古今和歌集 1047
さかしらに なつはひとまね ささのはの さやぐしもよを わがひとりぬるさかしらに 夏は人まね 笹の葉の さやぐ霜夜を わが一人寝る よみ人知らず 分別がありそ
古今和歌集 1046
うぐひすの こぞのやどりの ふるすとや われにはひとの つれなかるらむ鶯の 去年の宿りの ふるすとや われには人の つれなかるらむ...
古今和歌集 1045
いとはるる わがみははるの こまなれや のがひがてらに はなちすてつるいとはるる わが身は春の 駒なれや 野がひがてらに 放ちすてつる...
古今和歌集 1044
くれなゐに そめしこころも たのまれず ひとをあくには うつるてふなり紅に 染めし心も たのまれず 人をあくには うつるてふなり...
古今和歌集 1043
いでてゆかむ ひとをとどめむ よしなきに となりのかたに はなもひぬかな出でて行かむ 人をとどめむ よしなきに 隣の方に 鼻もひぬかな...
古今和歌集 1041
われをおもふ ひとをおもはぬ むくいにや わがおもふひとの われをおもはぬわれを思ふ 人を思はぬ むくいにや わが思ふ人の われを思はぬ...
古今和歌集 1040
われをのみ おもふといはば あるべきを いでやこころは おほぬさにしてわれをのみ 思ふといはば あるべきを いでや心は 大幣にして...
古今和歌集 1039
おもへども おもはずとのみ いふなれば いなやおもはじ おもふかひなし思へども 思はずとのみ いふなれば いなや思はじ 思ふかひなし...
古今和歌集 1038
おもふてふ ひとのこころの くまごとに たちかくれつつ みるよしもがな思ふてふ 人の心の くまごとに 立ち隠れつつ 見るよしもがな...
古今和歌集 1037
ことならば おもはずとやは いひはてぬ なぞよのなかの たまだすきなることならば 思はずとやは 言ひはてぬ なぞ世の中の 玉襷なる...
古今和歌集 1032
おもへども なほうとまれぬ はるがすみ かからぬやまも あらじとおもへば思へども なほうとまれぬ 春霞 かからぬ山も あらじと思へば...