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東近江市議会本会議のこと

2021年03月25日 | 「慰安婦」問題

東近江市議会意見書「不」採択に関してご協力いただいた方々へ

ご協力ありがとうございました。
当初から問題点を指摘し、行動を提起してくださっていたKさんからのメールを転送します。

まだ考えはまとまっていませんが、「ピースサイクルおおいた」としては
①東近江市議会に対して「採択撤回」を申し入れること
②今回の「意見書」の問題点を、より広い地域に対して理解を求め、同様の動きに反対していくこと
③引き続き「1・8判決」の意義を考え、広めていくこと
④東アジアの平和構築への運動に協力していくこと
を考えています。

今回の東近江市議会の意見書「不」採択に関わった方々、とりわけ、
連日、そして早朝から議会への働きかけを行ってきた皆様に敬意を表します。

【以下、転載】

今日(2021. 3. 25)は、東近江市議会(滋賀県)本会議で、全国で唯一の「元慰安婦等による日本政府に対する損害賠償請求訴訟に関する韓国ソウル中央地裁の判決に対して断固たる措置を求める意見書(案)」が審議されました。

これに先立ち、東近江市民有志と私(*この内容でお知らせいただいたKさん)たち「東近江市議会ウォッチアクション」は、20人余りで、朝7時40分から市役所前で市民と市職員、議員に、この意見書を採択しないよう求めるチラシを配布しながら、最後の宣伝活動を行いました。市職員らのチラシの受け取りはよかったようで、500あまり配布できました。

続いて9時30分から議会を傍聴しました。傍聴人は出入りもありましたが、20数名でした。

問題の意見書は総務委員会で可決されていることが報告され、そのあと11時ごろから意見書についての実質審議に入りました。

まず、野党系の会派(太陽クラブ)の議員が、意見書の前半の日韓請求権協定などのことに関しては賛同するものの、後半の「慰安婦」問題の認識自体と、日韓の関係悪化を招くことから、採択には反対すると表明しました。

次に、保守派の議員は、ソウル判決は主権免除を否定しており、「慰安婦」問題も解決済みで、これまで日本政府は真摯に取り組んできているなどと、政府の言い分をそのまま繰り返したような発言でした。また言い訳のように、「慰安婦」問題そのものを否定しないがと、朝日新聞の吉田証言に関することなどをだらだらと述べていました。これには、傍聴席から失笑やおかしいという声も上がり、議長が「静粛に」という場面も。

続いて、無所属会派の議員が、これまで人権活動もしてきたものとして国連から何度も日本は勧告を受けているし、人権理事会に日本も入っているのに、この意見書には「慰安婦」問題が「作り上げられた問題」とあり、看過できないと明言。韓国に「断固たる措置を」ということも、国際的に見放されることだ。市議会はもっと市が抱える地域課題を議論すべきでもあると反対を表明しました。

さらに、共産党の議員は、ソウル地裁判決は12人の「慰安婦」被害者が日本政府に賠償を求めたものであり、主権免除の人権例外のことからしても、意見書にある「常軌を逸したもの」ではないと。そして「慰安婦」問題がなかったかのような歴史歪曲をしている点を強く批判しました。そして、1年9か月かけた調査のうえで出された河野談話の5つの重要なポイントを説明の上、さらに日本の裁判所でも「慰安婦」問題の事実認定はしっかり行われていると。また、15日に行った私たちの市役所前でのアピール行動の中で、ある女性の涙ながらの発言も紹介しながら、こんな意見書は採択してはならないと表明されました。

また、別の無所属会派の議員は、日本と朝鮮の歴史について話され、朝鮮通信使と東近江市の関連の話や韓国の場岩面(チャンアムミョン)との姉妹都市協定にも触れながら、韓国に「断固たる措置」を求める意見書には反対だと述べられました。

このような討論の中で、特に反対表明には傍聴席から拍手もわきました。

40分余りにわたる討論の後、採決に入りました。

結果は、賛成が15名(保守と公明党)、反対が8名(共産党と太陽クラブと無所属)、棄権が1名ということで、意見書は可決されしまいました。ただ、県議会のように反対したのが共産党だけではなく、他の会派も真剣に考え行動されたことに敬意を表したいところです。なお、野党系(太陽クラブ)の女性議員は棄権しましたが、この行動はなぜかわかりません。

反対意見は、いろいろな立場から述べられ意義あるものでした。

ご遠方で傍聴できなかった方は、下記で録画中継をご覧ください。5日後くらいになるようですが。

東近江市議会映像配信 (jfit.co.jp)

結果的には、保守が多い議会構成のために、意見書が採択されたことは、大変悔しいし、まずは、滋賀・東近江市議会でこんなこととなった点について、「慰安婦」被害者の皆さんに心から謝罪したいです。

また、私にご連絡いただいた限りでは、地元はもとより、全国から少なくとも44を超える要請文や電話Faxメールなどが市議会に届いています。お送りくださった方をはじめ、全国の「慰安婦」問題に関わる皆さんに対して、この意見書を採択させてしまったことが、申し訳なく、かつ今後他の地域に広がらないか大きな心配をするところです。

ただ、滋賀県議会の非難決議から東近江市議会の意見書採択まで、滋賀で初めて「慰安婦」問題に積極的に取り組んできた事実は、大きな成果でもあります。この間、講演会を含めて様々な行動に参加いただいた方は、一部重複もありますが、延べ180人を超えていると思います。また、新聞も協力してくれました。役所の議会事務局は、コロナ禍で傍聴人が多くなると三密を避けるためにと、別室で映像を準備したくらい、反響はあったとも言えます。

そのような成果はあったわけですが、結果的には、県議会も東近江市議会でも、敗北です。これをしっかりと見据えて、私たちはこれからも「慰安婦」問題をしっかり学習し、多くの人に伝える行動を考えていきたいと思います。教科書問題で、今年度あの戦争肯定と人権を軽んじる「育鵬社版教科書」を激減させたように、闘えば必ず展望が見えると思います。

これは、今日の行動を終えての私の思いであり、近く、滋賀県議会ウォッチアクション・東近江市議会ウォッチアクションとして、この間の行動と今後に向けた総括的議論がされると思います。