東日本大震災から今日で10年震災が発生したその日は高校の先輩の卒業式前日で
会場準備が終わった頃
母から電話がかかってきた。
テレビをつけると非現実的な映像が
目に飛び込んできた。
でもその時は
一部の地域だけで
大したことはないだろうと思って
友人たちとふざけあっていた。
家に帰ってから
改めてテレビを見ると
ただ事ではないということがわかった。
*
その年の12月
私は宮城県石巻市に
震災復興のボランティアに行った。
自分の目で被災地を見なければいけない
何か自分でも役に立てることはないか
と思い決意した。
島根から石巻までバスで約13時間。
現地では仮設住宅を一軒一軒周りながら
生活物資などが入った袋を手渡していった。
現地の方は大変な環境の中でも
笑顔で迎えてくださった。
「ありがとう」
その一言にこちらが救われた。
*
津波の被害を受けた場所は
既に瓦礫が随分撤去されており
そこに本当に町があったのか
と思うほど、ぽっかりと空いていた。
*
テレビ越しでは
わからないことも沢山ある。
私がしたことは
小さなことだったかもしれない。
でもあの時、現地に行って、直接見て
人々に関わって、話しを聞くことができて
よかったと思う。
自分が実際に経験しなければ
被害にあわれた方々の苦しい心情は
理解できないのかもしれない。
それでも、ほんの一部だけでも
知ることができたように思えた。
私たちはこの日を忘れてはいけない。
風化させてはいけない。
そして
今生きていること、いつもの日常
当たり前過ぎて忘れがちだけど
その当たり前に改めて感謝しよう。