百夜通い伝説(ももよがよいでんせつ)小町と芍薬
小野小町に思いを寄せるを深草少将、恋文を何度も送ったところ
「あなたがお送り下さった文のように私を心から慕って下さるなら、
わたしが幼い頃、都にたつ時植えていった芍薬があります。
それが不在中に残り少なくなって悲しんでいます。
だから、あの高土手に毎日一株ずつ芍薬を植えて、百株にしていただけませんか?
約束どおり百株になりましたら、あなたの御心にそいましょう」と、伝えてきた
少将は一日もかかすことなく野山に芍薬を探しに出かけ99本の芍薬を植えつづけた
ところが百日目の夜、あと1本というところで降りしきる雨の中、事故で亡くなってしまう
小町は少将の死を悼み、芍薬には99首の歌を詠じ、名を法実経の花と呼ばれるようになった
芍薬は五月のバラとも呼ばれている
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