる女性には無私の精神で優しく接し、後に去りゆく彼女に辛い想いをさせるような執着は絶対に見せない男として描かれています。
しかしですよ、この男の行動だけ見ていると、その本質はまったく理解できません。つまり、彼は空っぽなんですよ。ただ女の子たちに奉仕しているだけ。これって、体の良い言い訳でしかない。男は女を誘惑して、肉体関係を持ち飽きてしまい次の女に惚れる。でも別れを自分からは切りださない優柔不断な男でもある。
誰からも嫌悪感を持たれないルックスでありながら、それでいてそのことについては自意識が希薄なわけ。そういう意味では、竹野内豊さんがハマリ役ですね。
でもね、確かにこの映画の主人公の役にぴったりとハマっているんですが、でも何か物足りなさを感じてしまった。
冒頭のシーンで、人妻と関係を持ち、一緒に付いてきた女の子、ミナミが高校生になった時に目の前に急に風が吹いてきて、幽霊として現れるのがニシノユキヒコなんです。
その前に、松葉つえをついた女性が彼を見つけ、手を上げて名前を呼び、気が付いて車の往来が凄いのに、脇目も振らずに通りの向かいにいる女性まっしぐらに、トラックに撥ねられて死んでしまうわけ。そして幽霊となって、何故だかミナミちゃんのところへ姿を現すんですね。
それから、二人は葬儀会場のニシノユキヒコの実家、豪邸へと行くと、そこで喪服を着た女性阿川佐和子と出会うわけ。その中年のおばさんから、彼の女性遍歴をあれこれと回想劇で聞かされて、映画はその女性遍歴を映し出していきます。その葬儀会場の庭で楽団が演奏しているのですが、とにかく耳障りで下手な演奏聞かせるなと、ニシノユキヒコが素敵なプレイボーイだったのに、下手な楽隊の演奏で興ざめしてしまいました。
回想劇の物語は、一応彼は会社務めしていて、その会社の上司である尾野真千子に優しくして恋愛関係になり、そこへ前に付きあっていた女性の本田翼が、別れたのにしつこくまたもや纏わりついて、元のさやに戻りたいらしく、温泉へ2人で行くんですよ。このシーンはイライラしてハッキリと断ればいいのに、と思ってしまうのに、のらりくらりと彼女が諦めるまで自分からは断りません。
それに、尾野真千子との関係も、社内で昼休みにいちゃいちゃするのはどうか思います。それに、お泊りしないと判ると急に「僕、寂しいな、結婚しようよ」なんて甘えて、どうみても結婚しても浮気はするなぁ、という感じが見え見えでした。こんな男は、結婚には向かない、遊び上手で適当に関係持って、後はポイと別れる。
マンションの隣の部屋のレズらしき成海璃子と木村文乃。始めは成海璃子が猫を探しにやってきて、そのままいつもズルズルといついてしまう。だから、成海璃子が大好きな木村文乃は、ユキヒコにヤキモチを焼き彼女を盗られてしまうんじゃないかと、ユキヒコに対して敵対視している。
でも、成海璃子が酒を飲み過ぎて連れて帰ると、その時に何故か二人は男女の関係になってしまう。これは不思議なことで、木村文乃はレズじゃなかったのか、両党つかいなのか、なんてね。ただ、男にモテなかっただけなのか?・・・理解不能です。
そんな女性遍歴をあれこれ聞いている内に、火葬場へ行く時間が来て阿川佐和子叔母さんが行くというのです。ミナミちゃんは、学校さぼって来てたし、そこへ母親とばったり出くわし、この母娘は一緒に住んでいなくて、ミナミちゃんは父親と暮らしていたんですね。母親は夫と別れ娘を残して、再婚先の男の所へいったようです。
死んだ人の悪口って、あまり言いたくないし、楽しい思い出ばかり甦って来て捨てられてもいい人だったって思いたいじゃない。そういうもんですよ。
原作は読んでいないんですが、お姉さんとのことが省かれているそうで、ユキヒコがどうしてそういう男になったかという鍵がその編にあるそうです。
2014年劇場鑑賞作品・・・36 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
<感想>抜群のルックスと形容しがたい魅力を併せ持ったモテ男、ニシノユキヒコの女性遍歴を綴った恋愛映画だということで、その主人公に竹野内豊さんが演じており、大ファンでもないがこの俳優さんの声がたまらなく好きです。こんな声で口説かれたらって、思い描いてしまいます。
