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a green hand

誕生日秘話

1週間前のこと、息子がやってきた。

私の中では、母の誕生日をお祝いに来たんだろうと・・。
しかし、違っていた。

夫が「昨日来れば、Aが送ってきたカニが食べられたのに」と。

私は、息子の気持ちを考え、「マズっ」と思った瞬間、息子は暗闇のなかへ。

平常心を装って、「ばあちゃんにおめでとう」って言ったの?
というのが精一杯。

しばらく落ち着かない息子の様子に、私も落ち着かず、すると息子が「なんで顔を見てるの?」という。

「あなたが見ているから見てるんでしょう」といい、お互いに吹き出してしまった。
「ついこの間まで覚えていたのに・・」
「そんな時もあるわよ、お母さんだってそういう時があってすごく落ち込んだ」

お母さん、これでばあちゃんにケーキを買ってあげてとお金を出した。

それで母は喜ぶとは思えなかったので私は「何かの折にあなたが買ったら」と断った。

終始落ち着かず、コーヒーやお茶を飲んで家に帰ることになった。

見送るために、外で待っていると、ニコニコした息子が車に近づいて来た。

「ばあちゃんに小遣いもらっちゃった」と笑っている。

小遣いも嬉しかったかもしれないが、それ以上に祖母への済まなさが解消され、気持ちが軽くなった嬉しさではなかったかと思う。

母に、いくら上げたの?と聞くと朝早く起きてアルバイトしていて可哀想だから小遣いくれた・・・と。

素晴らしい母だ。


そして、昨日、母の好みの和菓子とお茶を届けに息子は来た。
「いいのに~」という母の声が聞こえてきた。
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