古今和歌集 1070
しもとゆふ かづらきやまに ふるゆきの まなくときなく おもほゆるかなしもとゆふ 葛城山に 降る雪の 間なく時なく 思ほゆるかな よみ人知らず 葛城山に降る雪
古今和歌集 1069
あたらしき としのはじめに かくしこそ ちとせをかねて たのしきをつめ新しき 年の始めに かくしこそ 千歳をかねて 楽しきを積め...
古今和歌集 1068
よをいとひ きのもとごとに たちよりて うつぶしそめの あさのきぬなり世をいとひ 木のもとごとに 立ち寄りて うつぶし染めの 麻の衣なり...
古今和歌集 1066
うめのはな さきてののちの みなればや すきものとのみ ひとのいふらむ梅の花 咲きてののちの みなればや すきものとのみ 人の言ふらむ...
古今和歌集 1063
なにをして みのいたづらに おいぬらむ としのおもはむ ことぞやさしき何をして 身のいたづらに 老いぬらむ 年の思はむ ことぞやさしき...
古今和歌集 1061
よのなかの うきたびごとに みをなげば ふかきたにこそ あさくなりなめ世の中の うきたびごとに 身を投げば 深き谷こそ 浅くなりなめ...
古今和歌集 1060
そゑにとて とすればかかり かくすれば あないひしらず あふさきるさにそゑにとて とすればかかり かくすれば あないひ知らず あふさきるさに...
古今和歌集 1059
よひのまに いでていりぬる みかづきの われてものおもふ ころにもあるかな宵の間に 出でて入りぬる 三日月の われてもの思ふ ころにもあるかな...
古今和歌集 1058
ひとこふる ことをおもにと になひもて あふこなきこそ わびしかりけれ人恋ふる ことを重荷と になひもて あふこなきこそ わびしかりけれ...
古今和歌集 1057
なげきをば こりのみつみて あしひきの やまのかひなく なりぬべらなりなげきをば こりのみつみて あしひきの 山のかひなく なりぬべらなり...
古今和歌集 1052
まめなれど なんぞはよけく かるかやの みだれてあれど あしけくもなしまめなれど 何ぞはよけく 刈萱の 乱れてあれど あしけくもなし...