この主人公のニシノユキヒコは、とにかく女性に対して優しいが見返りや快楽は求めない。近づいてくる女性には無私の精神で優しく接し、後に去りゆく彼女に辛い想いをさせるような執着は絶対に見せない男として描かれています。
しかしですよ、この男の行動だけ見ていると、その本質はまったく理解できません。つまり、彼は空っぽなんですよ。ただ女の子たちに奉仕しているだけ。これって、体の良い言い訳でしかない。男は女を誘惑して、肉体関係を持ち飽きてしまい次の女に惚れる。でも別れを自分からは切りださない優柔不断な男でもある。
誰からも嫌悪感を持たれないルックスでありながら、それでいてそのことについては自意識が希薄なわけ。そういう意味では、竹野内豊さんがハマリ役ですね。
でもね、確かにこの映画の主人公の役にぴったりとハマっているんですが、でも何か物足りなさを感じてしまった。
冒頭のシーンで、人妻と関係を持ち、一緒に付いてきた女の子、ミナミが高校生になった時に目の前に急に風が吹いてきて、幽霊として現れるのがニシノユキヒコなんです。
その前に、松葉つえをついた女性が彼を見つけ、手を上げて名前を呼び、気が付いて車の往来が凄いのに、脇目も振らずに通りの向かいにいる女性まっしぐらに、トラックに撥ねられて死んでしまうわけ。そして幽霊となって、何故だかミナミちゃんのところへ姿を現すんですね。
それから、二人は葬儀会場のニシノユキヒコの実家、豪邸へと行くと、そこで喪服を着た女性阿川佐和子と出会うわけ。その中年のおばさんから、彼の女性遍歴をあれこれと回想劇で聞かされて、映画はその女性遍歴を映し出していきます。その葬儀会場の庭で楽団が演奏しているのですが、とにかく耳障りで下手な演奏聞かせるなと、ニシノユキヒコが素敵なプレイボーイだったのに、下手な楽隊の演奏で興ざめしてしまいました。
回想劇の物語は、一応彼は会社務めしていて、その会社の上司である尾野真千子に優しくして恋愛関係になり、そこへ前に付きあっていた女性の本田翼が、別れたのにしつこくまたもや纏わりついて、元のさやに戻りたいらしく、温泉へ2人で行くんですよ。このシーンはイライラしてハッキリと断ればいいのに、と思ってしまうのに、のらりくらりと彼女が諦めるまで自分からは断りません。
それに、尾野真千子との関係も、社内で昼休みにいちゃいちゃするのはどうか思います。それに、お泊りしないと判ると急に「僕、寂しいな、結婚しようよ」なんて甘えて、どうみても結婚しても浮気はするなぁ、という感じが見え見えでした。こんな男は、結婚には向かない、遊び上手で適当に関係持って、後はポイと別れる。
マンションの隣の部屋のレズらしき成海璃子と木村文乃。始めは成海璃子が猫を探しにやってきて、そのままいつもズルズルといついてしまう。だから、成海璃子が大好きな木村文乃は、ユキヒコにヤキモチを焼き彼女を盗られてしまうんじゃないかと、ユキヒコに対して敵対視している。
でも、成海璃子が酒を飲み過ぎて連れて帰ると、その時に何故か二人は男女の関係になってしまう。これは不思議なことで、木村文乃はレズじゃなかったのか、両党つかいなのか、なんてね。ただ、男にモテなかっただけなのか?・・・理解不能です。
そんな女性遍歴をあれこれ聞いている内に、火葬場へ行く時間が来て阿川佐和子叔母さんが行くというのです。ミナミちゃんは、学校さぼって来てたし、そこへ母親とばったり出くわし、この母娘は一緒に住んでいなくて、ミナミちゃんは父親と暮らしていたんですね。母親は夫と別れ娘を残して、再婚先の男の所へいったようです。
死んだ人の悪口って、あまり言いたくないし、楽しい思い出ばかり甦って来て捨てられてもいい人だったって思いたいじゃない。そういうもんですよ。
原作は読んでいないんですが、お姉さんとのことが省かれているそうで、ユキヒコがどうしてそういう男になったかという鍵がその編にあるそうです。
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