野次猫ゆきちゃんの日記

野次馬な猫のゆきちゃんが日記風に語る物語や
日常のよもやま話などなど^_^

第12話 夢か幻か?ゆきちゃん、蛙の泉国へ行く!

2023-06-18 23:53:00 | 日記風、猫物語。ファンタジー猫物語、空想猫物語
 あ、雨が止んだみたいね。
お日様もお出ましになったわ。
でもまた雨降りになりそうだから、早めにパトロールしましょ!
 そうそうこの間ね、みっちゃんが私専用の出入り口を作ってくださったのよ。
そしたらね、みっちゃんたら『ゆきちゃん、パトロールご苦労様〜ふふふ』ですって。💦💦
私もね、感謝を込めてニャワーンと鳴いてみたのよ。 ありがとう、みっちゃん!
 
さあ、パトロール開始よ。
今日は南側の雑木林から始めましょ。

あら?何かしら?栗の木の枝と枝の間がピカピカ、ヒラヒラしているわ。近づいてみたらね、蜘蛛の巣が雨の雫を受けて光っていたのね。
そしたらね、『た、た、助けて〜』って蜘蛛の巣に引っかかってしまった、蛙さんがいらしたのよ。
もうビックリしたわ。
どーしよー。💦💦なんとかしなきゃ。💦
ゆきもねジタバタしているとね、突然、グルグルと8の字の風が吹いてきて、白銀色のフワフワ綿毛の箒🧹のようなものが飛んできてね、一瞬で蜘蛛の巣を払っていったのよ。

その後、ゆきの足元にね、ポトンと上から何かが落ちてきたの。見てみるとススキ🌾のフワフワ綿毛だったのよ。
ススキのフワフワが箒🧹に見えたのね。
ふふふ。

 何だか私、ボーっとしてたらね、私の頭の上から
『あのう〜』って、声が聞こえてきたのよ。
上目遣いで見てみるとね、蛙さんが私の頭の上に落ちて乗っかっていたのよ。
『あ、蛙さんお怪我はありませんか?』
『はい、お陰様で。あのう、もしやあなた様は猫頭の命を賜われた、ゆきちゃんではありませんか?』
『はい、私はこの宇壷家にお世話になっているゆきと申します』
『申し遅れました。
私はこちらの雑木林に住んでおります、蟾蜍(ヒキガエル)のまると申します。穴籠もりに向かう途中で、この蜘蛛の空き巣に引っかかってしまったんです。ゆきちゃん、本当に助かりました!ありがとうございます。』
『いえいえ、私は何もしてないのよ。ジタバタしてたらね、急に8の字の風が吹いてきて、ススキの箒が飛んできたのよ。』

何だか私ね、魔法使いにでもなった気がしてね、
まるちゃんには申し訳ないんだけど、少しワクワクしちゃつたわ。まるちゃん、ごめんなさーい😥
けしからん!ゆき!
 
あ、何故かしら?とっくりさんとえりまきさんご夫妻のことを思い出したわ。
そうだわ、まるちゃんも同じ穴籠もりのお仲間だし、春になったらご夫妻にご紹介したいわ。

『そうそう、まるちゃんが穴籠もりからお戻りになったら、同じ穴籠もりのお仲間で御殿にお住まいの
素敵なご夫妻をご紹介したいわ。
ぜひ、ご一緒しましょう!』
『はい、ぜひとも!
ゆきちゃん、このご恩は忘れません!
それでは行って参ります。』
『お気をつけて〜、行ってらっしゃ〜い』

今にも雨が降り出しそうだわ。
さあ、ゆきも急ぎましょ。

ヨシ!本日のパトロール終了。

雨も降り出したし、少しお昼寝しましょ。
フワー…ウトウト…ウトウト…
『ドン•ドン•ドン…』太鼓の音かしら?
ウトウトしてたら、声が響いてきてね、
『ゆき殿よ〜蛙の泉国へ御成り〜』

『ドン•ドン•ドン…御成り〜ドン•ドン•ドン…』
えっ、え、え〜、今ゆきはお昼寝中よね?
『ドン•ドン•ドン…』えー、襖?
それがね、素敵な草花が描かれた重厚な襖の前に突然、座らせられた感じなのよ。
そしてね、美しい着物を纏った蛙さんが襖を開けてくださったの。
そこには、素晴らしい後光を背負われた大きな蛙のお殿様が鎮座していらしたのよ。
その後ろには瀧が流れ落ちてて、それは見事なのよ。
あ、ここ室内よね?💦💦💦

あ、そうそうお殿様はね、とーってもお優しい瞳をされていて、雰囲気は燻し銀って感じでね、
すごーく素敵なのよ。

『ゆき殿よ。そなたに、礼を申し上げたく、蛙の泉国へお越しいただきました。
本日、穴籠もりへ向かう私の息子、まるをお助けいただき誠、感謝申し上げます。
水神様に仕える龍殿をお呼びくださるとは、ゆき殿、流石でございます。
まるは、地上界で修行をしながら宇壷家の庭を
土公神様とお守りするお役目なんです。
春から秋の穴籠もりまでを我ら蛙族が、冬越えの時節は土公神様がお守りする掟なのです。


ゆき殿の事は、精霊界では知らぬものはおりません!これからも宇壷庭とまるを宜しくお頼み申し上げます。』

『はい。恐縮です。畏まりました。』

『さあ、ゆき殿、細やかではございますが、ぜひお茶を一服。
このお茶は、ゆき殿を水の難からお守り致す力があります。私たち蛙族の秘儀と感謝が込められた一服です。どうかお召し上がりくだされ。』

『ありがたく頂戴いたします。』
あ〜なんて甘い芳醇な香りでしょう、それに後味もスッキリしていてね、
何だか、私自身が森になったみたいよ〜。
あー無性にヒメコさんがおしゃってた、ムーミンさんのお花畑に行きたくなってきたわ。

『美味しくいただきました〜』フウ〜

あ〜頭がグルグルしてきたわ〜

あ〜眠いよ〜
今のは夢よね〜でも不思議な夢ね。ふふふ。
2度寝したら今度はチャトさんの夢が見られるかしら。フワ〜







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