古今和歌集 1093
きみをおきて あだしごころを わがもたば すゑのまつやま なみもこえなむ君をおきて あだし心を わが持たば 末の松山 波も越えなむ よみ人知らず あなたを差し
古今和歌集 1092
もがみがは のぼればくだる いなふねの いなにはあらず このつきばかり最上川 のぼればくだる 稲舟の いなにはあらず このつきばかり...
古今和歌集 1091
みさぶらひ みかさとまうせ みやぎのの このしたつゆは あめにまされりみさぶらひ 御笠と申せ 宮城野の 木の下露は 雨にまされり...
古今和歌集 1090
をぐろさき みつのこじまの ひとならば みやこのつとに いざといはましを小黒崎 みつの小島の 人ならば 都の苞に いざと言はましを...
古今和歌集 1089
わがせこを みやこにやりて しほがまの まがきのしまの まつぞこひしきわが背子を 都にやりて 塩竈の 籬の島の まつぞ恋ひしき...
古今和歌集 1088
みちのくは いづくはあれど しほがまの うらこぐふねの つなでかなしも陸奥は いづくはあれど 塩竈の 浦漕ぐ舟の 綱手かなしも...
古今和歌集 1087
あぶくまに きりたちくもり あけぬとも きみをばやらじ まてばすべなし阿武隈に 霧立ち曇り 明けぬとも 君をばやらじ 待てばすべなし...
古今和歌集 1085
きみがよは かぎりもあらじ ながはまの まさごのかずは よみつくすとも君が代は 限りもあらじ 長浜の 真砂の数は よみ尽くすとも...
古今和歌集 1084
みののくに せきのふじかは たえずして きみにつかへむ よろづよまでに美濃の国 関の藤川 絶えずして 君に仕へむ 万代までに...
古今和歌集 1083
みまさかや くめのさらやま さらさらに わがなはたてじ よろづよまでに美作や 久米の佐良山 さらさらに わが名は立てじ 万代までに...
古今和歌集 1082
まかねふく きびのなかやま おびにせる ほそたにがはの おとのさやけさまかねふく 吉備の中山 帯にせる 細谷川の 音のさやけさ...