拳骨山へ
西興部にある拳骨山は下から見ると、まさに天空に拳を突き上げた様な威容であり、童謡のげんこつ山とは無関係なのが一目でわかる。
げんこつ山はみんなの心の中にあるのだ。
拳骨山は登らねばならぬ形をしている。
こういった山に登山道も整備も要らないと思うのだ、ヤブ漕いで行けばいいだけ。
ただし、この山のヤブは心のタフネスを試される、とにかく蔦がスゴい、ブドウなんかのツルが行く手を阻む。
剪定バサミを持って行ってなければお手上げだったかもしれない。
そこは登山慣れしたみんな、言わずとも全員持ってましたよ。
そんな太いヤブでも密でも無くて、極悪でも悪辣でもない。
強いて言えばココのヤブは非道。
ヒドいんだよ。
時々鹿道で楽をさせてもらう。
やっぱり鹿道は先生、そして時に答えそのもの。
まずは三角点ピークへ。
二等三角点「岩山」と対面する
まあ、年間数パーティか?
こいつを拝めるのは。
写真はげんこつ山のタヌキさんと剪定バサミ
剪定バサミこそがキーアイテム。 まあ、ドラクエで言えば妖精の笛だな。
剪定バサミこそがキーアイテム。 まあ、ドラクエで言えば妖精の笛だな。
楽しみにしていた岩峰ビークへ向かう
近づくにつれ、圧倒的な迫力で眼前に立ちふさがる。
男前だねぇ・・ アンタ男前だよ・・
男も惚れる拳骨山
近づいて観察するとクラックいっぱい
ただしボロいけど楽しめそう。
どこ登ろっかなー
全部楽しそうに見える
ヤブ漕ぎ大変そうだから重いデカいカムは持ってこなかった・・
小さめのばっかり・・
登り始めてすぐに後悔・・
でも、アルパインクライミング用の靴を担いできたのは正解だった。
登る僕
出だし核心・・
上部はけっこうワイドなチムニーですっぽり入って安心
はーいビレイ解除!
フォローで登ってくる岳友
このあたりは快適クラック
拳骨山の岩峰で遊ばせてもらいました。
高さも相当あるので岩峰ピーク付近では確保しないと動くの怖い
ピークからの眺めは絶景そのもの。
ただし度胸は試される
立っている所から下を見るとこんな風景
げんこつ山のたぬきさん。
拳骨山の名は珍名で日本に1つしかないが、更に歩いて行ける近い所にも珍名の山、「右山」と「左山」がある。
当然、これらも登ったところ、げんこつ山がすごくカッコよく見え、眺めて良し、登って良し、展望良しの三拍子揃った楽しい登山を反芻してコンプリート
左山への道中、印象に残ったのが、真新しい羆の糞があるのに誰も反応しない事
だって珍しくないんだもんね、山慣れしてない人なら写真撮ったり大騒ぎなんだろう、「だってその糞、普通なんですもん、前に見た色とりどりのは写真に撮りました」って。
山には羆いて普通だもんね、白樺見て騒ぐようなもんだ。
たった一泊のショートトリップだったけど。
前から登りたかった山に完全な形で登れて満足
夢追い人は旅路の果てに 一体なにを手にするんだろう。
それが知りたければ旅を続けるしか無いよね。