▽血統徒然△

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BMSとしてのサンデーサイレンス by高柳先生

2004年07月30日 | Weblog
いつか書こうと思っていたことを尊敬する高柳大先生に書かれてしまいましたので(私には、ここまで深く考察できませんが)非営利に限り転載OKらしいので、そっくりコピペします。週刊競馬情報は私が愛読する数少ないメルマガです。未登録の方は、これを機会に是非どうぞ。

週刊競馬情報

母父サンデーの活躍馬をホッピー&焼酎片手に鋭意(?)調査すると、こんな
感じ(重賞1&2着馬、オープン勝ち馬、その他を生年ごとに挙げています)。

・1997年生
 ラジョーネ
・1998年生
 ディープカレント
・1999年生
 マイソールサウンド(京都記念、マイラーズC、中日新聞杯、京都金杯)
 シャドウスケイプ(根岸S、2着-ガーネットS、名古屋優駿、グランCC)
 プリサイスマシーン(中日新聞杯、カシオペアS、2着-マーチS)
 サンヴァレー(いちょうS、ジュニアC、2着-共同通信杯)
 プレシャスカフェ
・2000年生
 スズノマーチ(2着-弥生賞)
 サカラート(灘S)
 ヤマニンスフィアー
 アイポッパー
・2001年生
 ウイングレット(スイートピーS、2着-新潟2歳S)
 ブラックコンドル(中京2歳S)
 エイシンヘーベ
 ポップロック

中央競馬のブルードメアサイアーのランキングは、2002年が27位、2003年は
マイソールサウンドやプリサイスマシーンの活躍で5位に躍進しています。

「母父サンデーの馬が(特にG1で)活躍していないのは何故?」という
問いに対する答えですが、それは
「サンデー産駒が(特にG1で)活躍しているから」でしょうね。昨年のBMS
で1位のノーザンテーストはデュランダル(スプリンターズS、マイルCS)、
2位のマルゼンスキーはサクラプレジデント(札幌記念)、3位のトニービンは
アドマイヤグルーヴ(女王杯、ローズS)と、父サンデーのおかげ様。「父でも
母父でも、サンデーの血を引いているのだから、大して変わらないのでは?」
と考える方もいるかもしれませんが、
1代祖→2代祖では遺伝的寄与率が半減してしまいます。

ならば「父父サンデーと、母父サンデーではどっちが走る?」という疑問は
当然湧くところでしょう。ともに2代祖で遺伝的寄与率は同じです。しかし、
これも選抜強度の点で、母父サンデーの方が分が悪いです。というのも、父父
サンデーはダンスインザダーク産駒やフジキセキ産駒のように、「ごく少数の
エリート種牡馬から、多数生産された馬」であるのに対して、母父サンデーは
「多数の有象無象の牝馬から、年に1頭ずつ生産された馬」だからです。
 
ただ、ここまではサンデーサイレンスを超ウルトラスーパーサイアーとして
捉え(実際その通りですが)、自身の影響力のみについて考えた場合で、他力が
絡むと話は違ってきます。ノーザンテーストがそうだったように、自身に匹敵
するか超える種牡馬が現れて、その種牡馬との和合性が高く、配合機会も多け
れば、G1馬も続々と誕生するはずです。

ご存知の通り、サンデーサイレンスは母父が米血異系のUnderstanding、祖母
にはHyperion3×4とサポート血脈が入って、父系以外は主流血脈を持たない
上に、Turn-toはPharos3×3、Hail to ReasonはPlucky Liege4×4、Haloは
Blue Larkspur4×4と、「近親交配と選抜のふるい」をくぐり抜けた父系で、
近交に強いために(スティルインラブ、ペインテドブラック、ウイングレットの
ような近交馬でも走る)、どんな血脈も受け入れる和合性の高い種牡馬です。

ただ、先に触れたように母系が貧弱なため、父から牡駒には伝わらず、牝駒
のみに伝えられる伴性遺伝効果(X染色体上の遺伝子による効果)には乏しく、
父よりも母父として特に成功する種牡馬ではありません。
 
要するに、母父サンデーはそれだけでプラスとは言えませんが、サンデー系
以外からポストSSとなる種牡馬が現れれば、その産駒から活躍馬も出て来る
といったところでしょうか。

ヒシミラクル順調に回復

2004年07月30日 | Weblog
写真のとおり、秋のG1路線へ向けて視界良好だそうです。サッカーボーイ産駒の芦毛の安馬で角田鞍上と現役スターホースでは一番ドラマチックな馬です。是非是非、もう一花咲かせて欲しいですね。秋に最低一つはG1を勝って、来春にタップダンスシチーを撃破、海外挑戦という妄想が現実になりますように。