古今和歌集 1081
あをやぎを かたいとによりて うぐひすの ぬふてふかさは うめのはながさ青柳を 片糸によりて 鶯の 縫ふてふ笠は 梅の花笠 よみ人知らず 青柳を片糸にして撚っ
古今和歌集 1080
ささのくま ひのくまがはに こまとめて しばしみずかへ かげをだにみむささのくま 檜隈川に 駒とめて しばし水かへ 影をだに見む...
古今和歌集 1079
わがかどの いたゐのしみず さととほみ ひとしくまねば みくさおひにけりわが門の 板井の清水 さと遠み 人し汲まねば 水草生ひにけり...
古今和歌集 1078
みちのくの あだちのまゆみ わがひかば すゑさへよりこ しのびしのびに陸奥の 安達の真弓 わが引かば 末さへ寄り来 しのびしのびに...
古今和歌集 1077
みやまには あられふるらし とやまなる まさきのかづら いろづきにけりみ山には あられ降るらし 外山なる まさきのかづら 色づきにけり...
古今和歌集 1076
まきもくの あなしのやまの やまびとと ひともみるがに やまかづらせよ巻向の 穴師の山の 山人と 人も見るがに 山かづらせよ...
古今和歌集 1075
しもやたび おけどかれせぬ さかきばの たちさかゆべき かみのきねかも霜八たび 置けど枯れせぬ 榊葉の たち栄ゆべき 神のきねかも...
古今和歌集 1074
かみかきの みむろのやまの さかきばは かみのみまへに しげりあひにけり神垣の 三室の山の 榊葉は 神の御前に 茂りあひにけり...
古今和歌集 1073
しはつやま うちいでてみれば かさゆひの しまこぎかくる たななしをぶねしはつ山 うち出でて見れば 笠結ひの 島漕ぎ隠る 棚なし小舟...
古今和歌集 1072
みづくきの をかのやかたに いもとあれと ねてのあさけの しものふりはも水茎の 岡のやかたに 妹とあれと 寝ての朝けの 霜の降りはも...
古今和歌集 1071
あふみより あさたちくれば うねののに たづぞなくなる あけぬこのよは近江より 朝立ち来れば うねの野に たづぞ鳴くなる 明けぬこの世は...