それと、事務の簡素化ももっとすすめていいと思います。記録を書くことは大切なことですが、大切なのは記録の中身を同じ現場の保育士が共有することです。パソコンの台数が不足している園が多く、またパソコンのスキルを持っている職員は多くありません。また会議等もできる限りコンパクトにするべきでしょう。話し合いの長期化にいら立つ職員の姿を今までに何度も見てきました。現場での取り組みについて話し合う時に、ある程度の共通のビジョンを会議参加者が前もって同じように理解して、必要最低限の話し合いをしてスムーズに良い形で進んでいくことが一番です。
あとはやはりチームワークの強化です。チームワークの良さを求められる一方で、職員同士の人間関係がうまくいかないことは、保育現場の問題点だと思っていますが、人それぞれ、保育観や考え方の違いがあって当然ということを認識した上で、その違いを話し合いで解決できるかが鍵になると思います。園は、そういった主体的なチームワーク作りができる人たちが多くいることが理想だと思います。乳幼児期の子供たちにとっては一番多感な時期であり、その子どもたちの人間関係の援助は、保育の大切な仕事だからです。
そして、何よりも子どもたちのために大切なのは、「楽しい雰囲気」です。職員同士の人間関係・チームワーク・心からの笑顔があること…口で言うのは簡単でも実際にそれらが良くなっていって楽しい雰囲気を作っていくというのは難しいことなのかもしれません。でもあたたかい園をつくるためには、聴く力→受け入れる力→分かり合う力といった「傾聴力」を持つことで、かなり良い感じになっていくと思います。自分が勤務する園では、この傾聴力を身につけることを含めたコーチングをグループワークで取り入れることもあり、保育士の人間性や専門的スキルの向上を目指しています。園ではたくさんの時間がとれないので、自分は勤務時間外で大学生など若い人向けのコーチング系セミナーにも参加したりもしています。子どもたちを「受容」できる力は大切ですし、子どもの言葉に耳を傾けることも保育士の大切な仕事です。そういったスキルを身につけ、さらに職員同士の人間関係と楽しい雰囲気をつくっていければ、モチベーションも上がって、体力的・精神的にも仕事をやりきる力を得られそうです。
その上でやはり子どもにも保育士にもゆとりがあること…労働時間も含めたコンプライアンスを守っていけることが理想的な保育現場だと思います。
最後に、保育士を目指している方へのメッセージを。
専門的スキルと、保育士にふさわしい人間性をもち、チームワークも形成していかなければならない…こう書くと、「大変そう」というイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、自分から主体的にそうすることが一番大事だと思うので、この道を選んだら、こんなこともできるんだ、というくらいの気持ちで楽しみにしていただきたいです。自分もそういう思いで、保育の仕事を通して自分を成長させられるように前向きに進んでいきたいと思っています。
2回にわたる「保育士のしごと」を読んでいただき、ありがとうございました。
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