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しばらく歩くと杉が道に対して倒れていたが
周りの木々が支えた御陰でアーチ上になってた。
確かに杉は育つのが早いけれども
こんなに簡単に倒れるほど根が深く広く伸びないからね。
長いスタンスで考えればブナ等の広葉樹が良いのだけれども
育つのが針葉樹に比べ遅いし…う~ん、どうなんでしょう?
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…ヨイショ!
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…ホイ!
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…ワオ!
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…ソレ!
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………(唖然)。
此の状況なら全面通行止めにしたほうが…。
只でさえ難所なのに難易度が更にハードになってる。
現代の少年少女はWii世代だが我々の幼少期は
Wiiの御先祖とも云えるファミコンの『ファミリートレーナー』。
其のファミリートレーナーのゲームの中に飛び込んだみたいだ。
これぞまさしく逆貞子現象と云うものか?(誰も言わない)
しかしだね、気楽に登れる山だから登山客(と云うより観光客か)の
一部は山登りに不向きな靴で下りてくるから逆に心配だ。
女性ならロングブーツやヒールの高いパンプスやら
男性ならクロックス等のサンダルやスニーカー。
いつもより難易度が増しているのに己でもっと難易度上げてやんの。
自業自得と云えばそうなんだが山をなめちゃ駄目だよ、君達。
(人の事言えないだろ、何を偉そうに)
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もう引き返す事も出来ない(戻れない)距離まで来てる。
進メ、一億総火ノ玉!!
人の瞳が背中についてないのは
前に向かい生きていく使命があるからだ!
(某曲より歌詞を引用。分かるかな?)
…でも此の時点でまだ6号路に達してないのよね。
それなのに此の荒れっぷり(汗)。
道はぬかるんで滑りやすいし一部は軽く崩れてる。
おーし、変な意味でテンション上がってきたぞー。
「かかってこいよ、オラァ!」と
ヴィジュアル系の煽りなみの勢い。
まだまだいけますかぁ?…オフコース!!
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やっとこさ6号路の沢に着き本来の道を下から見上げてみる。
本来なら沢の横の石段みたいな坂を下りていくのだが…
どうだろうか、完全に道が塞がれている。
こりゃ、無理だわ。
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道無き道を行くとよく聞くが
素人目から見てもこんな状態ではどうしたらよいものか?
気分はさながら『川口浩探検隊(現 藤岡弘、探検隊)』である。
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道は険しいし肉体的にも疲労は多少はあるのだが
精神的には心地良い、癒されてる自分が其処にいた。
肉体疲労さえ無にする力が作用してるんだよね。
こんな状況を目の当たりにしながら
少なからず自然の恩恵を受けているとは…。
なんて懐が深いんだ、ネイチャーってやつは!?
視覚的にも感動があるからか。
ホラ、見てご覧なさいよ、お嬢さん達!!
此の倒木の朽ち具合といい苔むし具合といい
絶妙なバランスに感動すら覚える(自分だけか?)。
これこそ耽美だよ、耽美!!(そうなのか?)
本当は此の中で独りぼっちの絵を描いたのだが
なにせ連休中&パワースポット効果ですからねぇ。
セルフ遭難したかったんだが(そんな造語はない)。
なんか此の穢れ過ぎた肉体と精神をね、
ただただ自然と云う揺籠に身を委ねたかっただけなんだ。
~まだまだ付き合ってもいいんだからネッ!!~